吉沢悠&ペ・スビン、浅川巧の墓前で国境越えた友情を再確認

2011年11月11日 08:01


浅川巧さんの日韓合同追慕祭に出席した(左から) ペ・スビン、吉沢悠、高橋伴明監督
浅川巧さんの日韓合同追慕祭に出席した(左から) ペ・スビン、吉沢悠、高橋伴明監督

[映画.com ニュース] 俳優の吉沢悠が11月10日(現地時間)、主演映画「道 白磁の人」で演じた主人公・浅川巧の日韓合同追慕祭(追悼式)に、共演した韓国俳優ペ・スビン高橋伴明監督とともに出席した。

今年は、浅川さんの生誕120年、没後80年にあたる節目の年。ソウル市内の忘憂里(マンウリ)墓地で10年ぶりに開催された日韓合同での追慕祭には、両国関係者約70人が結集した。

映画は、日本が朝鮮半島を植民地支配下におき、ふたつの民族が激しい対立を深めていた韓国併合期が舞台。人として正しい道を貫く浅川(吉沢)と、親友・李青林(ペ・スビン)の熱い友情を軸に、激動の時代を重厚なタッチで描く。

浅川の墓は、著名人が多く眠る同墓地で唯一の日本人の墓で、これまで長年にわたり韓国人によって守られてきたという。吉沢は、クランクイン前にペ・スビンと墓参。「そのとき、浅川さんのもとでふたりの気持ちがひとつになった感覚があった」という。さらに、「この映画を撮影して得られた最も大きなことは、ペ・スビンさんと深い友情を育んだこと。それは僕にとって一生の宝物になった。日本人と韓国人が心から絆(きずな)を深めることは、まさに浅川さんが望んでいたこと」と感慨深げだ。

韓国では視聴率の帝王と呼ばれるペ・スビンも、「言葉を越えてお互いを理解し合えた。これは初めての経験だ。高橋監督は本当に偉大な方だと思うが、その理由のひとつは、吉沢さんとペ・スビンという、ここまで心から絆を深められるふたりをキャスティングしたことだ」と最敬礼。それだけに、「最も苦しかったのはクランクアップして別れの時だった。いまでも次はいつ会えるんだろうと思ってしまう」と語った。

ふたりの様子を見ていた高橋監督は、「吉沢悠とペ・スビンが本当の友情を育めば、この映画は成功すると思っていた。それこそが浅川さんの願いだと思うからだ」と述懐した。そして、「今日もたくさんの人に出会えたが、ひとつひとつの縁を大切にし、浅川さんを顕彰していきたい」。現在、編集の最終段階だといい、年内の完成を目指す。

道 白磁の人」は、2012年初夏に公開。

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