ダルデンヌ兄弟が初のラブストーリー「ロルナの祈り」で来日

2008年11月26日 12:00


右が兄のジャン=ピエール、左が弟のリュック
右が兄のジャン=ピエール、左が弟のリュック

[映画.com ニュース] 今年のカンヌ国際映画祭において脚本賞を受賞した新作「ロルナの祈り」のPRのため、ベルギーの兄弟監督ジャン=ピエール・ダルデンヌリュック・ダルデンヌが、主演のアルタ・ドブロシとともに来日。11月25日、東京・京橋のホテル西洋銀座で来日記者会見を行った。

本作は、「ロゼッタ」「ある子供」で2度のカンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)に輝く世界的な名匠ダルデンヌ兄弟の最新作。ベルギー国籍を取得するために偽装結婚生活を送るアルバニア移民ロルナ(アルタ・ドブロシ)と、偽装結婚の相手で麻薬中毒者のクローディ(ジェレミー・レニエ)の間に生まれる真実の愛が描かれる。

兄弟2人で映画製作を開始してから34年。長編の劇映画を撮り始めてからは約20年。共同で映画を監督することについて、弟のリュックは「お互いの意見を否定しないことが大事。出したアイデアはとりあえず生かして伸ばす。もちろん議論もするけれど、それはお互いのアイデアを発展させるためのものなので、ケンカとは違う。僕らがケンカするのは、今日のレストランはどうするかといった、つまらないことだけだよ(笑)」と2人の創作の秘密を笑顔で明かした。

また、本作への出演で国際的な女優として注目を浴びたドブロシは「たしかに2人はレストランのことではケンカしてたわ(笑)」と笑いつつも、「(ダルデンヌ監督の)現場は余計なストレスとは無縁で、まるで自分の家にいるようにリラックスできた。俳優たちの意見にもとてもオープンでこれ以上ない環境だった」と本作の撮影を振り返り、2人の監督に対し、感謝の気持ちを表した。

ダルデンヌ兄弟としては初のラブストーリーとなった本作について、兄のジャン=ピエールは、「今回は初めから女性を主人公にした作品を撮りたかった。この映画はラブストーリーともいえるが、愛の対象が消えてしまってから、愛が育ち現れ始めるという逆説的なラブストーリーでもある」と語った。

ロルナの祈り」は、09年1月下旬より恵比寿ガーデンシネマほかにてロードショー。

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