石川翔 : ウィキペディア(Wikipedia)

石川 翔(いしかわ しょう、1999年12月14日 - )は、東京都板橋区出身のプロ野球選手(投手・育成選手)。右投左打。中日ドラゴンズ所属。

弟は栃木ゴールデンブレーブス外野手の石川慧亮。

経歴

プロ入り前

小学3年生の時に徳丸原パンダースで外野手として野球を始め、小学校5年生から中学校1年夏まで東板橋リトルリーグで投手兼外野手としてプレーした。中学1年夏からは中学校卒業まで板橋シニアで投手兼外野手としてプレーした。当時、投手としてはチームでも2、3番手と言うレベルだった2017ドラフト決算詳報号(2017年11月4日発行)。中学時代に右膝の分離症の手術を受け『野球太郎:2017ドラフト直前大特集号』 24号、廣済堂出版、2017年 ISBN 978-4-331-80373-8 pp.148, 149.、以後高校卒業に至るまで怪我に悩まされることとなる。

高校は練習環境が整っているとしてセレクションを経て栃木県にある青藍泰斗高校に入学竹村和佳子「新時代の旗手:2位投手 石川翔 上」『中日スポーツ』2017年12月20日、第4版、第3面。ただ足が速くて強肩、打撃も良かったことから外野手として起用されることになった。中学で痛めた右膝に続いて、高校1年秋でも左膝の分離症により内視鏡手術を受け、1年冬のトレーニングを休むことになった。左膝の手術で治療に時間がかかったため「野手よりも自分のペースで練習ができる投手の方が良いかもしれない」という監督の判断と、2年になる春先に、打撃投手を3日続けて自ら買って出るなどアピールの結果、投手に再転向。2年春の関東大会で146km/h を記録してプロのスカウトの目に留まるようになる。この頃からバッティングを活かすため自分の登板がない時には外野手として投手兼任でベンチ入りし、栃木県大会準優勝第69回春季栃木県高等学校野球大会兼第68回春季関東地区高校野球大会県予選試合結果 決勝、関東大会春季大会2回戦敗退。2年の夏の栃木県大会は8強だった第98回全国高等学校野球選手権栃木大会。2年秋からはエースとなり、秋季県大会は4位だった第69回秋季栃木県高等学校野球大会組合せ。センバツ出場を逃したこの大会以降、チームプレイの大切さに気付き、また基礎体力の向上のためランニングなどトレーニングに精を出すようになった。また、同時期にコーチとして専修大学硬式野球部の監督だった高橋薫が指導に当たり、メンタル強化の重要さなど石川に大きな影響を与えた菊地高弘「野球太郎ストーリーズ:石川翔」『野球太郎:2017ドラフト総決算&2018大展望号』25号、廣済堂出版、2017年 ISBN 978-4-331-80380-6 pp.122-123.。この冬の練習を経て、身長は10cm 伸び、体重は10kg 増え、球速は10km/h 以上速くなった。

3年の春季大会は左股関節痛の影響で登板は無く、チームも2回戦敗退第70回春季栃木県高等学校野球大会兼第69回春季関東地区高校野球大会県予選。その後右肩痛に悩まされる。3年の夏の栃木県大会開幕前には左足首に重度の捻挫を負い、負傷したままテーピングをし痛み止めを飲んで投げ続けた。準々決勝の石橋高校戦では、高校時代の最速となる151kmを記録、続く準決勝で作新学院高校と戦い、左打者対策で練習していたカットボールを解禁し9回を完投して8奪三振と健闘したものの2-3で惜敗し、ベスト4に終わった第99回全国高等学校野球選手権栃木大会

2017年度新人選手選択会議で中日ドラゴンズに2巡目で指名され、契約金6000万円、年俸700万円で入団に合意した。背番号は40。同姓の石川駿が在籍しており表記はフルネーム記載となる。

中日時代

4月11日に両足三角骨の除去手術を受けたと発表された。痛みは以前からあったという。10月13日の阪神タイガース戦では7回裏から2番手で登板し、無失点だった。1年目はこの1試合のみだった。

は、春季キャンプ中に一軍昇格を果たし、先発ローテーション入りも期待されたが、3月15日のウエスタン・リーグ開幕戦対オリックス・バファローズ戦で4回を投げた後に異常を訴え、検査の結果右肘軟骨に異常が生じた疑いがあるとして手術を受けることが決まった。そのため一軍と二軍双方で登板はなかった。

は、6月4日のオリックスとの練習試合で、1年3ヶ月ぶりに実戦登板し、自己最速の152km/hを記録するなど、1回を無失点に抑えた。最終的には一軍登板は無く、ウエスタン・リーグでも3試合の登板に留まった。オフにはみやざきフェニックス・リーグに参加した。年俸は63万円減となる637万円(推定)で更改した。

は二軍戦で結果を残したが、8月に右肩を痛めた。契約更改では年俸は600万円となり、育成選手として契約した。

3月16日、右肘のトミー・ジョン手術を受けた。

選手としての特徴

ドラフト指名前山本昌は、ドラフト1位候補にふさわしい完成度の高いフォームを称えた。また、ドラフト指名後、元中日ドラゴンズスカウトの法元英明は石川のことをドラフト1位で指名されていてもおかしくなかった高校ナンバーワンの速球投手であるとし、似たタイプとして鈴木孝政を挙げた鶴哲聡「今年の新人たち。:2017ドラフト徹底診断 伝説のスカウト・法元に聞け!」『DRAGONSぴあ 2018』ぴあ、2018年 ISBN 978-4-8356-3407-4 pp.42, 43.。

鋭い腕の振りから最速は154km/hのノビのあるストレートを繰り出し、ストレートは初速と終速の差が少なく、かつ捕手が上から被せるようにして捕らないと弾くほどの威力がある。変化球はキレ味が鋭い縦のスライダーが武器で、他にもカーブ、カットボール、チェンジアップを持つ。

人物

日本人の父親とフィリピン人の母を持つハーフ。4人きょうだいの長男であり、姉と弟、妹がいる。弟の慧亮もプロ野球選手志望であり、兄と同じ青藍泰斗高校に進み、卒業後の2021年から独立リーグ・ベースボール・チャレンジ・リーグの栃木ゴールデンブレーブスでプレーしている。2022年10月16日には、日本独立リーグ野球機構選抜メンバーとしてみやざきフェニックス・リーグに参加していた慧亮との対決が実現しており、初球で打ち取っている。

小学生のころ好きだった投手はマーク・クルーンと藤川球児竹村和佳子「新時代の旗手:2位投手 石川翔 下」『中日スポーツ』2017年12月21日、第5版、第3面。あこがれの選手は菅野智之『月刊ドラゴンズ』2017年12月号、中日新聞社、p.8。目標としている尊敬する投手は江川卓。

高校時代のチームメイトに中山誠吾がいる。

詳細情報

年度別投手成績

中日100000001----31.000000000000.000.00
通算:1年100000001----31.000000000000.000.00
  • 2022年度シーズン終了時

年度別守備成績

年度球団投手
試合刺殺補殺失策併殺守備率
2018中日10000----
通算10000----
  • 2022年度シーズン終了時

記録

初記録
  • 初登板・初ホールド:2018年10月13日、対阪神タイガース25回戦(ナゴヤドーム)、7回表に2番手で救援登板、1回無失点

背番号

  • 40(2018年 - 2021年)
  • 208(2022年 - )

代表歴

  • 2018アジアウインターベースボールリーグ:NPBウエスタン選抜

関連項目

  • 東京都出身の人物一覧
  • 中日ドラゴンズの選手一覧
  • 兄弟スポーツ選手一覧

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2023/11/29 06:24 UTC (変更履歴
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