ミーガン・ラピノー : ウィキペディア(Wikipedia)

ミーガン・アンナ・ラピノー( 、1985年7月5日 - )は、アメリカ合衆国のサッカー選手。ナショナル・ウーマンズ・サッカーリーグ(NWSL)のOLレインに所属する。ポジションはミッドフィールダー、ウインガー。2019年に女子バロンドール、FIFA女子最優秀選手賞を受賞した。

アメリカ合衆国女子代表として2012年ロンドンオリンピック、2015 FIFA女子ワールドカップと2019 FIFA女子ワールドカップでの優勝に貢献し、2019年のワールドカップでは最優秀選手と得点王を受賞した。2018年より、カーリー・ロイド、アレックス・モーガンと共同で代表チームの主将を務めている。

創造的なプレースタイルで知られており、2011 FIFA女子ワールドカップ準々決勝でアビー・ワンバックの延長戦での同点ゴールをアシストしたプレーは2011年のESPN ESPY Award for Best Play of the Year に選出された。また、ロンドンオリンピックでは、コーナーキックから直接得点を記録したが、これは五輪のサッカー競技では男女通じて初めてのことであった。

同性愛者であることをカミングアウトしており、自らLGBTの権利擁護活動にも参加している。また、アメリカ社会の不平等に抗議して国歌斉唱を拒否したり、アメリカ合衆国サッカー連盟に対し選手の待遇を男女平等にするよう訴えたりするなど、社会の関心を集める活動をしばしば行っている(#発言・行動)。

生い立ち

カリフォルニア州シャスタ郡レディングで生まれ育った。6人きょうだいの末っ子であり、ミーガンの11分前に生まれた二卵性双生児の姉もサッカー選手である。ミーガンは兄のブライアンに憧れて3歳からサッカーを始め、幼少期にはブライアンからサッカーを教わった。ミーガンが10歳の時、ブライアンは薬物使用のため少年鑑別所に入れられるが、後に彼は妹がサッカー選手として成功するのを見て、薬物をやめようと心に固く誓ったという。ラピノー姉妹にとっては、カリフォルニア郊外で蔓延する薬物から逃れるための手段がサッカーであった。

クラブでの経歴

高校に入学するまで、彼女は父親が指導するチームでプレーした。入学後は高校のクラブではプレーせず、2002年から2005年にかけてサクラメント南部にある所属の Elk Grove Pride というクラブでプレーした。この時のチームメイトには姉のレイチェルや、のちに代表でもチームメイトとなるがいた。高校では1年生・2年生の時に陸上競技、1年生・2年生・4年生の時にバスケットボールをプレーし、全ての学期で成績優秀者の表彰を受けた。

高校卒業後に進学したポートランド大学では、1年生であった2005年から25試合に先発出場して15試合13アシストを記録する活躍を見せた。翌2006年にも11試合に出場して10得点2アシストの成績を残すが、シーズン途中で前十字靭帯損傷により離脱した。2007年は故障の影響からほとんど試合に出場できなかったが、最終学年となる2008年には復帰し、5得点13アシストを記録した。

大学卒業後の2009年、ドラフト(2009 WPS Draft)で指名され、アメリカ女子プロサッカー(WPS)所属のシカゴ・レッドスターズに加入した。2010年にはに移籍、その後マジックジャック、オーストラリアのシドニーFC、シアトル・サウンダーズなどのチームでプレーした。

2013年にはフランス女子サッカーリーグのオリンピック・リヨンに移籍 。同年のUEFA女子チャンピオンズリーグでは、準準決勝のFCマルメ戦 、準決勝のFCFジュヴィジー戦で得点を挙げた。チームは決勝に進出し、VfLヴォルフスブルクと対戦するが敗れた。

2013年からは、アメリカに帰国してレインFC(のちにOLレインに改名)に所属する。

2017年シーズン、18試合に出場して12ゴール1アシストの成績を残してリーグのセカンドベストイレブンに選出されたNWSL announces Second XI selectionsNWSL公式サイト(2017.10.10)、2020年10月9日閲覧。。

2018年シーズン、16試合に出場して7ゴール6アシストの活躍でリーグのベストイレブンに選出された2018 NWSL Best XI and Second XI announcedNWSL公式サイト(2018.9.20)、2020年10月9日閲覧。。

2023年7月8日、2023年シーズンをもってプロサッカー選手を引退することを発表した。

代表

世代別

2002年、アメリカU-16代表に選出され、フランスやヒューストンへの遠征に参加した。また2003年5月には、ヒューストンで行われた米国ユースサッカー協会による国際トーナメント戦でもプレーした。

2003年から2005年にかけては、U-19サッカーアメリカ合衆国女子代表として21試合に出場し9得点を記録した。2003年1月にU-19代表に初めて選出され、カリフォルニア州チュラビスタでの合宿に参加した。同年3月1日のメキシコ戦で初得点を挙げ、同年7月にはオランダ、ドイツへの遠征に参加した。2004年にはCONCACAFの世界選手権予選で3得点を挙げ、同年にタイ王国で開催された2004 FIFA U-19女子世界選手権でもチーム最多となる3得点を記録し、チームは同大会で3位の成績を残した。ラピノーは3位決定戦のブラジル戦でも得点を挙げた。

アメリカ代表

2006年、初めてサッカーアメリカ合衆国女子代表の合宿に参加した。2006年7月23日の親善試合アイルランド戦で代表デビューを果たし、同年10月1日のチャイニーズタイペイ戦で代表初得点を含む2得点を記録した。

その後2007年から2008年にかけては相次ぐ前十字靭帯損傷のため代表の試合に出場できず、2007 FIFA女子ワールドカップや北京オリンピックの出場も逃した。2009年に代表に復帰すると、同年は7試合(うち6試合は先発)に出場し、2得点1アシストを記録した。

2011 FIFA女子ワールドカップ

2010年には、10試合の代表戦に出場(うち8試合は先発)し、4得点2アシストを記録した。

ワールドカップ予選を兼ねた2010 CONCACAF女子ゴールドカップでは、グアテマラ戦で2得点を挙げた。同大会でアメリカ代表は3位となり、イタリアとの大陸間プレーオフを制してワールドカップ出場を決定した。大陸間プレーオフの第二戦でははエイミー・ロドリゲスの得点をアシストし、ワールドカップ出場決定に貢献した。

翌年、ドイツで開催される2011 FIFA女子ワールドカップの代表メンバーに選出された。本戦ではグループステージのコロンビア戦で得点を挙げた。得点後にはコロンビアのゴール左手のコーナーに置かれていた放送用のマイクを使ってブルース・スプリングスティーンの「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」を歌うゴールパフォーマンスを披露した。

ブラジルとの準々決勝では途中出場し、延長後半ロスタイム2分にアビー・ワンバックの同点ゴールをアシストした。このゴールは、ワールドカップ史上最も遅い時間帯に挙げられた得点となった。その後PK戦では四人目のキッカーを務めてPKを成功させ、アメリカ代表は準決勝に進出した。

準決勝のフランス戦でもアシストを挙げ、フランクフルトのコメルツバンクアレナで行われた決勝の日本戦では、後半24分に前線へロングパスを送ってアレックス・モーガンの先制ゴールをアシストした。結果的にはPK戦の末日本に敗れ、アメリカ代表は準優勝に終わった。ラピノーは大会を通して全6試合に出場し、1得点3アシストという成績を残した。

2012年ロンドンオリンピック

ラピノーは、2012年ロンドンオリンピックでのアメリカ代表の金メダル獲得に貢献した。グループステージ第2戦のコロンビア戦では決勝ゴールを挙げ、マンチェスターのオールド・トラッフォードで行われた準決勝のカナダ戦では2度の同点ゴールを挙げた。最初のゴールはコーナーキックを蹴って直接ゴールネットを揺らし得点を挙げたものであり、コーナーキックから直接得点を挙げたのはオリンピックのサッカー競技では男女通じて初めてのことであった。

決勝の日本戦ではカーリー・ロイドの得点をアシストし、チームは勝利して金メダルを獲得した。大会を通して3得点4アシストの成績を残し、同大会で最高の選手の一人であったと広くみなされ、BBCが選ぶ大会のベストチームに名を連ねた。

2012年の代表戦では、自己最高となる8得点12アシストの成績を残した。

2013年 - 2014年

2013年のアルガルヴェ・カップでは、練習中の負傷のため決勝戦を欠場し、4試合中2試合しか出場できなかったにもかかわらず大会のベストイレブンに選出された。

2013年6月20日に行われた親善試合の韓国戦で、アビー・ワンバックの代表159個目となる得点をアシストした。ワンバックはこのゴールで男女通じて国際試合での世界最多得点記録を更新した。10月27日の親善試合ニュージーランド戦では直接フリーキックで得点し、プレイヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた。

2015 FIFA女子ワールドカップ

2015年4月、2015 FIFA女子ワールドカップを戦うアメリカ代表に選出された。ワールドカップではグループリーグ緒戦のオーストラリア戦で12分と78分に得点を挙げた。チームは史上3度目となる優勝。

2019 FIFA女子ワールドカップ

2019 FIFA女子ワールドカップでは、チームメートのアレックス・モーガンと並んで大会最多の6得点3アシストを挙げ、得点王(ゴールデンブーツ)を受賞した。決勝のオランダ戦ではPKを決め、女子ワールドカップの決勝では史上最年長で得点した選手となった。また、決勝ではプレイヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた。チームはワールドカップ二連覇を達成した。ラピノーは大会通しての活躍が評価され、大会の最優秀選手(ゴールデンボール)も受賞した。

2023 FIFA女子ワールドカップ

2023年7月8日、彼女は2023年のワールドカップが彼女にとって最後の主要大会となり、年末にプロサッカー選手から引退すると発表した。 8月6日、アメリカ代表はラウンド16でスウェーデンとのPK戦の末に敗退。ラピノーはワールドカップ最後の試合となった試合でPKを外した3人の米国選手のうちの1人だった。

代表での得点

ゴール日付開催地対戦相手得点時間得点試合結果試合概要
12006-10-01 USA カーソン79親善試合
282
32009-03-09 POR フェレイラス21アルガルヴェ・カップ グループB
42009-05-25 CAN トロント46親善試合
52010-07-17 USA ハートフォード33
62010-10-02 USA ケネソー21
72010-10-30 MEX カンクン22CONCACAF女子ゴールドカップ グループB
840
92011-03-02POR サント・アントニオ18アルガルヴェ・カップ グループA
102011-04-02ENG ロンドン39親善試合
112011-07-02GER ジンスハイム502011 FIFA女子ワールドカップ グループC
122012-01-22CAN バンクーバー75ロンドンオリンピック・北中米カリブ海予選
132012-07-28SCO グラスゴー33ロンドンオリンピック グループG
142012-08-06 ENG マンチェスター54ロンドンオリンピック 準決勝
1570
162012-09-01 USA ロチェスター13親善試合
1745
182012-12-01USA グレンデール38
192012-12-15USA ボカラトン36
202013-02-13 USA ナッシュビル21
212013-03-08 POR アルブフェイラ46アルガルヴェ・カップ グループB
222013-04-05 GER オッフェンバッハ55親善試合
232013-10-27 USA サンフランシスコ7
2014-02-13 USA アトランタ65
242014-03-10 POR アルブフェイラ68アルガルヴェ・カップ グループB
252014-04-06 USA コマースシティ78親善試合
262014-08-20 USA ケーリー3
272014-09-19 USA ロチェスター37
282014-10-17 USA シカゴ66CONCACAF女子選手権 グループA
292014-12-14 BRA ブラジリア9ブラジリア国際トーナメント
302015-06-08 CAN ウィニペグ122015 FIFA女子ワールドカップ Group D
3178
322017-07-31 USA サンディエゴ85トーナメント・オブ・ネイションズ
332017-08-03 USA カーソン12
342017-10-19USA ニューオーリンズ523–13–1親善試合
352018-03-02 USA コロンバス171–01–0シービリーブスカップ
362018-04-08 USA ヒューストン645–26–2親善試合
372018-06-12 USA クリーブランド351–02–1
382018-07-26 USA カンザスシティ664–14–2トーナメント・オブ・ネイションズ
392018-10-04 USAケーリー32018 CONCACAF女子選手権
4070
412018-10-14 USA フリスコ15
422019-02-27USA チェスター231–02–2シービリーブスカップ
432019-03-02USA ナッシュビル331–02–2
442019-04-04USA コマースシティ613–25–3親善試合
452019-06-11 FRA ランス799–013–02019 FIFA女子ワールドカップ グループF
462019-06-24 FRA ランス72019 FIFA女子ワールドカップ 決勝トーナメント1回戦
4776
482019-06-28FRA パリ52019 FIFA女子ワールドカップ 準々決勝
4965
502019-07-07FRA リヨン612019 FIFA女子ワールドカップ 決勝
注釈

タイトル

チーム

オリンピック・リヨン

  • フランス女子サッカーリーグ(ディヴィジオン・アン): 2012–13
  • クープ・ドゥ・フランス: 2012–13
  • UEFA女子チャンピオンズリーグ 準優勝: 2012–13

レインFC

  • NWSLシールド: 2014, 2015

アメリカ合衆国代表

  • FIFA女子ワールドカップ: 2015, 2019; 準優勝: 2011
  • オリンピック: 2012
  • アルガルヴェ・カップ: 2011, 2013, 2015
  • CONCACAF女子選手権: 2014, 2018
  • シービリーブスカップ: 2018
  • トーナメント・オブ・ネイションズ: 2018

個人

  • FIFA最優秀選手賞:2019
  • 女子バロンドール:2019
  • FIFA女子ワールドカップ最優秀選手(ゴールデンボール): 2019
  • FIFA女子ワールドカップ得点王(ゴールデンブーツ): 2019
  • 2019 FIFA女子ワールドカップ決勝戦プレイヤー・オブ・ザ・マッチ
  • アルガルヴェ・カップ MVP: 2013
  • NWSL Best XI First Team: 2018
  • NWSL Best XI Second Team: 2013, 2015, 2017
  • NWSL Player of the Week: 2013 Week 16, 2015 Week 1, 2017 Week 11, 2017 Week 14, 2018 Week 1, 2018 Week 7

表彰

2011年のワールドカップでの活躍を受けて、出身地のレディングでは彼女を表彰するパレードが開催され、9月10日が「ミーガン・ラピノーの日」として制定された。2012年10月25日、FIFA女子最優秀選手賞の候補10人の一人に選ばれた。同年、スポーツ・イラストレイテッドによる Most Inspiring Performers の最終候補にも名前が挙がった。2012年11月10日には、LGBTのスポーツ選手への認識を広めたことを称され、ロサンゼルスLGBTセンターから表彰を受けた。

2014年12月、フットボール選手の、と共に、出身地であるカリフォルニア州シャスタ郡のスポーツの殿堂に選出された。

2015年、National Gay and Lesbian Sports Hall of Fameに選出された。

ワールドカップでMVP・得点王に輝いた2019年には、FIFA女子最優秀選手に選出された。イタリアのミラノで行われた授賞式に参加し、「本当に信じられない1年だった」と活躍を振り返った。

2022年7月7日にはアメリカ合衆国で文民に贈られる最高位の勲章である大統領自由勲章を受章している。

私生活

大学一年生の時に同性愛者であることを自覚した。2012年7月、彼女はLGBTファッション雑誌ので同性愛者であることをカミングアウトした。同誌によれば、彼女は2009年からオーストラリアのサッカー選手 Sarah Welsh と交際していた。2013年にWelshとの関係を解消した。その後、シアトルのレコードレーベル、サブ・ポップに所属するアーティスト Sera Cahoone と交際し、2015年8月に婚約を発表した。2017年1月、結婚を保留することを発表した。2017年7月には、2016年後半からシアトル・ストーム所属のバスケットボール選手、スー・バードと交際していることを認めた。2018年、バードとラピノーは(ESPNが発行するの、スポーツ選手のヌード写真を掲載する企画)の表紙を、同性カップルのスポーツ選手として初めて飾った。

スポンサー

ラピノーはナイキ、サムスン電子とスポンサー契約を結んでいる。ナイキの複数のCMに出演したことがある。2013年、衣料品メーカーの Wildfang の広告に登場し、また医療機器メーカーの DJO Global ともパートナーシップを結んだ。2016年には、エナジー・ブランズ(グラソー)のビタミンウォーターの広告に出演した。同年には、ナイキのCMでクリスティアーノ・ロナウドと共演している。

発言・行動

優勝パレード、ホワイトハウスの表敬訪問

2015年

2015 FIFA女子ワールドカップの優勝後、ラピノーたちアメリカ代表の優勝を記念して、ニューヨーク市でティッカー・テープ・パレード(紙吹雪を使って演出するパレード)が開かれた。女子のスポーツチームを記念してニューヨークでティッカー・テープ・パレードが行われるのは初めてであった。この時、ビル・デブラシオニューヨーク市長から「市の鍵」を授与された。10月にはホワイトハウスでバラク・オバマ大統領を訪問した。

2019年

2019 FIFA女子ワールドカップの大会前、サッカー誌『EIGHT BY EIGHT』の取材に対し、仮にワールドカップに優勝してドナルド・トランプ大統領に招待されたとしても、「クソみたいなホワイトハウスに行くつもりはない」と述べた。これに対し、ワールドカップ開催中の6月26日、トランプは自らのツイッターで「ミーガンは喋る前にまず勝つべきだ」とラピノーを非難した。

ワールドカップで2連覇を達成した後の7月10日、前回同様に、ニューヨークで優勝を祝賀するパレードと式典が行われた。ラピノーは式典の終わりにスピーチを行った。「私たちのチームにはピンクや紫の髪の子、タトゥーをしている子、白人や黒人の子、ストレート、ゲイ、いろんな子がいる」とアメリカ代表のメンバーの多様性に触れ、結束と寛容さを持つことが重要であることを聴衆に訴えた。

国歌斉唱に関する論争

2016年9月4日、シカゴでのレッドスターズとの試合において、試合前の国歌斉唱の際にラピノーは跪く姿勢をとった。これは、人種の不平等や少数派への抑圧に抗議して試合前の国歌斉唱を拒否し議論を呼んだフットボール選手のコリン・キャパニックの行動に共鳴したものであった。

一方、3日後の9月7日、ラピノー所属のレインFCと対戦したNWSLのワシントン・スピリットは、通常の国歌演奏は行わず、選手がフィールドに入場する前に国歌を流すという措置をとった。これについてスピリットは「アメリカ人や我々のファンの大多数にとって大きな意味を持つ伝統をハイジャックする者(ラピノーのこと)を喜んで認めることはできない」とする旨の声明を発表した。これに対しラピノーは「アメリカ最大の悲劇の一つ(アメリカ同時多発テロ事件)の4日前に、『ハイジャック』という言い方をされたのはとても不愉快だ」と不快感を表明したSpirit play anthem before players' entry to nix Megan Rapinoe 'hijacking', ESPN September 7, 2016. Retrieved September 8, 2016。その後、9月15日に行われた代表のタイ戦でもラピノーは跪く行為を続けたSI Wire, "USWNT's Megan Rapinoe kneels for national anthem before Thailand match". Sports Illustrated.。これについて、アメリカ合衆国サッカー連盟は「国を代表することは代表選手やコーチにとっての特権・名誉であり、したがって国歌はアメリカサッカーにとって重要である。国内外の観衆の前で国歌を演奏することは、アメリカ国民が享受してきた自由について思いを馳せる機会となる。我々は国を代表するという特権を与えられた者として、選手やコーチは国歌演奏中に起立し、国旗に敬意を払うことを期待する」と声明を発表した。ラピノーはこの声明に対し、「抗議から身を守るために愛国心を利用するのはとても臆病だ」と述べ、おそらく今後一切国歌を歌わないだろうと語った。

2019年のワールドカップにおいても、国歌演奏の際に起立はしたものの、国歌は歌わず、胸の前に手を当てるポーズはとらなかった。

女子選手の待遇改善の訴え

2016年から、に対する男女選手の賃金格差の是正を求める申し立てに参加している。2019年3月、27人の同僚選手とともに、アメリカ合衆国サッカー連盟が性差別的な待遇を行っているとして訴訟を起こした。同年のワールドカップ期間中の記者会見においても、ワールドカップの優勝賞金の男女間格差を指摘し、国際サッカー連盟(FIFA)を批判した。

アジア人への差別発言

2021年6月17日、ビクトリアズ・シークレットのスポークスマンに選ばれたことがきっかけとなりTwitter上で2011年5月20日に投稿したアジア人への差別発言が取り沙汰され炎上する事態となった。

メディアでの言及

新聞・雑誌

2013年3月号ので表紙を飾った。2012年8月6日号のスポーツ・イラストレイテッドおよび2012年7月号のOutで特集された。2013年8月11日のニューヨーク・タイムズでは、彼女のオリンピック・リヨンや代表での経験、同性愛のカミングアウトなどが取り上げられた。2019年、スポーツ・イラストレイテッドの水着特集に、同性愛者の女性としては初めて取り上げられた。

テレビ・映画

ラピノーはザ・デイリー・ショー、トゥデイ、レイチェル・マドー・ショー、グッド・モーニング・アメリカなどのテレビ番組に出演した経験がある。2012年、ESPNで放送されたアメリカ代表の特集番組Title IX is Mine: USWNT に出演した。また、同年11月には、FOXスポーツでラピノー自身に焦点を当てた Fox Soccer Exclusive: Megan Rapinoe も放送された。

2016年、チームメイトのホープ・ソロやクリスタル・ダンとともにドキュメンタリー番組 Keeping Score に出演した。このドキュメンタリーは2016年リオデジャネイロオリンピックに向けて準備する選手たちの姿を追うとともに、報酬の男女間格差や人種差別などの問題にも言及するものであった。2019年1月、セリーナ・ウィリアムズ、シモーネ・バイルズ、(アメリカのフェンシング選手)、クロエ・キムら女性アスリートとナイキのCM "Dream Crazier" で共演した。このCMは2019年のアカデミー賞の途中に放送された。同年12月には、LGBTQ+の人々の人間模様を描いたShowtimeのテレビドラマ『Lの世界 ジェネレーションQ』に本人役でゲスト出演し、自身の生い立ちや経験について語った。

2020年4月18日には、新型コロナウイルス(COVID-19)への対策を支援するために開催され、ネット上で配信されたチャリティーイベント「Together at Home」に出演した。

テレビゲーム

ラピノーは、女子選手が初めて収録されたFIFAシリーズ(EAスポーツ)のゲームソフトであるFIFA 16にアメリカ代表のチームメイトともに登場した。2015年9月、ラピノーはカーリー・ロイドについで二番目に高い選手レートに位置付けられた。

関連項目

  • FIFA女子ワールドカップにおける得点者
  • オリンピックのサッカー競技・メダリスト一覧

出典

マッチレポート

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/02/29 04:53 UTC (変更履歴
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