劇場公開日 2023年3月17日

「映画として公開されること自体に意義がある作品」妖怪の孫 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0映画として公開されること自体に意義がある作品

2024年5月15日
PCから投稿

今年185本目(合計1,277本目/今月(2024年5月度)19本目)。
(前の作品 「またヴィンセントは襲われる」→この作品「妖怪の孫」→次の作品「家出レスラー」)

 故首相を扱ったドキュメンタリー映画です。
作成当時はもちろん、このなくなった「事件」について意識などされていなかったのでしょう。

 ただその理解のもとにおいても、特に「人の死」という倫理・道徳として特殊な配慮が求められることがある(また、その「暗黙の理解・暗黙の強要」がある日本において)今回の事件をきっかけとした故首相について、事実は事実として扱い、それをドキュメンタリーとしてまとめなおした本映画は、それ自体がまた日本国憲法の要請する表現の自由ほかにまさに沿う内容であり、この映画は「存在すること自体」に意義があるのだろう、といった考え方です。

 映画の内容自体はすでに報じられている色々なニュース他等をまとめなおしたもので、「映画か」というと微妙なところはありますし、映画に娯楽性を求めていく立場ならおすすめできるものでもありませんが(だからミニシアター中心)、こうした作品は、存在自体に意義があるのであり(日本国憲法が要請する各種の権利が保障されていることの確認的な立ち位置)、「公開されること自体」に意味があるものと考えています。

 採点上、特に気になった点についてはないので(本人にとって有利な点、不利な点も含めて平等に描かれている)、フルスコアにしています。

yukispica