米Amazon、最大1兆90億円でMGM買収を協議
2021年5月21日 16:00
米Amazonが、映画「007」シリーズなどを所有するハリウッドの老舗スタジオMGMの買収に向け協議を進めている。第一報を報じた米インフォメーションによれば、買収額は70~100億ドル(約763億~1兆90億円)の見込み。しかし、協議の先行きは不透明で、交渉が成立しない可能性もある。
MGMは看板シリーズの最新作「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」が新型コロナウイルスの感染拡大により公開延期を余儀なくされたことで、財政状況が悪化。2020年末から売却先を探していると報じられていた。
米バラエティによれば、今回の交渉はAmazonスタジオとAmazon Prime Videoの上級副社長を務めるマイク・ホプキンスが指揮を執り、MGMの取締役会長で、主要株主でもあるアンカレッジ・キャピタルのケビン・ウルリッヒとの間で進められており、これまで噂の域を出なかった交渉説よりも信ぴょう性があるという。MGM側はこれまでの候補者に対し、売却希望金額を90億ドル(約980億円)と提示していたようだ。なお、両社の広報はともにノーコメントとしている。
MGMは、約400タイトルに及ぶ映画作品に加え、テレビ番組約1万7000エピソードという豊富なアーカイブを誇る。映画では、代表作の「007」シリーズをはじめ、「荒野の七人」や「ロッキー」、「羊たちの沈黙」「ロボコップ」などの名作映画をラインナップ、近年のテレビドラマでは「ファーゴ」「ハンドメイズ・テイル 侍女の物語」などの良作がそろっている。
ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じる最後の作品となる「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」の日本公開は、21年を予定しているものの、具体的な公開日は未定だ。