配信開始日 2023年6月30日

「次世代テクスチャー映画の一本」ニモーナ 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0次世代テクスチャー映画の一本

2023年12月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

『スパイダーマン:スパイダーバース』以降の3DCGアニメーションのデザインとテクスチャーの変化の潮流の一つを担う作品だ。それぞれの物語にそれぞれにふさわしいテクスチャーがある。このグラフィック・ノベル的なテクスチャーが動くことの気持ちよさ。表情も多彩でCGの硬さを感じさせないし、重さの表現もしっかりしている。ビジュアル的にはファンタジーに寄っているわけだけど、人形的な存在をフォトリアルな世界で動かすよりも、質量を持った人物として強く認識させてくれる。世界観も中世の騎士とお城の世界と近未来を融合させたもの。これだけテクノロジー」が発達した世界で騎士道精神が残っているのは面白い。
いたずら好きで悪役を志望するニモーナは、変身能力を持つ。ニモーナが濡れ衣を着せられた騎士バリスターに無理やり協力すると、凸凹コンビが誕生。どちらも世間から弾かれた者同士、いがみ合いながらも絆が生まれていく。良いバディものであった。

杉本穂高