鈴木優花 : ウィキペディア(Wikipedia)

鈴木 優花(すずき ゆうか、1999年9月14日 - )は、日本の陸上競技選手、長距離走。2019年夏季ユニバーシアードハーフマラソン個人・団体金メダリスト。マラソン女子日本学生記録保持者。

経歴・人物

秋田県仙北郡中仙町長野(現在の大仙市)出身。大仙市立中仙中学校 ドンパンふるさと中仙会時代に陸上競技とバスケットボールの二刀流でスポーツに打ち込む大東大1年生エース鈴木、最終7区起用“山の女神”になる/富士山女子駅伝 サンケイスポーツ 2018年12月30日。また中学校時代には東北電力主催の中学生作文コンクールで佳作入選を果たした経歴を持つ 東北電力。

秋田県立大曲高等学校に進学後に本格的に競技に打ち込む。高校時代は3年時の平成29年度全国高等学校総合体育大会(山形県総合運動公園陸上競技場)女子3000m予選に出場、同組で走った田中希実(兵庫県立西脇工業高等学校)、大西ひかり(須磨学園高等学校)らに大きく水をあけられて12位で予選落ちした 日本陸上競技連盟。

2018年に大東文化大学スポーツ・健康科学部スポーツ科へ入学すると、入学直後の6月に出場した2018年日本学生陸上競技個人選手権大会(平塚競技場)では女子5000mで鍋島莉奈(鹿屋体育大学)が2012年に記録した15分52秒95を更新する15分46秒84の大会新記録で優勝して注目を集めた大東大・鈴木「びっくりしている」/陸上" 1サンケイスポーツ 2018年6月16日。同年の全日本大学女子駅伝(宮城県仙台市)では2区を走り、13位で襷を受けて12人を抜き去り3区にトップで繋ぎ、自らも区間賞を獲得するという快走を見せた 報知新聞 2018年10月28日"。大学女子選抜(富士山女子)駅伝では過酷な山上りの7区で区間新を出した。

2019年、ユニバーシアードのハーフマラソンで加世田梨花(名城大学)を終盤で振り切り、個人・団体で金メダルを獲得、年末の実業団記録会では10000m学生歴代2位の記録を出す。全日本大学女子駅伝では3区を走り、先行する和田有菜(名城大学)に追いつき並走し最後に振り切られたものの区間賞を獲得した。続く大学女子選抜(富士山女子)駅伝7区でも先行する和田有菜(名城大学)を追い大幅に差を詰めたが逆転はできず、大東文化大学チームの目標である大学女子駅伝の初制覇は2020年以降に持ち越された。 同世代には強力なライバルが特に多く、2020年の全国女子駅伝の中継で、田中希実(豊田自動織機TC)や廣中璃梨佳(日本郵政グループ)の活躍には刺激を受けていると語ったことが紹介された。

コロナ禍の2020年シーズン、夏場に腓骨疲労骨折し、日本インカレは欠場したが、全日本大学女子駅伝に出場。最終区間の6区で名城大学の高松智美ムセンビを抑え区間新でチームを3位から2位にあげた。年末の富士山女子駅伝では初のエース区間となる5区で名城大学のエース加世田らを抑え区間賞を獲得、大東文化大学の準優勝に貢献した。

2021年9月の日本インカレ10000mでは、32分04秒の大会新記録でライバル大学の選手らを大きく突き放して優勝した。全日本大学女子駅伝では最長区間の5区で出走。拓殖大学の不破聖衣来に敗れて同大会4年連続区間賞を逃したが、5位で受けた襷を2位まで上げチームの準優勝に貢献した。富士山女子駅伝では、5区で再び不破聖衣来に敗れて区間2位ながら従来の区間記録を1分以上更新し、13位から10人抜きで3位までチーム順位を押し上げる走りを見せた。

2022年3月13日、初マラソンとなる名古屋ウィメンズマラソンで女子日本学生記録となる2時間25分02秒で5位に入り、2024年パリオリンピックの出場権を争うマラソングランドチャンピオンシップ出場権を獲得した。

パリオリンピックのマラソン日本代表決定戦となった「2023年のマラソングランドチャンピオンシップ」では猛烈な雨が降りしきる中でのレースとなり、38km付近で先頭を走っていた一山麻緒を捉えるとそのまま抜き去って独走態勢となり、国立競技場のゴールでは2時間24分09秒の自己ベストを出して優勝、パリオリンピック日本代表を内定させた。出場選手中最年少での快挙であった。秋田県出身選手の五輪女子マラソン出場は、1996年のアトランタオリンピックの浅利純子(ダイハツ=当時、17位)以来28年ぶりとなる。

主な記録

大会種目順位備考
2016年岡山インターハイ20163000m14位
2017年全国女子駅伝2区区間9位秋田県22位
2018年日本学生個人5000m優勝大会記録
|日本インカレ5000m5位
|全日本大学女子駅伝2区区間賞大東文化大2位
|大学女子選抜(富士山女子)駅伝7区区間新大東文化大2位
2019年全国女子駅伝1区区間3位秋田県26位
|日本学生女子(まつえレディース)ハーフマラソンハーフマラソン優勝
|第30回夏季ユニバーシアード・ナポリ大会ハーフマラソン金メダル日本金メダル
|日本インカレ10000m 4位
|全日本大学女子駅伝3区区間賞大東文化大2位
|セブンヒルズロードレース(オランダ)15㎞4位
|大学女子選抜(富士山女子)駅伝7区区間2位大東文化大2位
2020年全国女子駅伝1区4位秋田県30位
|全日本大学女子駅伝6区区間新大東文化大2位
|大学女子選抜(富士山女子)駅伝5区区間賞大東文化大2位
2021年日本インカレ10000m優勝
|全日本大学女子駅伝5区区間2位大東文化大2位
|大学女子選抜(富士山女子)駅伝5区区間2位大東文化大2位
2022年名古屋ウィメンズマラソンマラソン|5位日本学生新記録
2023年マラソングランドチャンピオンシップマラソン優勝2024年パリオリンピック・マラソン日本代表選考レース
2024年全国女子駅伝9区区間10位秋田県32位
|選抜中・長距離大会10000m2位日本人トップ

人物像・エピソード

  • 母も陸上競技選手であり、800メートルや七種競技の経験がある。
  • 3歳の頃に、中仙町のウォーキング大会で3キロメートルを休憩無しで完走した。
  • パリ五輪代表を決定づけたMGCのNHKラジオ中継では、偶然にも秋田県出身の三輪洋雄が実況を担当した。

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/05/07 05:55 UTC (変更履歴
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike and/or GNU Free Documentation License.

「鈴木優花」の人物情報へ