劇場公開日 2023年10月13日

「キリエに、会いに行きたくなる映画」キリエのうた 太陽さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5キリエに、会いに行きたくなる映画

2023年10月19日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

興奮

個人的には、岩井俊二監督作品はあまり好きではないのですが、この映画は、好きとか嫌いとかでは、くくれない作品でした。
❝アイナさん=キリエ❞だし、❝キリエ=アイナさん❞だし、アイナさんの為の映画だと思いました。

だから、アイナさんの歌声を中心に作った映画だから、粗探しはできるし、過不足があるのは十分承知しながらも、無性にキリエに、会いたくなりました。
ある意味で、トラウマになる位の作品だと思います。
目を閉じると、映画のシーンが、フラッシュバックしてくるし、心を掴まれております。

この映画について、『結局何が言いたかったのかわからない』とか、『観た人の判断に委ねる部分が多い』といった、評価を見ることがあります。
でも、ある人物の、日常や出来事を切り取って見させていただいていたら、そういう意見はナンセンスだと思います。
『映画だから、そこを描かないとダメだ』って、言う人もいますが、この映画に必要かどうか、それが重要な気がします。

『いいたいこと』は、きっとあるんだろうけど、それは気にしなくていいんじゃないかってくらい、キリエの生活を覗き見させてもらった感じですかね。
それに、想像する部分も多いけれど、丁寧に物語の背景も描かれていたと、思います。
だから、その過不足や言いたかったことを気にせず、キリエに会いに行けば良いんだろうなって、本当に思います。

また、アイナさんは、女優を続けていくのかどうかわからないけど、この作品を超えないんじゃないかなってくらい、良かったです。なにせ、アイナさんはキリエで、キリエはアイナさんだから。
歌は、鳥肌が立ちまくりました。
アイナさんの歌声も、好き嫌い分かれると思うけど、全身全霊で歌っている姿は、何か訴えてくると思っています。
BiSHのインタビューとかで、『見つけてくれて、ありがとう』って、よく言ってましたが、この映画のキリエは、まさに❝見つけてくれてありがとう❞の人なんだと思います。

だから、キリエに会いたくなる映画なんだと思います。

頭の中で、【憐れみの讃歌】と【名もない街】が、鳴り響いていて、今日は、眠れないかもしれません。
やっぱり、トラウマになる映画かもしれません。

太陽
ハスヨウさんのコメント
2023年10月20日

私がいいたいことはあなたが言ってくれました

ハスヨウ