小雪が「わたし出すわ」と差し出すものは？森田芳光監督作に主演

［映画.com ニュース］　女優・小雪が森田芳光監督の最新作「わたし出すわ」に主演する。「間宮兄弟」（06）、「サウスバウンド」（07）、「椿三十郎」（07）と、近年は小説原作ものやリメイクに挑んできた森田監督の「（ハル）」（96）以来となる12年ぶりのオリジナル脚本作品で、“お金”をテーマに“その存在、その使い方、その考え方”を通して人間性を描き出す。

莫大な財を築いて故郷に帰ってきた山吹摩耶（小雪）は、久々に高校時代の同級生たちと再会。彼らの“夢”や“希望”の実現のために、次々に「わたし、出すわ」と、大金を差し出す。どのように稼いだお金なのか、友人たちは勘ぐりながらもその大金を受け取ってしまうのだが……。

撮影は、舞台となる北海道函館で今月16日よりスタート。小雪は「テーマが“お金”とか“お金の使い方”なので、監督を通して、私もそのテーマについて新たに発見したり、皆さまに伝えるメッセージを見出していけたらと思います」と、本作についてコメント。

また、5～6年ほど前からお金にまつわるいろいろなニュースや、同窓会で「お金があったら……」という同級生の話を多く聞くようになったことから本作の着想を得たという森田監督は、「愛はお金では買えないけれど、お金にはいい使い方があるのではないか、自分がもし大金を手にしたらどうするだろうかと考えた。経済が人の生活を大きく左右している現在、お金の使い方が不条理に感じられる今だからこそ、僕はこの話が必要だと思った」と語っている。

数々の名作ドラマを生み出してきた森田監督と、09年は本作のほかにも平山秀幸監督の「信さん」、崔洋一監督の「カムイ伝」、「ラスト・サムライ」以来となる海外作品「ブラッド・ザ・ラスト・ヴァンパイア」など多数の出演作が控える小雪の初タッグは注目を集めそうだ。共演は黒谷友香、井坂俊哉、山中崇、小澤征悦、小池栄子、仲村トオル。12月25日にクランクアップ予定で、アスミック・エースが配給、09年公開。