劇場公開日 2022年11月4日

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「「あたりまえ」を変える」桜色の風が咲く talkieさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0「あたりまえ」を変える

2023年5月22日
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You Tubeの心理カウンセラーでよく聴いている方のお話に「あたりまえ」を「ありがたい」に変えることが、人生の幸福度を上げるための秘訣だというものがあります。これを思い出しました。評論子は。本作を見終わって。
本作になぞらえると、見えること、聞こえることが「あたりまえ」ということではなくて、見えて、聞こえて「ありがたい」といったところでしょうか。
人間得てして失くしてしまったものの大きさに悲嘆し勝ちですけれども。
しかし、まだ「触覚が残っている」という「ありがたさ」に気づけたからこそ、指点字を発案することができたとは、言えないでしょうか。
とくに「気短か」「せっかち」を地で行くような評論子には、心に沁みた一本になりました。
佳作であったと思います。評論子は。

(追記)
他のレビュアー諸氏も言及していますけれども。評論子も、このお父さんは意外とタダ者ではないように思います。
一見すると、智君のことはお母さんに任せて「我関せず」といった姿勢に徹しているようにも見えますけれども。
しかし、どうしてどうして。
時々ですがブレそうになるお母さんの軌道をちゃんと修正するし、智君の状況や動静にも関心を払うことを怠っていないようです。
むしろ、親はいつまでも面倒を見てやれるわけでもない(当たり前ですが「長幼の序」から言うと、自分の方が確実に早くこの世から消えてなくなる)。
そのことを見据えて、まず自分がしっかりすること。変わったばかりという職場で、むしろ早く一人前としての地歩を固めることが、むしろ智君の生活の安定にとっても必要という信念を揺るがずに堅持すること…。
評論子を含む凡人であれば、ついお母さんと一緒に右往左往してしまい勝ちで、こんなお父さんは、そういないのではないではないかと思いました。
その意味で、とても関心を惹かれました。このお父さんには。評論子は。

talkie