タナダユキ監督の衝撃作「ふがいない僕は空を見た」トロント映画祭でお披露目
2012年8月14日 06:00
[映画.com ニュース] タナダユキ監督の約4年ぶりとなる長編作「ふがいない僕は空を見た」が、第37回トロント国際映画祭のコンテンポラリー・ワールドシネマ部門に正式出品されることが決定した。同作は、性描写が含まれることからR18指定を受けたが、骨太な内容が認められ上映が決定。国内でR指定を受けた作品としては「冷たい熱帯魚」(園子温監督)に続く出品となる。
母子家庭で育った高校生の卓巳は ふとしたきっかけで出会った主婦あんずと関係を持つようになる。次第に、卓巳はあんずに恋心を抱くようになるが、あんずはセックスを心の拠り所にしなければならない闇を抱えていた。
原作は、第24回山本周五郎賞を受賞した窪美澄氏の同名小説。永山絢斗と田畑智子がダブル主演し、心の闇を抱えた人々がもがきながら生き抜く姿を通して、「性」と「生」を赤裸々に描く。窪田正孝、原田美枝子、銀粉蝶らが共演している。
タナダ監督は、蒼井優が主演した「百万円と苦虫女」をウディネ・ファーイースト映画祭、モントリオール世界映画祭に出品した経験を持つ。過激な内容に挑んだ今作が、トロントで初上映されることになり「私にとっては、はじめて参加する大きな国際映画祭になります。良い反応もそうでない反応もすべてしっかりと受け止め、大いに刺激を受けてきたい」と意気込みを語った。
主演のふたりは、激しくぶつかり合うラブシーンにも挑戦。「僕が田畑さんと一緒に主演を務めた作品が、海外の映画祭で上映されると聞き、外国のみなさんがどう作品を受け止めてくれるか不安で緊張しますが、何よりも反応が楽しみです。作品に込められた、日本人らしい繊細さを感じながら、楽しんでもらえたらうれしい」(永山)、「より多くの方の目に触れ、そして心に刻まれ脳裏に残る、深く儚い愛と命と絆(きずな)の作品だと思います。今日を大事に生き明日からの糧に生きるということ、愛し愛されるということをたくさんの人に見て感じてもらえれば幸せです」(田畑)とコメントを寄せた。
「ふがいない僕は空を見た」は、11月17日から全国で公開。