「素人とは思えない出来栄えに驚き」DAICON FILM版 帰ってきたウルトラマン 悶さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0素人とは思えない出来栄えに驚き

2022年12月9日
PCから投稿

【鑑賞のきっかけ】
その存在は知っていたもの、全編を観る機会はないと思っていた本作品が、まさかの動画配信。
怪獣ファンとしては、必見!

【率直な感想】
<高度な映像技術>
1983年制作と言えば、まだ、CGなど影も形もない時代。
ハリウッドでも、1977年制作の「スター・ウォーズ」の成功で、大金をつぎ込んで「特撮」作品を作るようになっていたけれど、まだまだこれから、という時期でした。
因みに、1977年制作の「スター・ウォーズ」第1作は、その後、エピソード4と名付けられ、「CG処理」が施されたものが、現在、DVDや動画配信で出回っているものとなっています(もとのCGなしの映像は観ることができない)。

そういう事実を踏まえて、本作品を観てみると、その映像技術の高さには驚かされますね。
総監督の庵野秀明も、脚本の岡田斗司夫も、映像メディアのプロになっていった訳ですが、その才気は十分に感じられる作品であると言えましょう。

<核攻撃というアイテム>
本作品では、通常兵器が通じない怪獣に、地球防衛軍が核攻撃を計画するという流れですが、ウルトラシリーズで、核攻撃を真正面から取り扱ったものはないと思います。
ウルトラセブンで、1回だけ、核攻撃を行ったことを思わせるエピソードがありますが、「核攻撃」という言葉は使われていませんでした。
そういう意味で画期的であったと言えます。
また、この核攻撃を計画するが…という展開は、「シン・ゴジラ」に取り入れられているので、庵野秀明が「シン・ゴジラ」の脚本を書く際に、本作品の内容が念頭にあったと思われます。

【全体評価】
この作品の最大の特徴は、庵野秀明自身が、素顔のまま、ウルトラマンを演じていることでしょう。
このウルトラマンを演じるというこだわりが実を結び、動画配信が始まっている「シン・ウルトラマン」のエンドロールの中に「モーションアクションアクター」の一人として、庵野秀明の名前が掲げられています。
もちろん、演じたのは、「ウルトラマン」ですよね。

悶