「HERO」「無問道」が7冠の香港金像奨にも暗い影

2003年4月8日 12:00


「HERO」
「HERO」

4月6日、中国映画界の権威ある映画賞として知られる香港金像奨の受賞作が発表され、監督にチャン・イーモウ、主演にジェット・リートニー・レオンマギー・チャンチャン・ツィイードニー・イェンというオールスターキャストで、本年度アカデミー賞の外国語映画賞にもノミネートされた「HERO」(日本では今夏公開)と、トニー・レオン主演で02年香港映画興収第1位の「無問道(原題)」が、それぞれ7冠を達成した。

昨年度は「少林サッカー」が作品、監督、主演、視覚効果など7部門を総なめにした同映画賞だが、今年は「無問道」が作品、監督、主演男優賞といった主要部門を制し、撮影にクリストファー・ドイル、衣裳にワダ・エミ、VFXに「マトリックス」の製作チームが参加している「HERO」が、撮影、美術、視覚効果など技術部門の多くを受賞するかたちとなった。このほか、ハリウッドリメイクが決定している2作品、「the EYE/アイ」が主演女優賞(アンジェリカ・リー)、「猟奇的な彼女」がアジア映画部門を受賞し、評価の高さを証明した。なお、授賞式の開始前には、1日に自殺したレスリー・チャンを追悼して彼のヒット曲が歌われたほか、会場には、各国で猛威を振るっている重症急性呼吸器症候群(SARS)を懸念して、マスクを着用した出席者も多く見られたという。アカデミー賞に戦争が影を落したように、アジア映画界の華やかな映画賞にも暗い影がつきまとった。

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