タランティーノの新作は「映画の中の映画」に
2002年9月17日 12:00
5年ぶりの新作「キル・ビル」を6月から撮影しているクエンティン・タランティーノ監督が、米「エンターテイメント・ウィークリー」誌のインタビューに答えている。タランティーノによると、「キル・ビル」のアイディアは「パルプ・フィクション」の撮影中に、ユマ・サーマンと交わした会話がきっかけ生まれたもので、94年当時にはすでにある程度脚本ができていたという。しかしその後、タランティーノはエルモア・レナードの「Rum Punch」に惚れこみ、同小説を原作とした「ジャッキー・ブラウン」を優先。その後「キル・ビル」の脚本を再開させようとしたら、今度は、第2次大戦の映画企画に夢中になり、「Inglorious Bastards」という脚本を延々と執筆。映画3本分ぐらいの大巨編になってしまったのだという。そして、「Inglorious Bastards」の映画化を準備していたら、2000年のアカデミー賞でユマ・サーマンと再会し、「キル・ビル」への情熱が復活。一気に脚本を書き上げるものの、ユマ・サーマンの妊娠が発覚し、今年6月まで待たなければいけなかったいう。つまり、5年も映画を撮らなかったのは、単にいろんな作品に手をつけていたからということのようだ。さて、肝心の「キル・ビル」だが、これはタランティーノ初の「映画の中の映画」になる、という。タランティーノ曰く、彼の作る映画には2つの世界があり、ひとつは、「レザボア・ドッグス」や「パルプ・フィクション」「トゥルー・ロマンス」のような「リアルな映画」。そしてもうひとつが、映画のキャラクターが劇中で見に行くような荒唐無稽な「映画の中の映画」。「フロム・ダスク・ティル・ドーン」や「ナチュラル・ボーン・キラーズ」がこのジャンルに入るが、彼自身が監督するのは「キル・ビル」が初めてになるという。