劇場公開日 2022年11月18日

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「ガチの運転&演技にガチのハプニングを内包」ナイトライド 時間は嗤う regencyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ガチの運転&演技にガチのハプニングを内包

2022年10月7日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

単純

興奮

裏社会から足を洗おうとするドラッグディーラーが、車を奔走させながら仲間に電話して窮地を脱しようとする様を、94分間ワンショットという撮影手法で描く。ワンショットといっても完全な一発撮りではなく、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のようにカメラの切り替えし箇所でショットをつなげるやり方で、全編ほぼ車中という構図も既に『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』で試みられているけど、こちらはクライムドラマとしてスリリング要素が高いのが特徴。
また、『オン・ザ・ハイウェイ』ではロー・ローダーというトレーラーに登場⼈物の⾞を乗せてトラックで牽引し、運転しているように見せているのに対し、こちらは本当に運転&演技をしている点がスゴイ。これだけで努力賞をあげたくなる。ただ、車内で繰り広げられる対話劇なので、通話相手が目まぐるしく変わる。誰に電話するのか一応は分かるとはいえ、ちょっとこんがらがる点がある。
中盤の警官から職質されるシーンで警官の顔にモザイクがかけられているのは、演技ならぬガチの職質だったそう。CGで別人に加工できたのかもしれないが、「モザイク入りでもいいからそのまま使ってしまえ!」というスタッフの強引さに潔さを感じる。

余談だが、12月公開の『ワイルド・ロード』が本作とプロットがやたら似ているなと思ったら、同じ脚本家によるものと知って納得。どちらが好みかは観た人次第。

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