劇場公開日 2023年12月22日

「ジェニファーのいないハンガーゲームは・・・」ハンガー・ゲーム0 泣き虫オヤジさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ジェニファーのいないハンガーゲームは・・・

2023年12月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

ハンガーゲーム前シリーズ4作は、日本では全く当たらなかったが、全米では大ヒット。俺も最初は「殺し合いゲームって何だよ!」という感じで興味が無かったが、たまたま出張機中で暇つぶしに1作目を観てハマってしまった。以後2~4作は劇場鑑賞。何と言っても初めて見たジェニファー・ローレンスの圧倒的存在感に魅了された。ストーリー的にも実は面白かった。

今回は前日譚でジェニファーが出ていないと知って観ないでおこうかとも思ったが、ハンガー・ゲームファンなので一応観ておこうと・・・

【物語】
舞台は近未来の仮想化国家パネム。ハンガーゲームシーリースの前日譚。ハンガーゲームシリーズで大統領として君臨していたスノーの若き日の物語。

スノー(トム・ブライス)は元将軍を父に持つ名家の生まれ。 しかし、幼い頃に将軍の父親が反乱軍に殺され、母親も若くして亡くなり、家庭は日々の生活にも困窮していた。 18歳になったスノーは高校の成績優秀者に国から与えられる高額の賞金獲得を目指して努力して来たが、受賞者発表当日に制度変更が突然発表される。 成績上位者が第10回ハンガー・ゲームの各地区プレイヤーの教育係に任命され、優勝したプレイヤーの教育係に賞金が与えられるというのだ。

スノーは貧困から抜け出すために、ハンガーゲームでの優勝を目指すしかなくなる。しかしスノーは12地区の歌以外に武器のないか弱い少女ルーシー(レイチェル・ゼグラー)の担当になる。

いよいよ大会が近づき、スノーはなんとか戦略を立てようとルーシーに会いに行くが、ルーシーは冷淡な態度をとる。しかし、大会前日反乱軍のテロで死にかけたスノーはルーシーに命を救われる。そして、遂にハンガーゲームが開始される。

【感想】
シリーズ2~4作目と同じ監督ということで、作品全体の空気感は似通っており、悪くない。 作品の重厚感やゲームの緊迫感は良く出来ていると思う。
ただ、前4作に比べると不満が残る。

まずストーリー的に駆け足過ぎるというか、詰め込み過ぎていると思う。本作は2時間半越えの長尺なのだが、それでも無理を感じる。前シリーズなら、第10回ハンガーゲーム終了で1作終わりだ。今回はその後にまだ話が続くので、その部分が消化不良気味。

そして何より足りないのヒロイン力。
前シリーズはジェニファー・ローレンスの圧倒的ヒロイン力に支えられていた。彼女抜きでハンガーゲーム シリーズはあり得なかったので、彼女が出ていない時点でもう分かっていたことではあるけれど。 レイチェル・ゼグラーではとても彼女の抜けた穴を埋められなかった。歌は良かったけど。

ヒロイン偏重主義の俺としては、それが全て。
歌で選ぶのではなくて、ジェニファーに匹敵する次世代スターを発掘するべきだったと、俺は思う。

前日譚なので時系列的には前作ハンガーゲームシリーズからの繋がりは無いが、前シリーズを知らずして本作を観ると、さらに楽しみは減ること間違いない。スノーの将来像を知らないと特に結末あたりの興味が減じると思う。

しかし、逆に前シリーズファンはガッカリすると思う。従って、勧める相手がいない・・・

泣き虫オヤジ