【インタビュー】「JO1」與那城奨×大平祥生×金城碧海、“劇映画デビュー”を振り返る 「ずっと一緒だったから不安はなかった」

2023年11月11日 20:00


左から金城碧海、與那城奨、大平祥生
左から金城碧海、與那城奨、大平祥生

オーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN」から誕生したグローバルボーイズグループ「JO1」は、コロナ禍を乗り越え、12月に結成から丸4年を迎えるいま大きく飛躍しようとしている。8月から全国6都市を巡るセカンドアリーナツアーをスタートさせ、11月にはアジア4都市で開催するアジアツアー、さらに京セラドーム大阪での初のドーム公演も決定。破竹の勢いで大舞台へと駆け上がっていく彼らだが、さらなる高みを目指し、メンバー個々でもドラマや映画、バラエティ番組など新たな分野で道を切り拓いている。品川ヒロシ監督のもと、人気ヤンキー漫画を実写化した映画「OUT」(11月17日公開)で、俳優としてスクリーンデビューを飾った與那城奨大平祥生金城碧海に話を聞いた。(取材・文/編集部、写真/間庭裕基


【作品情報】

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品川ヒロシが監督・脚本を務め、自身の中学時代からの友人で「ドロップ」にも登場する井口達也の青年時代を描いた実録不良漫画「OUT」を実写映画化。倉悠貴井口達也役で主演し、醍醐虎汰朗水上恒司、「乃木坂46」の与田祐希が共演した。「JO1」の與那城は暴走族「斬人」の特攻隊長・長嶋圭吾役、大平は親衛隊長・目黒修也役、金城はルーキーの沢村良役を演じた。主題歌は「JO1」の書き下ろし新曲「HIDEOUT」に決定している。

かつて「狛江の狂犬」と恐れられた伝説の不良・井口達也(倉)が少年院から出所した。達也は、地元から離れた西千葉の叔父夫妻が営む焼肉店「三塁」で働きながら更生を目指すことに。しかし出所初日に、暴走族「斬人」の副総長・安倍要(水上)とケンカをしてしまう。少年院に戻りたくない達也と、達也に負けたことを周囲に知られたくない要は、ケンカを秘密にすることを誓い、交流を深めていく。この出会いをきっかけに、達也の波乱に満ちた更生生活が幕を開ける。


◆共演した俳優たちから受けた刺激と、もらった温かい言葉

――本作が劇映画初出演となりますが、主演の倉悠貴さん、醍醐虎汰朗さん、水上恒司さんら同年代の俳優陣と共演して、刺激を受けましたか?

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與那城:僕は醍醐くん(「斬人」総長・丹沢敦司役)との共演シーンが多かったんですけど、彼は役者歴も長くて「千と千尋の神隠し」の舞台でハク役をやっていたり、いろいろな役を経験しているので、演技に対するアプローチが上手でした。

僕が演じた圭吾はあまりしゃべらない役なんですけど、あっちゃん(醍醐)はそんな圭吾をすごく頼りにしているという関係性だったので、その掛け合いについて話し合いました。圭吾はしゃべらないクールなキャラだけど、ちょっとみんなの輪に入りたいのかなっていうところがあって、間の抜けた感じもおもしろい。そういったところであっちゃんと絡むシーンはすごく新鮮でした。原作にはあまりそういうシーンはなくて、映画オリジナルです。

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金城:僕は水上さん(「斬人」副総長・安倍要役)に、演技について不安な気持ちを話したことがあります。僕たちはアーティストなので、現場のテンポについていけなかったりして、すごく不安になるときがあって。それで「僕たちみたいなアーティストが演技をすることに対してどう思いますか?」って相談したら、すごく温かい言葉をかけてくれました。

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OUT」で会う前に、水上さんがモデルとして出演したファッションショーで「JO1」のパフォーマンスを見てくれていて、すごいなって思ってくれたみたいなんです。僕らが踊ったステージを自分(水上)がモデルとして歩いたのと同じで、アーティストの人が演技をしにきたからといって対等じゃないとは思わない。その人たちにしか出せない色があるから、全然心配しなくていいと思う。それがそのまま本当になるからって言ってくれて。「尊敬してます!」「好きです!」ってなりました(笑)。

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大平:僕は、小柳心さん(「斬人」特別遊撃隊隊長・田口勝役)との掛け合いがたくさんあったんですけど、すごくおもしろい人で、大好きです。優しくてお兄ちゃんみたいで、他愛のない話から演技のことまでいろんなことを話しました。小柳さんは声がデカくて(笑)、場を盛り上げるのが上手ですごく楽しかったです。

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金城:倉さんは僕と同じ大阪出身で、現場にも関西出身の方が意外と多かったので、関西弁につられそうになるときがありました。みんなで撮影を始めた頃だったかな。品川監督が近くに寄ってきて、「いいねぇ。碧海くんもやっと東京のヤンキーになってきたね」って声をかけてきてくださって(笑)。本読みのときはまだ大阪っぽかったみたいで、東京のヤンキーにはなりきれてなかった(笑)。


◆「祥生と碧海とずっと一緒だったので、不安はなかった」

――「JO1」が演技に初挑戦した「ショート・プログラム」(原作:あだち充)に続いて、今作もマンガの実写化作品ですが、演じてみていかがでしたか?

與那城:「ショート・プログラム」は等身大の青年役だったから、今回は真逆の役でしたね。世界観が全然違いますし、さらにアクションも入ってくるので大変でした。でも自分と全く違う役だからこそ、純粋に楽しめたというか、振り切ってできたっていうのはあります。

「フェンス」というドラマに出演したときも「JO1」の與那城奨とは全く違うキャラクターを演じたんですけど、「フェンス」は一人で戦っている感じの役で。「OUT」は友情の物語でしたし、現場に行くときも祥生と碧海とずっと一緒だったので、不安はなかったです。もう安心していましたね。

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金城:僕は「OUT」の前に、品川監督の「ドロップ」というドラマでヒットマンのマサト役を演じていたので、品川監督は「(僕の中に)まだマサトのイメージがあるんじゃないか」って不安があったみたいなんです。それで、撮影に入ったとき、親身になっていろいろと一緒に考えてくださいました。楽しく撮影できたんですけど、アクション作品が続いていてずっと回し蹴りをしていたので、ちょっと股関節が痛いです(笑)。

大平:僕は「えんとつ町のプペル」で声優を経験させてもらったんですけど、アニメ映画と実写映画では、まず雰囲気作りから全然違いました。声優としてキャラクターに命を吹き込むのも難しかったですけど、実写映画は自分の顔も出して全身で演技するので……。どっちも選べないくらい難しかったです。


◆監督と相談して細部までこだわったビジュアル

――原作ビジュアルの再現度の高さも見どころですが、注目してほしいところは?

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與那城:僕が演じた圭吾は前髪をカッチカチに固めるので、めちゃくちゃ大変でした。一人だけすごく時間がかかるんですよ。他の役者さんがどんどん現場に行く中、ずっと僕だけがメイクルームに座っていて、ようやくヘアメイクが完成したらもう誰もいないっていう。大変だったけど、髪型が仕上がるごとに圭吾になっていくみたいな感覚でした。

大平:(圭吾の髪型を見て)毎回、みんなで「すげえ!」って感動していました(笑)。僕が演じた目黒は、原作では「青目の目黒」という異名が付いているので、カラコンを付けています。普段はサングラスをかけているんですけど、そこはこだわりポイントで、品川さんとも「(青い目を)見せたいね」って話して。クライマックスの大事なシーンでサングラスを外しています。碧海が演じた沢村と2人で力をあわせて敵を倒すシーンがあって、その辺りだったかな。

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與那城:あのシーン、いいよね! もともとはなかったシーンなんだよね。僕は撮影が終わっていて現場にはいなかったんですけど、「OUT」のメンバーのグループLINEに確認用の動画が送られてきたんですよ。そしたら2人で戦っていて、「いいなぁ」って(笑)。

金城:品川監督から急に「ちょっとこういうシーンやってみて」って言われて、祥生とやったら採用されたんです。

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僕が演じた沢村は、原作とはビジュアルがちょっと違ってるんです。品川監督とビジュアルの相談をしたときに、最初はリーゼントにしてみようってなってオールバックにしたら、「怖い」「これはちょっとイカツすぎる」って言われて(笑)。「沢村はちょっと爽やかで、イケメンで、だけど強いっていうイメージを持たせたい」「ルーキーなのに、これ(オールバック)だと年上に見えちゃうから」って。

原作でも沢村の髪型は結構変わるので、映画も変えてみようってことになったんですけど、金髪やメッシュだと他の共演者と一緒になっちゃうので、紫のハイライトのエクステを付ける形で落ち着きました。


◆メンバー同士で助け合いながら挑んだ本格アクション

――バトルシーンも見どころですが、アクションの練習期間はどのくらいありましたか?

與那城:1カ月もあったかな……。週1、2回、合間合間で練習した感じでした。あとはもう自分たちで筋トレしたり、イメージトレーニングしたり。

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僕は後半、裸にジャケットだけ羽織るシーンがあるんですけど、本当はもう少し衣装を着ていたんですよ。でも、品川さんが、脱がしたがって(笑)。「筋肉いいねえ」「ちょっと中脱いでよ」って言われてジャケットだけ着ていったら、「おお~!それでいいじゃん!」みたいな(笑)。刺されて怪我をしたあとのシーンだったので、お腹に包帯は巻いていたんですけど、真冬の撮影だったので、あれがなかったらかなり寒かったと思います(笑)。

大平:寒すぎて、みんな体中にカイロを貼ってたよね(笑)。

――アクションの撮影で一番苦労したのは?

與那城:僕は高校生のときにボクシングをやっていたので、撮影に入る前はそれを活かしてやろうと思っていたんですけど、僕が演じた圭吾は木刀を使うので、全く経験を活かすことなく終わりました(笑)。

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僕がキツかったのは、木刀を持ったまま膝をついて移動する場面があって、それが大変でした。膝にプロテクターを入れるんですけど、どんどんズレていくから痛くて。だけど直す時間がないから、プロテクターがズレたままやるっていう。

あとは、敵と一対一で戦う場面で投げられるシーンもあって。練習のときは薄いマットが敷いてあったので「全然いけますよ」って余裕な感じでいたら、「本番は(マット)ないよ?」って言われて、「(マット)ないんだ……」って(笑)。

金城:僕は空手の経験があるんですけど、旋風脚っていう一回転して蹴る技を品川監督がすごく気に入ってくれたんです。足の軌道がきれいって言ってくれて、そういうアクションを多めにしてくれていました。

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僕が撮影のときに「ここはパンチや後ろ回し蹴りじゃなくて、こういう動きでいきたいです」って実演したら、「いいね。そっちでいいよ」って言ってくれたりして、品川監督とは結構、コミュニケーションを取っていました。「ドロップ」で演じたマサトはムエタイ(タイボクシング)で戦うんですけど、「OUT」の沢村は空手ベースだったので、同じアクションでも全然違いました。

與那城:そういえば、「ドロップ」のメイキングでアクション部の練習風景の映像があったんですけど、ほかの役者さんが「おらぁ!!」って声を荒げてる中、碧海だけがずっと無言でミット打ちしてておもしろかったな(笑)。すごかった。

大平:僕はアクション未経験だったので、めちゃくちゃ大変でした。アクションの先生と2人(與那城と金城)に教えてもらいながらって感じでした。

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撮影に入ってすぐにバトルシーンの練習をやろうってなって、技を組み合わせてみんなで戦っていくんですけど、プロの中に初心者が1人交ざっているみたいで、今思い返してもおもしろい(笑)。サポート役もやるんですけど、「碧海の背中を押して」っていうときも力加減がわからないから「(軽く)ポイッ」みたいな感じになっちゃって(笑)。

回数を重ねていくたびにそういうのを克服していきました。あとは自宅でも復習したり、アクションのプロの方の動画を見たりして研究しました。アクションの動きを覚えるのは、ダンスのフリを覚えるのと、結構、近い感じがしました。


◆「JO1」メンバーにかけられてうれしかった言葉

――映画出演が決まって、「JO1」のメンバーから何か言葉をかけられましたか?

與那城:僕はみんなに原作漫画を見せて、「圭吾役だよ」って言ったら大爆笑されました。祥生も豆(豆原)に「イメージが沸かない」って言われてたよね(笑)。

大平:でも、目黒役の衣装を着た写真を見せたら、翔也(木全)に「原作通りじゃん!」って言われて、うれしかったです。

金城:僕はイメージ通りなのか、あんまり言われなかったな。でも翔也に「いいなぁ」って言われた(笑)。奨くんと祥生は一緒にオーディションを受けてたんですけど、僕は自らオーディションを受けて映画に出演させてもらったんです。

大平:碧海は急に参加が決まったもんね。ギリギリだった。

金城:品川さんも好きなんですけど、品川組のみなさんも大好きなので、もっと一緒に作品をやりたいです。

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――これからグループもしくは個人でどんなことに挑戦したいですか?

大平:他のアーティストの方とコラボ曲を出してみたい。

金城:僕は自分が作った曲や、プロデュースした曲を誰かに歌ってもらいたい。自分が歌うっていうよりは、自分が「この人の声いいな」と思ったアーティストをディレクションしてみたい。あとは、アジアツアーも始まりますし、海外のJAM(「JO1」のファン名)にもたくさん会いにいきたいですね。

「JO1」やLAPONEエンタテインメント(所属事務所)の他のグループも一緒に映画を作るんだったら、スポーツ系をやってみたいな。野球とかサッカーとか、演技も交えてやってみたい。

與那城:みんな運動神経いいしね!

大平:僕はちゃんとしたセットを作ってコントをやってみたい!

與那城:おもしろそう! いろんなことに挑戦できたらいいね!

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