劇場公開日 2023年9月1日

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「呉美保監督の復帰」私たちの声 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5呉美保監督の復帰

2023年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

7人の女性監督のオムニバス映画。日本からは呉美保監督が参加している。呉美保監督は8年ぶりの新作となる。ずっと子育てで映画の監督ができなかった同監督が、自分の実体験も反映させたであろう、仕事と子育ての両立に苦しむ母親を描いている。一週間ほとんど休めないシングルマザーの主人公を杏が演じているのだが、こちらも自身の体験的にもかなり実感を込めて演じているのだろうなというのがすごく伝わってくる。呉美保監督は日本有数の名監督なので、復帰してくれてうれしい。これからバリバリ活躍してほしい。
その他、個人的に良かったのは、キャサリン・ハードウィック監督のコロナ禍のLAを舞台に、ドクターとホームレスの交流を描いた「無限の思いやり」だ。ホテルの休業でホームレスからのコロナ感染拡大を防ぐために、ホームレスたちをホテルに住まわす。ドクターがやたらと服を着込んだホームレスの世話に苦労する姿が描かれる。コロナ禍の日常を切り取った鮮やかなドラマだった。

杉本穂高