「M:i:III」降板のジョー・カーナハン監督の新作は笑えるバイオレンス
2007年4月24日 12:00
「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」のジョー・カーナハン監督が、eiga.com読者のために電話インタビューに応じてくれた。カーナハンと言えばすぐに思い出すのが「M:i:III」の脚本・監督を降板した事件。まずその事情を聞いてみた。
「トム(・クルーズ)の作りたいものと僕がやりたいことがあまりにも違いすぎたから降りた。たとえ大スターの超大作でも、妥協はしたくない。自分が心底惚れ込んだものじゃないと作っても意味がないから。でもトムは自分の好きなバージョンを作れたし、僕は『スモーキン・エース』を作れたからお互いにハッピーだよ」と言うだけあって「スモーキン・エース」は100%カーナハン印の映画。マフィアとつき合うマジシャン、エースを巡って、司法取引で彼を証人にしようとするFBI、裏切り者として処分しようとするマフィア、その賞金に釣られて集まってきた7人の殺し屋たちが入り乱れる、ハイテンション・バイオレンス・ムービーだ。しかも、笑える。「ダークなユーモアとヘビーなドラマが共存した映画が作れるか試してみたんだ。我ながらスマートに出来たと満足しているよ。ちょっと物語の流れが分かり難いかもしれないけど、それも意図したことなんだ」
スタイリッシュで派手なバイオレンス・シーンが満載だが「スタイリッシュよりもむしろリアルを心がけたつもりだ。50口径の銃弾を食らったら、本当に体がぶっ飛ぶ。ユニークなキャラクターたちが鉢合わせしたおかしな状況を作ったら、ジョン・ウーみたいな光景になった。意識したわけじゃない」
カーナハン作品のキモは、ユニークでおかしなキャラクターたちだ。「それぞれが違うルックスと感覚を持っていて、サウンド感も違うキャラクターを作るためにすごく努力した。僕の脚本はとにかくキャラクターが基本。面白いキャラクターができれば、そこから自然に面白い物語が生まれてくる。だからいつも人間の行動を観察しているんだ。隠れて覗くのが上手いから、まだストーカーに間違われたことはないけどね(爆笑)」
「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」は5月12日公開。