カンヌ男優賞&エキュメニカル審査員賞「PERFECT DAYS」 「役所広司は、監督をする者にとって最高の俳優である」ベンダース&キャストから喜びのコメント

2023年5月29日 20:00


ビム・ベンダース監督
ビム・ベンダース監督

第76回カンヌ国際映画祭で、主演の役所広司が最優秀男優賞、キリスト教の団体が選出するエキュメニカル賞を受賞したドイツのビム・ベンダース監督の「PERFECT DAYS」(原題)。このほど、役所本人とベンダース監督、カンヌで一緒にプレミア上映に立ち会ったキャストから受賞を喜ぶコメントが寄せられた。

映画はベンダース監督が2020年から東京・渋谷区内17カ所の公共トイレを、世界的に活躍する16名の建築家やクリエイターが改修する「THE TOKYO TOILET プロジェクト」に賛同し、日本の公共トイレのなかに“small sanctuaries of peace and dignity(平穏と高貴さをあわせもった、ささやかで神聖な場所)”を見出し、役所が演じる主人公のトイレ清掃員の男、平山の日々の小さな揺らぎを丁寧に追った物語。日本配給、公開は現時点で未定。

画像2

▼コメント全文
役所広司
日々を丁寧に静かに重ねるように生きる。

この平山という男を演じるのは、大きな挑戦でした。

ヴィム・ヴェンダースという偉大な監督には、フィクションの存在であるこの男にとても大きなリスペクトがありました。それが私を導き、平山という男をこの世界に生み出した気がします。

このような賞をいただいてとても光栄です。

日本の、世界の、映画が少しでも、もっと素晴らしいものになるようにこれからも努力を重ねていきたいと思います。日本でもみなさんに、「平山」という男をご紹介できる日が楽しみです。

ビム・ベンダース監督
これ以上の言葉を私は見つけることができない。

役所広司は、監督をする者にとって最高の俳優である”

彼こそが俳優である。それも最高の俳優だ。

彼こそが平山であり、『PERFECT DAYS』というこの映画の心臓であり、魂なのだ。

この映画を通じて私たちはゆっくりと平山の視線や生き方を受け入れていく。

彼の目を通してこの世界をみつめる。

そうすることで彼が選びとった人のために生きるというその姿に癒しを感じるようになる。

他の俳優でも平山を「演じる」ことはできるだろう。

けれど役所広司は平山そのものになった。

穏やかさ、謙虚さ、大きな心。

同じようなひとに対してだけでなくすべてのひとに対しても。

自然に対してもそれをもつ。

とくに木々には静かで美しい感情を抱いている。

カンヌの劇場から泣いて帰る人がいるとしたら、それはこの偉大な俳優が彼らを旅に連れ出したのだ。彼らの魂に、より良く生きることとは何か。

満たされた生き方はどういうものか。

そういう考えに火をともしたのだ。

こんなことを成し遂げる俳優は世界にそうはいない。

私は彼と一緒に映画をつくれたことをとても幸せに思う。

この賞は、私と、そしてカンヌに集まったチームの全員が待ち望み、

そして夢にみたものである。

中野有紗
受賞、本当におめでとうございます。

役所さんの演技、作品に取り組む姿勢は私の心に強く響きました。役所さんの存在の素晴らしさが更に世界に伝わったような気がして、自分の事のように嬉しく感じています。その様な受賞作品に、私も出演させて頂けた事を心より光栄に思って居ります。本当におめでとうございました。

アオイヤマダ
受賞おめでとうございます。

人それぞれの日常や居場所が主人公であり、それこそが平和ということ。与えられた時間を精一杯生きること。そして、決して一人では生きられないこと。私はこの作品に携わらせて頂き、改めて意識することができました。ヴィムさんがみつめる日本には、私たちが気がつくことができない、新芽のような美しさがあります。素晴らしい機会を下さったこと、本当に感謝しております。

田中泯
嬉しい!役所さんの受賞が自分のことのように嬉しい。そうして『PERFECT DAYS』を受け入れたフランス、カンヌにヤッホーだ。この作品に関わった全ての人の心の内に秘められていたことがこの結果だった、と僕は信じます。ヴェンダース監督がそんな人々の先頭で喜びに浸っているに違いない。役所さんが体現した平山さんは、自分のテンポとメロディーで生きたい人々の本当の例題となるでしょう。言葉少ない役所さんは、ずっと踊っていた!

Amazonで今すぐ購入

DVD・ブルーレイ

Powered by価格.com

関連ニュース