国立映画アーカイブの所蔵資料をオンライン公開 第1弾は歴史的な撮影機や映写機181点
2023年5月10日 16:00
国立映画アーカイブが、新たなWEBサイト「映画遺産-国立映画アーカイブ映画資料ポータル-」(https://nfajfilmheritage.jp/)を国立アートリサーチセンター協力のもと、国立情報学研究所と共同で開設・公開した。同サイトでは、国立映画アーカイブ所蔵する、さまざまな映画関連資料を掲載。サイト開設に際して、映写機や撮影機といった歴史的かつ貴重な映画機材181点の画像と情報が披露された。
これまで国立映画アーカイブが制作したWEBサイトやページには、映像配信サイトのほかに「NFAJ デジタル展示室」「日本アニメーション映画クラシックス」内の「大藤信郎記念館」といった映画関連資料を紹介するものもあったが、今回開設された「映画遺産 -国立映画アーカイブ映画資料ポータル-」は国立映画アーカイブが所蔵する映画関連資料を包括的に公開するための場所となる。
第1弾は映画機材181点をさまざまな角度から撮影した高精細な画像と、映画技術史専門家の綿密な調査に基づく詳細なテクニカルデータを掲載。機材の製造時期は1900年代から1980年代まで幅広く、映画機材をこれほどの規模で詳細にインターネット公開するのは国内初の試みだ。
第1弾公開資料には、スティーブン・スピルバーグ監督作「フェイブルマンズ」にも登場した「アリフレックス 16 ST」、フランスのデブリー社が1918年に発売した手回し式の撮影機「アンテルヴュー カメラ」、日本ではその形状から「弁当箱」という愛称で親しまれた「シネコダック・スペシャル」、フランスのパテ社が製造した家庭用の小型映写機「スーパー・パテ・ベビー映写機」、1935年に発売された初期の国産16ミリフィルム映写機「エルモ 躍進号」、フランスのパテ社が1933年に特許を取得した後、日本に子会社を設立して製造した映写機「国際トーキー 17.5mm 映写機A型」などがある。
今後は映画館プログラムなど、他の所蔵資料もデジタル化のうえ公開される。