「クー嶺街少年殺人事件」8月11日から1週間限定公開 「エドワード・ヤンの恋愛時代」4Kレストア版公開記念イベントも

2023年7月19日 11:00


「クー嶺街少年殺人事件」
「クー嶺街少年殺人事件」

エドワード・ヤン監督が、1994年に発表した「エドワード・ヤンの恋愛時代」4Kレストア版の公開(8月18日)を記念し、ヤン監督の代表作「クー嶺街少年殺人事件」(91)が、8月11日から17日まで、1週間限定でTOHOシネマズシャンテで上映される。

クー嶺街少年殺人事件」は、BBCが1995年に選出した「21世紀に残したい映画100本」に台湾映画として唯一選ばれ、映画史に輝く傑作として知られる青春映画。初日となる8月11日には、プレミア先行上映となる「エドワード・ヤンの恋愛時代」と「クー嶺街少年殺人事件」を同時一挙上映し、濱口竜介監督と岨手由貴子監督によるトークショーを含むスペシャルプログラムが開催される。

「エドワード・ヤンの恋愛時代」
「エドワード・ヤンの恋愛時代」

また、このほど「エドワード・ヤンの恋愛時代」についての濱口監督、岨手監督、三宅唱監督、玉城ティナ(俳優)、尾崎世界観(ミュージシャン)、吉田恵里香(脚本家・小説家)、温又柔(小説家)、ガオ・イェン(イラストレーター・漫画家)からのコメント、イラストも披露された。

▼上映、イベント詳細
■【「エドワード・ヤンの恋愛時代」公開記念】 「クー嶺街少年殺人事件」上映
日時:2023年8月11日(金・祝)~8月17日(木)
上映劇場:TOHOシネマズ シャンテ
入場料金:2000円均一 (※特別興行につきサービスデー割引等はなし)

■8月11日(金・祝)「クー嶺街少年殺人事件」+「エドワード・ヤンの恋愛時代」一挙上映+トークイベント
トークイベントゲスト:濱口竜介監督、岨手由貴子監督
入場料金:4000円均一 (※ムビチケ使用不可)

▼コメント一覧
芸術は、めんどくさい。恋愛はもっともっとめんどくさい。それでも、いつの時代も人々は情けないほどに愛を求め、自分の空虚な穴を誰かが埋めてくれないかと喚き散らかしている。それぞれのやり方で。色褪せる事のない名作。
――玉城ティナ(俳優)

どこまでも満たされないし、こんなにも理解されないのに、人を愛さずにはいられない。
正直で、不器用で、自分勝手。そんな登場人物たちを愛さずにはいられない。
――尾崎世界観 (ミュージシャン)

常に満たされたい。些細なことで落ち込むし浮かれる。脆いけれど図太い。そんな私たちが凝縮された作品だ。
だが、どうか普遍という言葉で片付けないでほしい。私たちと彼らを取り巻く事柄が、何が今と変わり、何が変わっていないのか。
目をそらさず見つめてほしい。2023年にこの作品に触れられることに心から感謝したくなった。
――吉田恵里香(脚本家・小説家)

必然的に人間性を失わせるこの社会で、人はいったいどう生きていくのか。エドワード・ヤンの映画の価値は時間を経ても失われない。それどころか「エドワード・ヤンの恋愛時代」に含まれる洞察は、私たちにとってより切実で、必要なものとなっている。
「恋愛時代」は深い絶望の後にしか訪れない希望を描き出す。希望があるとすれば、互いに動く人と人の出会いと関わりのうちにしか
ないのだ。エドワード・ヤンは「どうしたら私たちはこの社会で、他者とともに生きていけるのか」という問いを決して投げ出さなかった。
彼の映画にいつまでも敬意と愛を抱かずにおれないのは、そのためだ。
――濱口竜介(映画監督)

都会で若き日を過ごす孤独と高揚は、この映画の大半を占める「誰かといるのに寂しい」というシーンに似ているかもしれない。
俗世間で煩悩にまみれるどこにでもいそうな若者たちは、それぞれに混乱しながら、唯一無二の美しい瞬間を獲得していく。
そうやって紡がれる清々しい真理は、素晴らしいラストシーンへと繋がり、観るたびにまたこの世界を信じさせてくれる。
――岨手由貴子(映画監督)

人の人生がはっきりと変わる瞬間が何度も映っている映画で、何度も息をのむ。
夜が暗いからこそ生まれたとしか思えない会話、隣に座ったからこそ続いた会話、向き合ってしまったせいで終わった会話。
夜明けの暗がりである人がふと話すのをやめ、無言で体の向きをぐいと変える瞬間、すべてが一変する。
二度と元には戻らない。なにもかもが致命的で革命的で、目が離せない。不幸な時間も幸福な時間もとりかえしがつかない。
そう感じだすと生きるのが怖くなる。けれど、それが悦びに変わる瞬間も映っていたと受け止めたい。
――三宅唱(映画監督)

幸福でないからといって、不幸とは限らない。本物でなければ偽物だとも限らない。私たちはしょっちゅう二項対立の罠に陥る。
でも、大丈夫。エドワード・ヤンのこの映画が、掻き乱してくれる。突破口はあると示し、その先に溢れる光に気づかせてくれる。
――温又柔(小説家)

彼らは人生の中で様々な答えを探そうとした。しかし、多くのことは意味を持たず、答えもないかもしれない。
全ての終わりは “They just had a bad day” だ。
そして、全ての始まりもまた “They just had a bad day” なのだ。
――ガオ・イェン(イラストレーター・漫画家)

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