劇場公開日 2023年6月2日

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「実際の事件とフィクションの違い」ウーマン・トーキング 私たちの選択 lzh_222さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0実際の事件とフィクションの違い

2023年7月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

知的

難しい

実際の事件:少なくとも150人以上の女性たち(下は3歳から上は60代まで)が動物用の催眠スプレーを使った犯人によって被害に逢っていたボリビアのゴースト・レイプ事件。女たちがいくら異変を訴えても、幻想に違いないと取り合ってもらえなかったが、女性が犯人のうち二人をとらえたことで明るみに出て、ボリビアの警察当局が介入し、犯人には実刑が下った。しかし警察が介入したのは1度だけで、女性たちは村を出ていないし、置かれた状況もほとんど変わっていない。

映画を観ただけでは納得できないものが残ったので色々調べてみたら、実際の事件にインスパイアされたフィクションが映画の原作で、原作者はカナダ出身のメノナイト(でも18歳で離脱)の作家ということが分かった。

少なくとも原作のレベルではボリビアの話なのだろうけど、映画の脚色の段階で場所が変わったようで(南十字星のエピソードはあるけど、デイドリームビリーバーだし、キャストは英語を話しているし、どう見ても北米)、混乱する。メノナイトは新大陸に移住した年代も世俗化の程度も様々だけど、同化を求められ、それを拒否した最も保守的な集団が南米にいるようだ(オランダ語の影響を受けた低地ドイツ語を話しており、現地の公用語を話さない)。

#MeToo の普遍的な物語にするために敢えて場所をぼかしたのだろうけど、ルーニー・マーラやクレア・フォイ、F・マクドーマントといった強キャラが英語を話していると、何を迷うことがあろうか。逃げる一択じゃないかと見えてしまうのが違和感の正体だったかなと思う。

Shiro
Mさんのコメント
2024年2月14日

情報ありがとうございました。
世界の中にはいろいろな人たちがいるのですね。

M
咲姫也さんのコメント
2023年7月18日

私も、何かシックリいかなくて。その訳が分からずにいましたが。このコメントを読んで。あっ、そうだ!それでだったのかもしれない。と思いました。スッキリしました。ありがとうございました(^人^)

咲姫也