劇場公開日 2023年9月15日

「美しき水上都市ベネチアの雰囲気に酔う」名探偵ポアロ ベネチアの亡霊 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5美しき水上都市ベネチアの雰囲気に酔う

2023年11月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

1947年の設定ですが、最高の観光気分が味わえました。
ケネス・ポアロさんも監督・主演も3作目となると、
すっかりポアロも板につきましたね。
映像が本当に美しく
古い中世の建物の頭上高く花火が上がり、
ハロウィンの子供たちの仮面姿で傾斜の多い狭い小路を
ひしめき合い、
原作の題名は「ハロウィン・パーティー」です。

多くの映画の舞台となっているベネチアですが、
新鮮なカメラアングルも多くありましたね。
特にラストの俯瞰から映したベネチアは新鮮でした。

物語は、引退を決意して流浪生活をしているポアロに
作家のアリアニドが謎の死を遂げた娘の事件を解決するために、
有名な霊媒師のジョイス(ミシェル・ヨー)が今夜現れる。
そこに招待を受けたポアロはジョイスの正体を暴こうと、
ドレイク夫人のお屋敷に向かいます。
今回の名探偵ポアロはホラー仕立てです。
ドレイク夫人の娘のアリシアが錯乱した状態で、
運河に飛び込んで死亡した事件。
ドレイク夫人は娘の声を一声だけでも聞きたいと霊媒師を
呼んだのです。
娘の死の謎、
それは事件性のない自殺のように見えます。
交霊会の怪しい雰囲気
(ミシェル・ヨーはエブエブとはうって変わって
美しく艶かしい雰囲気です)
果たして娘の死は殺人なのか?
犯人は誰?
アリシアを裏切った婚約者のマキシム、
死体検案書を書いた医師のフェリエ、
ベストセラーから遠ざかっている作家のアリアニド、
などなどの疑わしい人物が続々といます。
散々とミスリードされて、ポアロも右往左往。
そしてホラー仕立てのオドロオドロしい映像!!

ラストで日本の2時間サスペンスみたいに、事件の真相が
再現映像やポアロの説明で一気に解決に導かれるのです。

アガサ・クリスティ原作にしては平凡な感じも受けます。
意外と驚くようなトリックではなく、
2時間ミステリーで何回も聞いたような謎解きです。
でも未必の故意と言うか予期せぬ行為が絡んでいる。
でもアガサさんが使ったトリックを
もしかしたら、(新鮮でないとか言っても、)
後世の作家や脚本家が真似してるのかも知れませんね。
アガサ・クリスティは旅行ミステリー作家の走りとでも
言いましょうか、
(ミス・マープルはロンドン郊外の架空の村が舞台ですが、)
観光名所を舞台にした作品が多いですね。
オリエンタル急行や、エジプトのピラミッドや遺跡。
今回は美しい水上都市ベネチア。
映画で行ったことのない観光地を訪れる魅力、
そして更に今作ではホラー仕立ての禍々しさも!!
サスペンスが盛り上がって、取り憑かれたように
食い入るように観るとか人間ドラマの深みもないけれど、
大好きなケネス・ポアロとベネチアを楽しむ
映画でした。
印象的な好演は医師の息子のレオポルド少年(ジュード・ヒル)
な、なんと「ベルファスト」のバディ少年じゃないですか?
可愛く成長しましたね。
ケネス・ブラナー監督のお気に入りですね。
また会えて嬉しかったです。

琥珀糖
LaLaさんのコメント
2023年12月14日

琥珀糖さん (^^)/
こんにちは
共感をありがとうございます。

水の都ベネチアの雰囲気ありましたね。
ケネスポアロも定着してきたような・・
ミシェル・ヨーさんの霊媒師役も存在感ありましたね。
2時間サスペンス・・確かに(≧▽≦)

アガサ・クリスティ作品も多いですが
やはり、世界名所でのロケ物はいいですね。
ミス・マープルも好きなので
ロンドン郊外での背景が 楽しめますよね。

LaLa
humさんのコメント
2023年11月18日

こんばんは。
物語もよかったですが、本当に美しい映像で、薄暗さもまた特徴的な雰囲気を味わいました。灯を映す水の揺れやゴンドラや櫂が軋むような音、湿り気のある空気がすぐそこにあるようでした。
そして彼はバディ少年でしたね!
私も嬉しくなりました。

hum
seiyoさんのコメント
2023年11月18日

おはようございます。
共感ありがとうございますとにかくベネチアの景色が、素晴らしかったです。
ラストも綺麗な町並みでした。

seiyo