劇場公開日 2023年2月10日

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「共産党万歳なにおいが強かった」崖上のスパイ コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5共産党万歳なにおいが強かった

2023年2月17日
PCから投稿

小蘭役のリウ・ハオツンが可愛い。
『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』の子か。
こんなにアクションできたのね(スタントマンかもしれないけど)。

スリリングでスパイ映画としてのクオリティは高かった。

ただ、旧満州の特務警察で、支局の特務科長までもが満州人で、日本人の姿がほとんどないことに違和感と。
敵と味方の服のデザインがほぼ同じなために、夜の乱戦になると、どっちが優勢なのかわからなくなるのが難でした。

あと、日本の統治自体を悪に描くのは仕方ないし理解できる(というか中国視点だから当たり前と思う)けれども、「中国共産党こそ正義」「偉大な先人のおかげで今がある」といったセリフやテロップから、むしろ当時の日本への批判以上に「今の中国共産党への配慮」「自国や周辺国へのプロパガンダ」を強く感じてしまい、自分の感情が冷えていくことを止められませんでした。
『グレートウォール』や『SHADOW/影武者』みたいに、エンタメに徹してくれたら、楽しめたのに。

今チャン・イーモウ監督が所属してる「楽視影業」を経営する「楽視グループ(ホールディングス)」って、中華人民共和国(人民解放軍)の持ち株会社だから、いろいろ忖度した方が予算確保できるのかな、とか思ってしまいました。

予告編見てたから、「がいじょう」って読めたけど、耳慣れない「崖上」単語をセレクトした、日本の配給側にも疑問を抱いたり。
(「崖の上の」だとポニョっぽくなるか)

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コージィ日本犬