テッサ・バーチュ : ウィキペディア(Wikipedia)

テッサ・ヴァーチュ(, 1989年5月17日 - )は、カナダの女性元フィギュアスケート(アイスダンス)選手。パートナーはスコット・モイア。

主な競技成績は、2010年バンクーバーオリンピック金メダル、2014年ソチオリンピック銀メダル、2018年平昌オリンピック金メダル、2010年・2012年・2017年世界選手権優勝、2014年ソチオリンピック団体戦銀メダル、2018年平昌オリンピック団体戦金メダルなど。

経歴

オンタリオ州のロンドンに生まれ、6歳でスケートを始めた。1997年にスコット・モイアとカップルを結成しアイスダンスで活動を開始。2003-2004シーズンよりジュニアグランプリシリーズに参戦し、2005-2006シーズンにはジュニアグランプリシリーズで3大会連続優勝を飾り、同シーズンの世界ジュニア選手権でも優勝を果たした。

2006-2007シーズンよりシニアのグランプリシリーズに参戦。カナダ選手権で2位となり、初出場の2007世界選手権では6位となった。翌2007-2008シーズン、地元カナダで開催されたスケートカナダでグランプリシリーズ初優勝を飾る。2戦目のNHK杯では2位となり、初のグランプリファイナル出場を決めた。グランプリファイナルではODとFDともに4位、総合4位に終わったが、カナダ選手権と四大陸選手権では初優勝を飾った。世界選手権では2位となり、世界選手権で初めてのメダルを獲得した。

2008-2009シーズン、自身のケガによりスケートカナダとNHK杯を欠場。復帰を果たしたカナダ選手権で2連覇を果たし、四大陸選手権では銀メダルを獲得した。世界選手権で3位となり、世界選手権で2つ目のメダルを獲得した。

2009-2010シーズン、エリック・ボンパール杯とスケートカナダで優勝、グランプリファイナルでは2位に終わった。カナダ選手権で3連覇を果たし、初めてのオリンピックとなるバンクーバーオリンピックでは地元の大声援に応え、CD2位、OD1位、FD1位となり、北米のカップルとしては初めて、そしてアイスダンス史上最年少のオリンピックチャンピオンに輝いた。世界選手権ではODで史上初の70点台を記録するなどして初優勝。3年連続の世界選手権のメダルを獲得した。

2010-2011シーズン、コンパートメント症候群の2度目の手術のためにグランプリシリーズを欠場、また、完璧な状態での演技ができないという理由からカナダ選手権も欠場したVirtue, Moir withdraw from Canadian Champs。四大陸選手権で復帰し、初めて滑ったSDで69.40というハイスコアを叩き出し1位となった。FDでは1つ目のリフトの後に、違和感を覚えたため大事をとって途中棄権をした。世界選手権ではSDで全選手中トップのスコアを出して1位に立った。フルバージョンを初披露となったFDでは、総合2位となり、4年連続の世界選手権のメダルを獲得した。

2011-2012シーズン、初戦のフィンランディア杯で優勝。グランプリシリーズはスケートカナダとエリック・ボンパール杯でいずれも優勝し、グランプリファイナルに進出した。ファイナルでは、SD2位、FD2位、総合2位だったが、その後ISUジャッジングシステムの演算プログラムにミスが見つかり、FDのスコアに0.5点加算された結果、FDの順位が1位に訂正されたが、総合順位は2位のまま変わらなかったISU Judging System - Calculation Program。年明け後のカナダ選手権では通算4度目の優勝を飾った。四大陸選手権でも2010年世界選手権以来2年振りにメリル・デイヴィス/チャーリー・ホワイト組を上回って優勝した。世界選手権ではSD、FDともに安定した演技で2年ぶり2回目の優勝を果たした。

2012-2013シーズン、フィンランディア杯にエントリーしていたが、モイアの首の肉離れにより欠場Virtue, Moir withdraw from Finlandia Trophy。グランプリシリーズではいずれも優勝し、グランプリファイナルでは3度目の2位。カナダ選手権では5度目の優勝。四大陸選手権のSDでは首位に立つものの、FDの途中で足が攣り演技を中断。その後演技を再開し滑り切り2位だったDavis, White wrestle back Four Continents trophy

2013-2014シーズン、フィンランディア杯で2度目の優勝。グランプリシリーズでは2連勝。グランプリファイナルではSD、FD共に自己ベストを出すも3年連続で2位。ソチオリンピックの団体戦ではSD、FDの両方に出場し銀メダルを獲得。個人戦ではSD2位、FDでも2位で銀メダルを獲得。

2014-2015シーズンの試合は全て欠場Virtue and Moir announce plans for 2014-2015 season。続く2015-2016シーズンの試合も欠場した。2016年2月20日、現役復帰を発表した。2003年から師事したマリナ・ズエワの元から離れ、コーチをマリー=フランス・デュブレイユ/パトリス・ローゾン組に変更したVirtue, Moir returning to competition next season

2016-2017シーズン、3季ぶりに復帰し、スケートカナダオータムクラシックで優勝、グランプリシリーズでは2連勝。グランプリファイナルではSDで世界歴代最高点を更新しトップに立ち、FDでも首位をキープし、総合点でも歴代最高得点を更新、国際主要大会で唯一、手に入れてなかった同大会のタイトルを獲得した。カナダ選手権では、通算7度目の優勝を果たし、4季ぶりの出場となった四大陸選手権では、SD、FD共に首位に立ち、5年ぶりに3度目の優勝を飾った。世界選手権ではSDで歴代最高得点を更新し1位。FDでは、サーキュラーステップシークエンスで躓くミスをするも、総合1位で5年ぶり3度目の優勝を果たした。3度目の優勝は、オクサナ・グリシュク/エフゲニー・プラトフ組以来で、21世紀に入ってから初めてである。

2017-2018シーズン、グランプリシリーズの2大会とも優勝して迎えたグランプリファイナルはガブリエラ・パパダキス/ギヨーム・シゼロン組に敗れ2位。カナダ選手権で8度目の優勝を果たし、3大会連続の五輪代表に選出された。平昌オリンピックはSDで自らの歴代最高得点を更新して首位と好スタートを切ると翌日のFDではパパダキス/シゼロン組が持つ総合の歴代最高得点を更新し、2大会ぶりの金メダルを獲得。その前に行われた団体戦でもSD・FDともに首位と安定した動きでカナダの団体初金メダルに貢献した。なお、連覇がかかっていた世界選手権は欠場を発表した。

2019年9月18日、競技からの引退を発表したThree-time Olympic Champions Tessa Virtue and Scott Moir Retire from Competitive Skating

人物

主な戦績

2006-2007シーズンから

大会/年 2006-07 2007-08 2008-09 2009-10 2010-11 2011-12 2012-13 2013-14 2016-17 2017-18
冬季オリンピック 1 2 1
世界選手権 6 2 3 1 2 1 2 1
四大陸選手権 3 1 2 途中棄権 1 2 1
世界国別対抗戦 2 2
カナダ選手権 2 1 1 1 1 1 1 1
GPファイナル 4 2 2 2 2 1 2
GP NHK杯 2 1 1
GPスケートカナダ 2 1 1 1 1 1 1 1
GPエリック杯 4 1 1 1
GPロステレコム杯 1
CSオータムクラシック 1 1
フィンランディア杯 1 1

2005-2006シーズンまで

大会/年 2003-04 2004-05 2005-06
四大陸選手権 3
カナダ選手権 1 J 4 3
世界Jr.選手権 11 2 1
JGPファイナル 2 1
JGPモントリオール 1
JGPアンドラ 1
JGPハルビン 1
JGPクールシュベル 2
JGPクロアチア 4
JGPスロバキア 6
  • J = ジュニアクラス

詳細

プログラム使用曲

シーズン SD FD EX
2017-2018 サンバ:悪魔を憐れむ歌 曲:ローリング・ストーン ルンバ:ホテル・カリフォルニア曲:イーグルス 映画 『ムーランルージュ』より曲:クレイグ・アームストロング ロング・タイム・ランニング曲:トラジカリー・ヒップ
2016-2017 ヒップホップ:KISSブルース:ファイブ・ウーマンブルース/ロック:パープル・レイン曲:プリンス Pilgrims on a Long Journey曲:クール・ドゥ・ピラートShadows作曲:カール・ヒューゴLatch アコースティックバージョン曲:ディスクロージャー feat. サム・スミス Sorry曲:ジャスティン・ビーバー
2013-2014Secret's out: Virtue, Moir disclose program music フォックストロット:わたしを夢見てクイックステップ:マスクラット・ランブルフォックストロット:頬よせて曲:ルイ・アームストロングエラ・フィッツジェラルド バレエ『四季』より作曲:アレクサンドル・グラズノフピアノ協奏曲嬰ヘ短調 作品20作曲:アレクサンドル・スクリャービン ステイ曲:リアーナ ft.ミッキー・エッコ
2012-2013 ワルツ:And The Waltz Goes On作曲:アンソニー・ホプキンス カルメン組曲編曲:ロディオン・シチェドリン ハレルヤボーカル:ジェフ・バックリィ
2011-2012 サンバ:Hip Hip Chin Chin曲:クラブ・ド・ベルーガルンバ:Temptationボーカル:ダイアナ・クラールサンバ:Mujer Latinaボーカル:タリア 映画『パリの恋人』サウンドトラックより作曲:アドルフ・ドイチュ、ジョージ・ガーシュウィン 抱きしめたい作曲:ジョン・レノンポール・マッカートニーボーカル:T・V・カーピオAin't No Mountain High Enoughボーカル:マーヴィン・ゲイ、タミー・テレル
2010-2011 タンゴ:Schenkst du beim Tango mir dein Herzby Dajus Belaワルツ:Nights and Daysby Waldemar Kazanelki Hip Hip Chin Chin曲:クラブ・ド・ベルーガTemptationボーカル:ダイアナ・クラールMujer Latinaボーカル:タリア 抱きしめたい曲:ビートルズボーカル:T. V. Carpio
2009-2010 スパニッシュフラメンコ:ファルカス作曲:ペペ・ロメロ 交響曲第5番作曲:グスタフ・マーラー編曲:ライナー・シュテーツァー Everybody Dance Nowby C & C Music Factory
2008-2009 チャールストン:Won't You Charleston with Me? ミュージカル『The Boyfriend』より 虚空のスキャットマネー曲:ピンク・フロイド Jack and Diane曲:ジョン・メレンキャンプ
2007-2008 ロシア民謡:黒い瞳 映画『シェルブールの雨傘』サウンドトラックより作曲:ミシェル・ルグラン 一晩中でも踊れたのにミュージカル『マイ・フェア・レディ』よりボーカル:ジェイミー・カラムDare You To Move曲:スウィッチフット
2006-2007 Building the Bullet 映画『アサシネーションタンゴ』より作曲:ルイス・バカロフ 悲しきワルツ作曲:ジャン・シベリウス Black Magic Woman曲:サンタナテネシーワルツ ボーカル:ホリー・コール・トリオ
2005-2006 ルンバ:Beautiful Maria映画『マンボ・キングス/わが心のマリア』よりマンボ:Do You Only Wanna Dance演奏:フリオ・ダヴィエル・ビッグ・バンド マラゲーニャ演奏:ラウル・ディ・ブラシオ No Me Amesボーカル:ジェニファー・ロペスマーク・アンソニーEverybody Dance Nowby C & C Music Factory
2004-2005 スローフォックストロット:Call Me Irresponsibleボーカル:ボビー・ダーリンクイックステップ:踊るリッツの夜 アディオス・ノニーノ作曲:アストル・ピアソラ Everybody Dance Nowby C & C Music Factory
2003-2004 ブルース:Tears On My Pillowsボーカル:リトル・アンソニーロックンロール:トゥッティフルッティボーカル:リトル・リチャード ロシア音楽メドレー作曲:ヨハン・クリスティアン・バッハ ブルース:Tears On My Pillowsボーカル:リトル・アンソニーロックンロール:トゥッティフルッティボーカル:リトル・リチャード
2002-2003 Les PoissonsConcerto Sopra Motivi dell'Opera作曲:ヨハン・クリスティアン・バッハ Magaienha曲:セルジオ・メンデスEres Todo En Miボーカル:アナ・ガブリエルTres Deseosボーカル:グロリア・エステファン

CM

  • トヨタ自動車「アルファード」

外部リンク

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