松本潤&榮倉奈々主演「僕は妹に恋をする」安藤尋監督が語る

2007年1月19日 12:00


禁断の愛を描いた「僕は妹に恋をする」 安藤尋監督
禁断の愛を描いた「僕は妹に恋をする」 安藤尋監督

双子の兄妹による禁断の愛を描き600万部の大ヒットとなった青木琴美の同名コミックを、嵐の松本潤榮倉奈々主演で映画化した「僕は妹に恋をする」。海外の映画祭で上映され話題となった高校生同士の同性愛を描いた前作「blue」(03)に続き、本作でも禁断の愛をフィルムに収めた安藤尋監督に話を聞いた。

「僕妹」は、よくある兄妹恋愛モノとは異なるアプローチをしている。その1つが、2人が“双子”である点に注目した演出。向かい合って寝ているシーンを俯瞰で撮って胎児だった頃の2人をイメージさせたり、おんぶで1つとなったシルエットが並んで別々のシルエットとなって思い出の草原を出て行くなど、元々1つだったものが2つになったからこそ、お互い求め合い引かれ合うという切なさが描かれる。

「確かに1つのものが分かれて、また1つになりたいという双子のモチーフはラストまでずっと引っ張っていきました。お母さんのお腹の中にいた時とは違い今は別々の肉体を持っているから、ラストに向かうところではおんぶし合ってお互いの温もりを感じるというシーンになったんだと思います」

また2人の恋を、楽園(2人だけの世界)からの旅立ち=思春期の終わりとして描いたことで、許されざる恋が爽やかな青春映画となった。

「郁と頼は最初からどうしようもなく理屈でなくお互いを好きなんです。だから肉体的に結ばれたからといって、苦しみから解放されるわけでも関係が完結するわけでもない。この恋って、2人が自分たちから終わりへ向かって歩いていく過程なのかなと思って、そこにドラマ性を持たせようと決めました。大事件が起こらなくても、日常の中で感情の揺れ幅を大きくさせれば描けるはずだと。それこそが僕が映画で一番やりたいことでもあるんです」

そして長回しや逆光にうっすらと浮かび上がる表情といった安藤監督らしい撮り方で、アイドル主演、マンガ原作を自分の世界観に引き寄せることに成功した。

「逆光が好きなのは、その光がその場で最も自然であるというだけでなく、黙っているとか、ある程度の見えなさの中に、感情が浮かび上がってくると思っているからなんです。むしろ感情にリアリティを与えたり、想像を喚起させたりできる。長回しを使うのも同じ理由で、セリフとセリフの間をどう切り取れるかに興味があるからなんです。どんな映画であれ、そういった映画が映画たる特権的な瞬間を撮っていきたいですね」

僕は妹に恋をする」は1月20日ロードショー。

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