死と向き合い、生を実感。「ぼくを葬る」主演インタビュー

2006年4月18日 12:00


たくさん食べてもスタイルは崩れないイケメン
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8人の女たち」「スイミング・プール」のフランソワ・オゾン監督の最新作「ぼくを葬(おく)る」は、「まぼろし」に続く“死についての3部作”の第2章。ガンで余命3カ月を宣告された青年が死に向き合っていく姿を描いた感動作だ。そんな本作に主演した俳優メルビル・プポーにインタビューした。

プポー演じる主人公ロマンは、親しい祖母ひとりを除いて、恋人にも家族にも自らの死期を知らせず、ひとり孤独に死と向き合っていく。「僕自身はちゃんと病気を周囲に伝えて、友人や愛する人たちと一緒に過ごして最期を迎えると思う」と語るプポーだが、主人公ロマンになりきるために役立ったのが、過酷なダイエットだったという。撮影は2カ月間で全て順撮りで行われたが、劇中で徐々に病気が進行し、やせ細っていくロマンの姿を、プポーは撮影と同時進行のダイエットで文字通りに“体現”してみせた。「陰鬱で悲壮感が出てしまうから、劇中には病院のシーンやロマンが苦しんでいる姿は描かれない。僕のやせていく体が、唯一の病人としての証明になる。だからやせることは不可欠だった。それに、撮影後にみんなが楽しく食事をしている輪に入れない孤独感や、ダイエットによる疲労感が、そのまま自然と演技のなかに出てきたんだ。もちろん撮影が全て終わったらたくさん食べたけどね(笑)」

また、プポーは「“死”というものと向き合う役を演じたことで、“生”を実感するようになった」と言う。「心配性で細かいことでくよくよしてる自分が、小さく見えたんだ。人生のもっと大きな、大切なものに目が向くようになった。死を考えることは、よりよい人生を送る助けになると思うよ」

「ぼくを葬る」は4月22日より、シャンテシネほかにてロードショー。

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