ナショナル・シアター・ライブ「るつぼ」のレビュー・感想・評価

エンディングが変わるわけではないので、見ると「やめてくれー」となるわけだが、それがわかっていながら、見に行ってしまう。

ストーリーは最終的に
プロクター夫妻の話に終始するのだが、
やはり忘れられないのがアビゲイル。
エリン・ドハティがもう素晴らしくて
本当にアビゲイルをずっと追いかけたくなった。

これ途中からメアリー・ウォーレンを
どちらが攻略するか、というか振り向かせるか
みたいな展開になっていく所が特に面白い。

酷い話なんだけど、
どこかすっきりと終わるのがまた良くて。
どこかへ去っていったアビゲイル、
というのもまた良くて……。

付和雷同と同調圧力。
同調圧力を怖さを感じる。アビゲールが悪女として描かれているが、悪魔は全く別の所に存在している。そう感じる。
アーサー・ミラーはユダヤ系の戯曲家だから、神は死んだって所か？いずれにしても、言い当てている。凄い。