「となりのトトロ」英で世界初の舞台化! 久石譲がエグゼクティブプロデューサー

2022年4月27日 16:00


10月にロンドンで開幕!
10月にロンドンで開幕!

スタジオジブリ」のアニメーション映画「となりのトトロ」が、イギリスの名門演劇カンパニー「ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー」(以下RSC)によって世界で初めて舞台化され、10月からロンドン・バービカン劇場で上演されることがわかった。アニメ映画で音楽を担当した作曲家・久石譲がエグゼクティブプロデューサーを務める。

久石が提案した舞台化を、宮崎駿監督が快諾したことで始まった本プロジェクト。演出は2017年に「アクナーテン」で英演劇界の最高名誉であるローレンス・オリビエ賞を受賞し、数々のオペラ作品で知られるフェリム・マクダーモット、脚本は書き下ろし作品「オッペンハイマー」で、「RSC」が世に送り出した注目の若手脚本家トム・モートン=スミスが手がける。以前から「となりのトトロ」の舞台化を熱望し、シェイクスピア作品以外にも「レ・ミゼラブル」「マチルダ・ザ・ミュージカル」などを世に送り出してきた「RSC」と日本テレビが共同製作を務め、マクダーモットが主宰するカンパニー「インプロバブル」が制作協力として携わる。

久石は舞台化にあたり、「僕は原作の映画に携わっていたので、映画を壊したくないという思いが強くあります。最初から日本語で舞台化したら、どうしても映画と被ってくる。ならば外国でやったらどうかと考えました。この作品に本当の意味で普遍性があるなら――僕はあると思っていますが――まったく違うカルチャーで育った人たちが違う言語でやっても、きっと世界中の人に伝わるはずです」と熱い思いを語る。さらに、「外国で舞台化すると、スペクタクルになってしまう心配があります。トトロが飛び回ったりすることがないよう、僕は言い続けています。お互いに率直に意見を言い合える、いい関係で作っています」と明かした。

舞台の題字を手がけた「スタジオジブリ」の鈴木敏夫プロデューサーは、「果たしてどうやってトトロと出会えるのか。とても楽しみにしています」と期待を寄せる。演出のマクダーモットは「美しい音楽とともに、舞台にします。パペット、役者とともに、命を吹き込みます」と、コメントを寄せた。

そのほかメインスタッフとして、トム・パイ(美術)、中野希美江(衣装)、ジェシカ・ハン・ハンユン(照明)、山中結莉(ムーブメント)、バジル・ツイスト(パペット)らが名を連ねている。誰もが知る久石の音楽を、ウィル・スチュアートが新たにオーケストレーションし、トニー・ゲイルがライブ演奏の音響デザインを担当した。

舞台「MY NEIGHBOUR TOTORO」は、10月8日~23年1月21日に、ロンドン・バービカン劇場で上演される(10月8日~14日はプレビュー期間)。久石、鈴木プロデューサー、マクダーモットのコメント(全文)は、以下の通り。


久石譲
 宮崎駿監督の映画「となりのトトロ」が、イギリスのロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)によって舞台化されます。演出はフェリム・マクダーモット。ミニマルミュージックの作曲家フィリップグラスのオペラも演出している優れた演出家で、「となりのトトロ」も大好きです。今回のチームは、フェリムを中心に、熱気を持って、クリエイティブな努力を重ね続けています。

日本にはミュージカルや舞台を好きな人が大勢います。ところが、日本発の世界中で上演されているオリジナル舞台作品、あるいはミュージカル作品がありません。「となりのトトロ」は世界中の人が知っている日本の作品です。もし舞台になったら、世界に出ていく最初の作品になるんじゃないか、そういう思いがあって「僕が見たい」と、宮崎さんに話したのがきっかけです。宮崎さんからは「久石さんがやるなら」と言われました。

僕は原作の映画に携わっていたので、映画を壊したくないという思いが強くあります。最初から日本語で舞台化したら、どうしても映画と被ってくる。ならば外国でやったらどうかと考えました。この作品に本当の意味で普遍性があるなら――僕はあると思っていますが――まったく違うカルチャーで育った人たちが違う言語でやっても、きっと世界中の人に伝わるはずです。

宮崎さんは佇まいの美しい方です。いつもシャツの一番上までボタンを締めているような宮崎さんの雰囲気は、イギリスと合う。それもあって、RSCに決まった時には本当に嬉しかったです。

外国で舞台化すると、スペクタクルになってしまう心配があります。トトロが飛び回ったりすることがないよう、僕は言い続けています。お互いに率直に意見を言い合える、いい関係で作っています。

とても素晴らしい舞台になると思っています。今年の秋です。楽しみにしていてください。

鈴木敏夫プロデューサー】
 宮崎駿が描いた、バス停で少女とトトロが佇む1枚の絵を見た時、僕はこれを「映画にしたい」と思いました。

なぜなら、宮さんがこの映画を作ってくれたら、子どもの心に戻れると思ったからです。時代は1955年。舞台は日本の田園。これは僕の少年時代の話です。できあがった映画は、見た人がみんな子どもの心に戻れる作品になりました。

そんな「となりのトトロ」を、今度は「舞台にしたい」と言ってくれたのが、映画で音楽を作ってくれた久石譲さんです。

宮さんは「久石さんがやるなら」と快諾してくれました。

久石さんが選んだのは、イギリスの名門、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー。

果たしてどうやってトトロと出会えるのか。とても楽しみにしています。

フェリム・マクダーモット
 私たちが手がけるのは、世界中で多くの人が愛する映画「となりのトトロ」です。それを美しい音楽とともに、舞台にします。パペット、役者と、命を吹き込みます。映画で音楽を手がけた久石譲が、私たちをリードしてくれています。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)をはじめ、パペットクリエーターのバジル・ツィスト、美術デザインのトム・パイ、トム・モートン=スミスの脚本、これらが素晴らしいコラボレーションとなって結実します。本当に楽しみにしています。

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