劇場公開日 2023年12月15日

「ウージェニーの肖像」ポトフ 美食家と料理人 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ウージェニーの肖像

2024年2月9日
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鑑賞方法:映画館

ほぼ全編にわたって料理を作っているか、食べている映画だ。冒頭の延々と続く調理シーンは無駄のない動きが心地よく、感嘆する。時代背景も違うし、フランス人が皆あんなに凝った料理を毎日食しているわけではないだろうが、まさに“豊潤”という言葉がふさわしい。足し算もしくは掛け算の料理というか、ちょっと過剰にも思えるほどだ(日本料理は引き算?)。
ドダン✕ウージェニーの料理を味わうために足しげく集まる紳士たちは、ルイス・ブニュエルの「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」を彷彿させ、少しく滑稽でもある。
ジュリエット・ビノシュも「汚れた血」からもう37年も経ったのかと、感慨深いものがある。時の流れは速いものだ。歳月はそれなりの痕跡を残しているものの、佇まいは健在だ。
そのうち“厨房のポーリーヌ”で続編が作れそうな気もする。

映画のあと、感化されていつになく贅沢なランチにしてしまった。

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梨剥く侍