劇場公開日 2023年7月28日

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「シモーヌ:ヨーロッパの良心と知性を体現している人」シモーヌ フランスに最も愛された政治家 のりたまちびさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0シモーヌ:ヨーロッパの良心と知性を体現している人

2023年8月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

1992年、大学の卒業旅行で、イギリス、フランス、スイス、ドイツ、オランダをひと月かけて旅した。
最も印象的だった場所は、憧れのロンドンでも、ルーブルでもなく、ミュンヘン近郊のダッハウのユダヤ人強制収容所跡地だった。
「戦争は、医学を飛躍的に進歩させる」という言葉を、数々の写真で実感した。
敷地内に入った時、体感温度が数度下がった感覚を今も覚えている。

シモーヌはユダヤ人で、第2次世界大戦中、強制収容所に母と姉と一緒に連行された。
戦争は、人から自らの頭で考え判断する力を奪い、ただのロボットに変える。
「使えないユダヤ人は殺せ」と入力された兵士は、弱った人間に人体実験することも、銃殺することもためらわない。
「人間の尊厳を守る」という彼女の信念は、ここでの体験に基づいている。

シモーヌの人生を、少女から女性へ、妻、そして母、政治家、最後は孫もひ孫もいるゴッドマザーまで伴走する。
気が付けば、彼女が大好きになっていた。

1993年にEUが誕生した時、地球がひとつの国になる第一歩だと感じた。
2015年、イギリス・フランス・イタリアを旅した時、EUなのにイギリスがポンドで嬉しかったし(さすがイギリス!そしてその後のまさかのEU脱退)、フランス・イタリアがユーロなのは便利だった(イタリアは、リラの時桁が多くてめちゃ大変だったので)。
これからも、紆余曲折あるだろうけれど、ヨーロッパの先進性と知性は、人類の宝だ。

この映画を観て、改めてそう感じた。
最近のフランス映画は、攻めていてホント面白い(*^-^*)

のりたまちび