母親たちの運命は、どこで狂ってしまったのか…菅野美穂×高畑充希×尾野真千子「明日の食卓」予告編

2021年4月9日 06:00


「息子を殺したのは、私ですか――?」
「息子を殺したのは、私ですか――?」

女優の菅野美穂が10年ぶりに映画主演を務め、高畑充希尾野真千子が共演する「明日の食卓」の予告編と本ビジュアルがお披露目された。映像には、幸せな家庭を築いていたはずの母親たちの日常が崩れ、運命の歯車が狂っていくさまが、まざまざと映し出されている。

瀬々敬久監督(「楽園」「」)が、椰月美智子氏の同名小説(角川文庫刊)を映画化。“ワンオペ育児”(ひとりで仕事、家事、育児のすべてをこなさなければならない状態のこと)やシングルマザーの困窮など、母親たちを取り巻く過酷な環境や、彼女たちが直面する社会問題を描く。

ジーン・ワルツ」(2011)以来の映画主演を果たす菅野は、やんちゃ盛りの息子ふたりを育て、仕事復帰を目指すフリーライターの留美子に扮した。高畑は若くして出産し、パートの仕事を掛け持つシングルマザー・加奈役。尾野は、年下の夫と優等生の息子に囲まれ、何不自由ない暮らしを送っているように見えるあすみ役を担った。

予告編の冒頭では、“石橋ユウ”という同じ名前の10歳の息子を育てる、住む場所も環境も全く異なる母親3人の平穏な日常を活写。しかし、「ある日、ひとりのユウ君が母親に殺された」という言葉で、映像の雰囲気は一変する。子育てや家事に非協力的な夫を、「協力し合おうって思えないの?」と問いつめる留美子。「僕はいい子じゃない! お母さんもいいお母さんじゃない!」と狂気じみた表情で話す、あすみの息子・優(柴崎楓雅)。加奈に「僕のことはもう嫌いなんや!」と叫ぶ息子の勇(阿久津慶人)。それぞれが抱える現実、むき出しの感情が、見る者の心に焼きつく映像となった。

本ビジュアルは、母親3人にのぞきこまれるような構図となっている。光に包まれ穏やかな雰囲気に見えるが、中央には「息子を殺したのは、私ですか――?」という衝撃の言葉が配置されている。あわせて主題歌は、瀬々監督の「菊とギロチン」で大杉栄役を務めた、ミュージシャンの小木戸利光が実弟・小木戸寛と組むバンド「tokyo blue weeps」の「Motherland」に決定。2012年リリースのEP収録曲「dear grandma」を瀬々監督が気に入り、本作のためにアレンジを加えた。

明日の食卓」は、5月28日に東京・角川シネマ有楽町ほか全国で公開。

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