坂本龍一、自身のドキュメンタリーの監督称えるも正視はできず「客観的に見られない」

2017年11月4日 16:35


舞台挨拶に立った坂本龍一
舞台挨拶に立った坂本龍一

[映画.com ニュース] 音楽家の坂本龍一のドキュメンタリー映画「Ryuichi Sakamoto:CODA」が11月4日、全国で公開された。坂本はスティーブン・ノムラ・シブル監督とともに東京・角川シネマ有楽町で初日舞台挨拶。この日が世界初の一般公開となり「全国、世界に広がるとうれしい」と期待を寄せた。

坂本が映画の初日舞台挨拶を行うのは、映画初出演で音楽も手掛けた1983年「戦場のメリークリスマス」以来、実に34年ぶり。当時の映像も入っており、「どういう音楽を作っていいか、右も左も皆目分からないのに、大島監督は何も言わない。最後まで何も言わず、作ったものを渡したらそのまま全部使っていただいた」と懐かしそうに語った。

同作は、2012年にシブル監督が、坂本が中心となった脱原発のイベント「NO NUKES」に参加したのをきっかけに、密着取材をオファー。坂本サイドから「坂本を通して、激動の日本の社会を撮ってほしい」という要望を受けて企画がスタートし、当初はテレビ番組として制作する予定だった。

だが、シブル監督は「坂本さんが、どういう音楽を作っていくのかという興味に変わり、3年計画になった」と説明。その後、14年に新アルバムを発表する予定だった坂本が咽頭がんの治療に入ったこともあり、結果、5年を費やしただけに「頑張ったかいがあった。とても光栄で、言葉にならない。大変でつらい時にもカメラを回させてくれた坂本さんに感謝です」と喜びをかみしめた。

坂本は、「おめでとう。僕はただ撮られていただけで、ひとえに監督以下スタッフの努力のたまもの」と、シブル監督の労を称えた。自身の映画の感想については、「見たけれど、とてもじゃないが正視はできない。自分の姿は恥ずかしくて客観的には見られない。僕は自分をさらすような露出狂ではない」と照れをジョークで包んでいた。

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