劇場公開日 2023年4月28日

  • 予告編を見る

せかいのおきくのレビュー・感想・評価

全103件中、61~80件目を表示

3.5シンプルなタイトルが、終盤に向かって柔らかく深く胸に響いた

2023年5月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 本作は、幕府が外国から開国を迫られていた激動の江戸末期を舞台に、つらい現実を懸命に生きながら、ふん尿は肥料として農村に売り、循環型社会を支えた下肥買いの若者らの青春を描いた物語です。

 阪本順治監督にとって本作は30作目にして初めてのオリジナル脚本による時代劇作品となりました。3年前に坂本組の美術監督から、地球の環境保護をメッセージにした映画作りの提案を受けたことから。自分のガラには合わないと最初は思ったものの、企画書にあった「食と糞尿に関わる循環型社会が、西洋に先駆けて成立した』という文言に興味を持ったところから、本作の企画が立ちあがったそうです。最初のタイトル案は「江戸のうんこ」(^^ゞ。でも次第に脚本を書き進めるなかで、下肥買いの若者二人に加えて、没落した武家の娘を絡ませることで、阪本監督は、今まで撮ったことのない、ほのかな恋心にも挑戦してみようと思ったのです。(そっちの方がガラにもなくだけど)こうして、「江戸のうんこ」は「せかいのおきく」に変わっていったのでした。

 但し本来のテーマは「江戸の循環型社会を描くこと」であるだけに、本作では「3R(リデュース・リユース・リサイクル)」映画として、新しいものは一切使用せずに古材を使用し、衣装も仕立て直したものが使用され、撮影終了後も次の作品で使えるよう保管されているそうです。

 そしておきくという名前の由来にも、阪本監督ならではの愉快なエピソードが隠されていました。

 阪本監督はおきくのことを「おきやん」と表現していたそうです。その由来は、おてんば娘を指す「おきゃん」。ひょっとしたら今の時代では、死語になっているかもしれません。
 おきくがまだ声を失う前、余計なことをする矢亮を、おきくがピシャツとたたくのですが、「ピシャッー」と声に出してたたくのです。これが監督のいうおきゃんなんだそうです。また、声を失ったおきくは独りで墨をすり、「忠義」と書写するところを、思わず「ちゅうじ」と恋する人の名前を書いてしまうのです。恥ずかしくなったおきくは、寝転かってバタバタバタと暴れるのでした。ただそれだけのシーンが何ともいとおしいと思いました。おきくの感情がワツと動いてしまうシーンを監督は大事にされていましたそうなのです。 阪本監督の魅力は、この何とも言えない独特のユーモアにあると思います。
 そしてコミカルなおきくからシリアスなおきくまで、阪本流のこの微妙な出し入れを、カメレオン女優とよばれる黒木華が体現していたのです。

 物語は江戸末期。下肥買いの矢亮(池松壮亮)は江戸で便所の汲み取りをし、肥料として農家に売る下肥買いで生計を立てていました。武家育ちのおきく(黒木華)は勘定方だった父の源兵衛(佐藤浩市)が上役の不正を訴えてお役御免になったあと、裏長屋に住み、寺子屋で子供に読み書きを教えていたのです。そして紙屑拾いの中次(寛一郎)を加えた三人が寺の厠の軒下で雨宿りしたことで出会い、中次が、矢亮の相方になるのでした。
 ある日、源兵衛を憎む上役の関係者から決闘を迫られた父は死に、おきくも喉を斬られて声を失うのです。回復後も引きこもったおきくを、寺子屋に復帰させるのは、僧侶や子どもたちでした。声を失ったおきくは、それでも子供に文字を教える決意をします。
 そして毎朝、便所の肥やしを汲んで狭い路地を駆ける中次のことがずっと気になっていたおきくは、ある日決意して、雪の降りそうな寒い朝も必死の思いで中次の家を目指します。そしておきくは、身振り手振りで、精一杯に気持ちを伝えるのでした。

 この時代、おきくや長屋の住人たちは、貧しいながらも生き生きと日々の暮らしを営んでいます。そんな彼らの糞尿を売り買いする中次と矢亮もまた、くさい汚いと罵られながら、いつか読み書きを覚えて世の中を変えてみたいと、希望を捨ていなかったのです。お金もモノもないけれど、人と繋がることをおそれずに、前を向いて生きていく。その気持を、おきくが寺子屋で描く「せかい」という習字の文字に託したのだろうと思います。たとえこの時代の人たちが「せかい」という言葉の意味を知らなくても、人を恋する熱い気持ちには、声にならないほどの大きくて、果てがない「せかい」を中次もおきくも感じていたはずです。

 これぞ、時代劇でなければ出来ないと思わせるのは、夜に訪れた中次が、前の仕事の縁で手に入れた和紙を、おきくに届けた時です。おきくは、中次が去ったあと、戸口に耳をつけて、男の足音に耳をそばだてるのです。こんな繊細な恋の表現は、現代劇では無理でしょうね。
 おきくと中次が、互いの思いを伝えあうシーンがすがすがしく、終盤の雪の中の2人はただただ美しかったです。そのひたむきさに心を揺さぶられました。

 ところで、モノクロ映像とはいえ糞尿が何度も登場します。でも物語はいたって心地よく誠意と情感にあふれていました。人間の営みを食から描いた映画は数あれど、排せつ物からとは前代未聞です。一番低いところから見れば、しょせん人間は1本の管、生まれも育ちも性別も、ささいな違いにすぎぬとよく分かります。そんな矢亮の開き直りが潔いと思いました。それにしても、映画に匂いがなくて良かったです。特に大雨で長屋の厠から糞尿があふれ出して、長屋を覆い尽くすシーンは、グロテスクそのものです。

 また作品の目線が一貫して低いのも好ましいです。さげすまれがちな仕事の2人の会話がコミカルで、時に世の中の本質をつくです。長屋の会話も含め庶民のエネルギー、生きる力が画面から湧き上がります。
 おきくの心情に応じて時にカラーを加えた遊び心に頬が緩みました。源兵衛や矢亮、長屋の住人の発する言葉にうなずきながら、言葉を大切にする映画はいいものだと改めて実感しました。シンプルなタイトルが、終盤に向かって柔らかく深く胸に響いたのです。

【作品に関連したうん・ちく】
 江戸時代はよく出来たリサイクル社会でした。
 現代では何の価値もないどころか、処分のために大きなコストをかけている糞尿でさえも、有効に再利用されていたのです。
 江戸で排泄された大量の糞尿は、汚穢屋(おわいや)によって買い取られ、汚穢舟に積まれて近郊の農村まで運ばれました。そしてたっぷりの栄養で育てられた野菜は、逆コースをたどって江戸へ行き、その野菜と交換で排泄物を回収し、また肥料にする。こうした無限リサイクル・ループのおかげで、人口100万人の江戸の町並みは清潔に保たれ、大都会には珍しく、江戸では新鮮な野菜を食べることができたといいます。
 それにしても、糞尿にもさまざまな条件によってランク分けがあり、仕入先によってブランド物の糞尿まであったというのですから驚きです。

コメントする (0件)
共感した! 5件)
流山の小地蔵

3.5奥が深いような、浅いような

2023年5月2日
PCから投稿

食って出しての循環のように、禍福も「せかい」を循環していると。
奥が深いような、浅いような。

半分くらいの時間に大便がリアルに写り、登場人物が糞という言葉を投げかけるために、モノクロ描写でよかったとしみじみ。
前後に食事の予定を入れるのは薦めません。

コメントする (0件)
共感した! 9件)
コージィ日本犬

4.0『音』の世界が臨場感を作り上げていた。

2023年5月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

知的

『音』の世界を満喫したのが印象的、目から入る情報よりも耳から入る音に酔いしれました。
又…物の売り買えが現代社会と正反対なのにも驚き‼️
現代社会では汚物扱いされる人糞が肥料となり重宝されたんだとあらためて感じさせられる。
物語の中の『世界』の器ってどう測ったら良いのかその価値観が問われるし演技する役者たちの力量が凄いと思えた。
ほぼ全編がモノクロで映しだされるがその一つ、黒木華ちゃんの着物姿だけは色が付いていて共感でました。

特別R指定にランクするかもね(笑)

コメントする (0件)
共感した! 11件)
倭

4.5これはモノクロ映画にして正解です。

2023年5月1日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

なるほど、これはモノクロ映画にして正解です笑。
そこはかとなく切なくて、そこはかとなく可笑しくて、なんとも味わい深い映画でした。
恋する女性を演じた黒木華さん、可愛かったなぁ。

コメントする 2件)
共感した! 34件)
光陽

4.5タイトルなし

2023年5月1日
Androidアプリから投稿

 役者は良かった。世界観もユーモアもいい。でも、作り込みすぎてるというか、出来上がってるので、面白みがなかった。黒木がちゅうじと書いて悶えるシーンは可愛かった。
 うんこの描写が大変なのでモノクロにしたかと思った。

コメントする (0件)
共感した! 6件)
えみり

4.0社会生活を支える仕事

2023年5月1日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

なぜ、白黒なのかな?と思っていましたが、白黒でないと観られなかったと思いました。
何がテーマなのかな?と思いながら観ましたが、そうか、庶民の暮らしなのだと思いました。
取り上げられることの少ない、でも、社会生活に必要不可欠な仕事をする若者。不当な扱いを受けてもへこたれず、自分を卑下せずかっこつけもせず取り組む姿勢がよかったです。
黒木華さんの着物姿や所作が愛らしく、彼女がいないと成り立たない作品だと思いました。
佐藤浩市さん、寛一郎さん親子の共演、池松壮亮さん、石橋蓮司さんの演技もよい佳作💕

コメントする (0件)
共感した! 10件)
eigaeiga

4.0せかいで一番のおきく

2023年5月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

想定と外れたストーリーだったり、見慣れない視点で観せてくれる作品が好きです。
この作品は、江戸時代にたしかに存在しただろうせかいを観せてくれたように思います。

せかいを知らない三人には、よりたしかな三人のせかいが存在していたし、ことばを知らない二人はより深くコミュニケーションとれていたし、「せかいで一番」のフレーズを思い出せなかった(?)中次はより響く愛情表現をみせていました。

時々カラーになる場面にどんなメッセージがあったのかは読み取れず…。

「鎌倉殿の13人」で雪の中での暗殺を演じた寛さん(中次)の「雪になるのが好きだ」に反応してしまいました笑。

コメントする (0件)
共感した! 7件)
Eiji

3.5モノクロの理由

2023年5月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

恋愛ものというよりは、江戸時代の情緒を楽しむ映画という感じがした。そりゃあ、カラーは無理だよね。

コメントする (0件)
共感した! 6件)
hanataro2

3.5悪くはないが、面白くはなかった?

2023年5月1日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

全編モノクロと思いきや、一瞬だけカラーになるシーンが2回ある。これは、どういう意図だったのだろうか?
最初のシーンは、おきくさんだけだったので、「おぉ、まさにおにくの世界だけカラーになるのね!」って、思ったのだが…。
江戸時代は循環型社会っていうコメントを多々見ますが、そこが論点の映画ではないよね…。
江戸時代の青春?
そもそも、青春って言葉(劇中にも出ていたけど)って江戸時代にあったのだろうか?
いずれにしても、世界のおきくより、おきくの世界の方が良かったのでは?と思うわなくもなかった…。

コメントする (0件)
共感した! 9件)
kawauso

3.5江戸庶民の暮らし

2023年5月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

二人の恋愛模様も描かれていますが、江戸庶民の暮らしが衣食住+αが丁寧に描かれています。クスッと笑えるエッセンスを交えながら、等身大に描かれた作品ですね。これは内容的に全面カラーは難しいですね(笑)。佐藤浩一さん親子の共演も良かったです。

コメントする (0件)
共感した! 6件)
ごっとん

3.5掬い・救われ 愛は世界を循環する

2023年5月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

なんとも掴みどころのない、そしてモノクロ(ときどきカラー)スタンダードサイズの映像とともにストーリーが展開されていく。
昔の日本はおわいやさんがお金を払って排泄物を回収していたのは新鮮でした。肥を掬う中次が声を失ったおきくの愛に救われるのか救ったのか?いずれにしろモノも精神も世界はグルグル回るんですね、うーん、SDG'S!
作品の中で、佐藤浩市が話す「世界って知ってるか?」「愛する人ができたら、世界で一番お前を愛してるぜって言ってやりな!」と、石橋蓮司さんの「人は死んで埋められたら虫に食われて土に帰っていくんだよ、おもしれぇな」(いずれも正確な台詞ではないけれど)が心に響きました。
なんか良かったなぁ。黒木華さんの笑顔が素敵!池松壮亮さんのシニカルな表情・クスリとと笑える言い回し、佐藤浩市さんと寛一郎さんの親子共演などが印象的でした。

コメントする (0件)
共感した! 18件)
ニコラス

3.5仮面ライダーが汲み取り屋に変身

2023年5月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

楽しい

萌える

江戸時代末期、武家育ちのおきくは、寺子屋で子どもたちに読み書きを教えながら、父と2人で貧乏長屋に暮らしていた。ある雨の日、彼女は厠のひさしの下で雨宿りをしていた汲み取り屋の矢亮と紙集めの中次と出会った。その後、中次は矢亮に誘われ、人糞を集めて農家に売りに行く仕事を手伝う事になった。一方、おきくは父の正義感が仇となり、殺害される事件に巻き込まれ、喉を切られて声が出なくなってしまった。これからどうなる、という話。

なぜ今時モノクロなのかという答えが、うんちのシーンだらけだから、なんだろうと思った。頭からうんちをかけられたり、手で人糞を商品として扱うのをカラーで見せにくなったのだろうと思う。
章が終わる頃に一瞬カラー映像となるのが良い演出だなぁ、と思った。
黒木華は着物姿が似合ってて、品が有って、可愛かった。今後、中次と上手く行けば良いな。
佐藤浩市と息子の寛一郎が厠でうんちの話をする親子共演のシーンが珍しかったし、ここも良かった。
汲み取り屋矢亮役の池松壮亮は先日観た仮面ライダーから今作では汲み取り屋へと変身かと面白かった。逆じゃなくて良かったかも。

コメントする (0件)
共感した! 16件)
りあの

3.5世界の中心で愛を骨伝導‼️❓サイレント‼️❓

2023年4月30日
PCから投稿

何を伝えたいのか、いまいち、ピンとこない。
堆肥の仕事が最下層の仕事を現して差別問題を捉えたいのか、?
武家で不義を告発して、放免されて、挙句に果てに殺されるのは、いまようのパワハラ死を象徴しているのか?
苦しいはずなのに笑いを求めるのは、創作にしても参考にはなる。
イケメンが好きとは言え、生まれを乗り越えて愛を貫く姿は、黒木華で有るから好感を持てるのだろう。
白黒だが、汲み取りのシーンが多くて悪夢をみそうだ、イレイザーヘッドみたいに。
空は無限に繋がりる。
最後の抱擁シーンで、手振り身振りが無くても言葉が伝わるのは骨伝導、サイレントの目黒蓮と川口春奈の抱擁シーンで見た通りでした。

コメントする 3件)
共感した! 34件)
アサシン5

4.0💬の効果的な漫画

2023年4月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

漫画でよくありますよね。
吹き出しの中に…があるだけで、登場人物の気持ちを読者に想像させる場面。💬
依頼者との面談シーンや標的への弾道を計算している時のゴルゴ13を思い浮かべてはいけません。
どちらかというと、『この世界の片隅に』のこうの史代さん的な雰囲気です。会話のテンポも時間の流れもゆったりしています。哀切漂う流れの中でも、ついついクスっと笑ってしまったりする(ここは笑うところでいいんだよね⁉︎)。

章が変わるタイミングに出てくるカラーのシーンも、とても漫画的です。
たとえば、登場人物がふと空を見上げて何かに思いを馳せた後、白い雲が浮かぶ中を一羽の鳥が羽を広げて風に乗ってるシーンで終わる…読者はその思いの行き場所をそれぞれの感性で想像することになります。

この映画ではモノクロとカラーの使い分けで、漫画的な〝間〟をより効果的にうまく表現してみせます。
黒木華さんの少し赤らんだ頬やローソクの炎…

背景に白紙部分が多く、人物の線も陰影もそれほど濃くはない叙情的な漫画。
私にはそんな印象の素敵な映画でした。

コメントする 4件)
共感した! 19件)
グレシャムの法則

4.5おきくのせかいのセンス

2023年4月30日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

江戸時代の庶民の暮らしは
先日、仕掛人・藤枝梅安で堪能しましたが

この作品はもっと
庶民というかレベルの低い生活を取り上げておりました

白黒なのも、たくさん出てくるうん○に配慮してなのかな?

シンプルなストーリーで、ちょっと物足りなくも思いましたが

黒木華の魅力が、しっかり伝わってきました

タイトルも途中の章のタイトルも
全部好きです

ちょっとだけカラーになるセンスも

コメントする (0件)
共感した! 11件)
れいん 【観る前にレビューは見ない派】

3.023-059

2023年4月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

クソみたいな青春だなぁ。
今の笑うところだぜ。

黒木華は、
なんとも言い難い美人ですねぇ😊

よく喋る池松壮亮も良きでした。

コメントする (0件)
共感した! 5件)
佐阪航

3.0昔の人は大変だわ。

2023年4月30日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

池松くん、なかなか芝居うまし。華ちゃん、良かったです。江戸時代のウンコ事情。昭和に産まれてよかったよかった。

コメントする (0件)
共感した! 11件)
Cinemaオタク女

3.0ほぼ白黒で良かった・・・けどかなり耐えた

2023年4月30日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

血しぶきは飛び散りませんが、ある意味スプラッターを超える表現だったような気がします。何でこんなクソをずっと描写し続けるのか・・・それに携わる人間模様なのだから仕方ない、丁寧に描写するのは当然、一生懸命理解しようと耐えながら、頑張って見切ったという印象です。
でも、あの描写、かなり悪意がありませんか?と思わないでも・・・
ここ笑うところだぞと何度も言われましたが、個人的にはそんな大笑いするところはなかったと思うのですが、ちょっとした笑いは結構あったと思います。
かなりのインパクトを受けつつ、少しだけ楽しめたと思うのですが、何よりも忍耐を要した作品だったような気がします。

コメントする (0件)
共感した! 6件)
SH

2.0役割

2023年4月30日
Androidアプリから投稿

楽しい

単純

うんこと汚穢屋と恋愛のお話。

江戸のうんこを集めてまわる武蔵国の汚穢屋と彼の相方として働き始めた江戸の長屋で暮らす男、そして長屋で暮らす武士とその娘を軸に章立ててストーリーが展開していくけれど…汚穢屋って金を貰うんじゃなくて払って酌み取るんですね。ちょっと意外。

恋愛映画なのは早々に匂わせて後はひたすら汚穢屋のお仕事をみせる感じ?
確かに少しずつ互いを思う様子は強くなるけれど…。

喉の件は予告編でも散々観ていて既知で、それから何が起きるのか、どうなっていくのかと思っていたが、これと言って見どころとか山場らしいものとかない感じ?

つまらなくはないけれど自分には特に面白さも判らず、ふ〜ん…という印象だった。

バタつくおきくは可愛かった。

章のラストはカラーになるけど、長屋のヤツはちょっとヤバイw

コメントする 4件)
共感した! 30件)
Bacchus

3.5食べ物を買って入らない方が・・・笑

2023年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

私にとって坂本監督に対する印象は、何となくつかみどころがありません。撮っている作品は、硬派でハードボイルドなものが比較的多いですが、最近はユーモラスを盛り込んだドラマ作品も少なくありません。それらは一味変わった独創性を感じるのですが、残念ながらトレーラーで感じた「期待度」は超えてこないことも少なくなく、少々肩透かし感が否めないのです。今作『せかいのおきく』もかなり期待をもって臨みましたが如何に?
作品は章立てに構成されており、基本はモノクロームなのですが、各章の終盤で1シーン色が差されてカラーになったりして、その一瞬に不意にドキッとさせられます。
勿論、モノクロの画だけでも十分な表現力は撮影や、照明の力量を感じます。ひときわ、矢亮(池松壮亮)と中次(寛一郎)のなりわいである「下肥(しもごえ)買い(汚穢屋:おわいや)」という仕事がら、何度も出てくる「う○こ」。特に冒頭一番のシーンの「それのアップ」は美術や録音の仕事がその画に輪を掛けており、観るに堪えないからと多少目を逸らしたところで、それを扱う音がまたえげつなく、しまいにはセリフで「臭い臭い」が連呼されるため、こちらまで臭ってきそう。ちなみにこの作品本編90分と短めですから、食べ物を買って(シアターへ)入らない方がいいかな、と思います(笑)。
また、モノクロで際立つのが何と言っても中次演じる寛一郎さんの「色気」と、おきく演じる黒木華さんの「透明感」ですね。
寛一郎さん、本作では実父である佐藤浩市さんとの共演ですが、演技そのものではまだまだ及ばないものの、彼の色気は若いころの浩市さんを凌いでいるのではないでしょうか。これからが楽しみな俳優の一人です。
そして、黒木さんは揺るぎないですね。恐らくは、監督の想う「おきく像」そのものか、それ以上なのではないかと思うほどで、ややキレキャラだったり、でも時折トキメいたりと、おっとりしていないところが魅力的。貧しいながらも気概をもって生活する長屋の庶民たちに囲まれ、周りに負けないキャラクターで愛されるおきくを一分の違和感もなく演じきっています。
総じて、それなりに映画館で観る価値はあったと思います。が、基本的には小さな話です。例えれば落語みたいな話で、90分とミニマムにまとめていても展開としては正直「やや退屈」かもしれません。むしろ、演技から想像する「(セリフの)行間」や「想い」を汲み取るのに、反芻するがごとく何度か繰り返して鑑賞するとより深く味わえるかもしれません。

コメントする (0件)
共感した! 9件)
TWDera