小西未来監督、日本酒ドキュメンタリーへの思い明かす「酒が飲みたくなるような映画に」

2015年10月25日 19:05


ティーチインに臨んだ小西未来監督(右)ら
ティーチインに臨んだ小西未来監督(右)ら

[映画.com ニュース] 日本酒に魅せられた3人の男たちを描いたドキュメンタリー「KAMPAI! FOR THE LOVE OF SAKE」が10月25日、開催中の第28回東京国際映画祭「パノラマ部門」で上映され、小西未来監督と、主要登場人物の1人である岩手県「南部美人」の5代目蔵元・久慈浩介氏がTOHOシネマズ六本木ヒルズでのティーチインに出席した。

ハリウッド外国人記者クラブ(HFPA)に所属する映画ジャーナリストでもある小西監督が、本作で長編映画デビュー。日本酒の素晴らしさを世界に発信することで震災復興につなげようと奮走する久慈氏をはじめ、京都・木下酒造で日本酒作りを極めつづける外国人杜氏のフィリップ・ハーパー氏、神奈川・鎌倉在住の米ジャーナリストで日本酒伝道師として注目されるジョン・ゴントナー氏に密着し、日本酒の魅力をとらえた。

小西監督は、映画祭での上映にあたり「映画の完成までは見えていたんですが、その先がどうなるか全く想像していなくて、こうしてこれだけの皆さんの前でお見せすることができて、まだ現実感がないです」と感無量の面持ち。久慈氏も「こういう映画に出るということが、人生の中であるとは思っておりませんでした」と驚きながら、「日本酒輸出協会が97年に結成されて、その歩んできた歴史を私が代理でお話ししています。間違いなく、世界は日本酒をものすごく愛してくれています。そのラブコールに、私たち蔵元がどう応えていくかということだと思っています」と決意を新たにした。

さらに小西監督は、「久慈さんをはじめ、いろんな方が協力してくれて、ぜい沢な反面、迷った時もありました。そんな中で常に自分に言い聞かせたのは、『映画を見終わった後に日本酒が飲みたくなるような映画にしよう』ということでした」と明かす。最後に久慈氏は「日本酒は長らくアゲインストの風が吹いて、つらい時代が続いていました。ですがこの作品も含めて、世界中で3つも日本酒の映画ができているんです」と喜びを語り、「どんなに世界中で日本酒を飲んでくれていても、大事なことは、その聖地は日本なんです。今日来てくれている皆さんは、聖地の“のんべえ代表”です。最高においしいこの時代の日本酒を楽しんで、周りの方たちに伝えてください。それが私たちの願いです」と力強く呼びかけていた。

「KAMPAI! FOR THE LOVE OF SAKE」は、2016年春に公開予定。第28回東京国際映画祭は、10月31日まで開催。

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