震災から2年、「遺体」ほか震災を越え人々の心のつながりを描く作品が続々公開

2013年3月3日 11:00


「遺体 明日への十日間」の一場面
「遺体 明日への十日間」の一場面

[映画.com ニュース] 東日本大震災からまもなく2年、映画を通して震災と向き合う作品が続々と公開されている。岩手県釜石市の遺体安置所を舞台にした「遺体 明日への十日間」(君塚良一監督)など現在公開中の作品を紹介する。

2月23日に公開された、西田敏行主演の「遺体 明日への十日間」は、石井光太氏のルポタージュ「遺体 震災と津波の果てに」が原作。震災直後の混乱のなか、次々と運ばれてくる多くの遺体に戸惑いながらも、被災者である釜石市民の医師や歯科医たちが、犠牲者を一刻も早く家族と再会させてあげたいという思いから、遺体の搬送や検視、DNA採取や身元確認などのつらい作業にあたる姿が描かれる。同作の収益は全額、被災地に寄付される。

このほか、岩手県陸前高田市で農林業を営む77歳の佐藤直志さんが、東日本大震災からの復興に孤軍奮闘する姿を追ったドキュメンタリー「先祖になる」(池谷薫監督)は、今年のベルリン国際映画祭フォーラム部門エキュメニカル賞を受賞。小津安二郎の「東京物語」(1953)にオマージュをささげた山田洋次監督の「東京家族」では、妻夫木聡蒼井優演じる恋人同士のふたりが震災ボランティアで出会ったという設定だ。3月9日公開の「あれから」(篠崎誠監督)では、被災地の恋人への思いに揺れる女性を描く。

昨年は「希望の国」「311」「おだやかな日常」など、原発問題を取り上げた作品が多かったが、震災から2年を迎える今年公開の作品は、震災を越えて人々のつながりや心を描く作品が増えている。映画を通して3・11と再び向かい合い、今後の被災地の復興のために一人ひとりができることを改めて考えたい。

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園監督が自ら実際に被災地で取材を重ね、見聞きした事実を元に描かれる本作は、フィクションでありながら、未曾有の事態に巻き込まれた人々の“情感”を克明に記録し、“生”や“尊厳”を鮮やかに描写する。
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