「ラストタンゴ・イン・パリ」「ラストエンペラー」ベルナルド・ベルトルッチ監督死去
2018年11月26日 19:33
[映画.com ニュース]「ラストタンゴ・イン・パリ」(1972)や「ラストエンペラー」(87)などで知られるベルナルド・ベルトルッチ監督が、がんのため11月26日午前7時(現地時間)にイタリア・ローマで死去した。享年77歳。ベルトルッチ監督の広報担当者が発表した。
ベルトルッチ監督は、著名な詩人で作家のアッティリオ・ベルトルッチの子として1941年3月16日にイタリア・パルマに生まれた。詩で才覚を発揮し、その後映画の道へ進む。62年にローマ大学を中退すると、長編「殺し」(62)で監督デビューし、64年には若者が自らのイデオロギーのあり方に苦悩する姿を描いた自伝的青春映画「革命前夜」を発表。アカデミー賞脚色賞にノミネートされた「暗殺の森」(70)は、映画監督のスティーブン・スピルバーグ、マーティン・スコセッシ、フランシス・フォード・コッポラらに大きな影響を与えたといわれている。
その後、「ラストタンゴ・イン・パリ」がアカデミー賞監督賞にノミネート。3歳で清王朝の皇帝に即位した溥儀の生涯を描き、坂本龍一が音楽を担当した「ラストエンペラー」では、同賞作品賞、監督賞、撮影賞、脚色賞、編集賞、録音賞、衣装賞、美術賞、作曲賞とノミネートされた9部門すべてを受賞する快挙を成し遂げた。
「ラストタンゴ・イン・パリ」は、高い評価を受けた一方で、過激な性描写が物議を醸した。特にアナルセックスシーンの撮影は、当時19歳でヒロインを演じ、2011年に亡くなったマリア・シュナイダーさんの了承を得ずに行ったとベルトルッチ監督自身が告白。シュナイダーは、生前のインタビューで「辱めを受けて、少しレイプされたような気持ちになった」と語っていた。