ライアン・クーグラー : ウィキペディア(Wikipedia)

ライアン・カイル・クーグラー(Ryan Kyle Coogler, 1986年5月23日 - ) は、アメリカ合衆国の映画監督、脚本家。

経歴

1986年5月23日、カリフォルニア州オークランドに生まれる。幼少期はフットボールに打ち込んでおり、スポーツ特待生として、セント・メリーズ大学へ入学。その際、フットボール選手は執筆コースへ進むため、クーグラーも脚本を執筆。それが当時の教授の目に留まり、映画脚本を書くように奨められる。その後、フットボールコースは廃止され、クーグラーはカリフォルニア州立大学サクラメント校へ転校。その後、南カルフォルニア大学へ再入学し、在学中は4本の短編映画を撮り、2011年に卒業する。

2013年、学生時代に発生したオスカー・グランド三世射殺事件に衝撃を受け、そこから関係者に取材を重ね制作した初長編映画、『フルートベール駅で』がサンダンス映画祭で上映され、クーグラーはヴァンガード賞を受賞した。本作は映画祭で大反響を受け、熾烈な配給権争いが各配給会社の間で起きた。結果、配給権を征したワインスタイン・カンパニーにより、2013年7月に全米公開。これに先駆け、第66回カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品され、第一回長編作品賞を受賞した。この作品は全世界で1700万ドルの興行収入を得た。

2015年、ロッキーシリーズのスピンオフである『クリード チャンプを継ぐ男』を制作。本作は神経痛に苦しんでいた父親からインスピレーションを得た作品で、同時にその父親が大のロッキーファンであり、クーグラーの試合前に、いつもロッキー作品を見せられていたことから、この作品の原案が完成した。本作は、全世界で1億7千万ドルを売り上げ、批評家からも高く評価された。今作によりシルベスタ・スタローンはゴールデングローブ賞 助演男優賞を初受賞し、アカデミー賞にも39年ぶりにノミネートされた。

2018年、マーベル・コミック原作のブラックパンサーを監督。今作は全世界歴代興行収入ランキングにおいて、9位(当時)を獲得。批評家からも絶賛され、アカデミー賞に推す声も上がり、マーベル・スタジオも異例のアカデミー賞ノミネートキャンペーンを展開。結果、マーベル映画としては初のアカデミー作品賞を含む7部門ノミネートを受け、衣装デザイン賞、美術賞、作曲賞の3部門を受賞。この映画の成功により、クーグラーは世界で最も影響力のある人物100人の一人に選出された。

フィルモグラフィー

+映画題名備考
2013 フルートベール駅でFruitvale Station 監督・脚本
2015 クリード チャンプを継ぐ男Creed 監督・脚本・原案
2018 ブラックパンサーBlack Panther 監督・共同脚本
2019 クリード 炎の宿敵Creed II 製作総指揮・キャラクター創造
Making Waves: The Art of Cinematic Sound出演(本人役)
2021 ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償Judas and the Black Messiah製作
スペース・プレイヤーズSpace Jam: A New Legacy
2022 ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーBlack Panther Wakanda Forever 監督・原案・共同脚本
2023 クリード 過去の逆襲Creed III 製作・原案・キャラクター創造

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2023/08/02 02:43 UTC (変更履歴
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