劇場公開日 2023年1月6日

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「多様な出演者陣と巧みに呼吸を合わせてシーンを成立させる役所広司の凄さ」ファミリア 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5多様な出演者陣と巧みに呼吸を合わせてシーンを成立させる役所広司の凄さ

2023年1月31日
PCから投稿

”家族”とは社会の最小単位だとよく言われるが、本作にはそのタイトルが象徴する通り多種多様な家族が登場する。血の繋がった父子、夫婦になろうとしている国籍や肌の色の違う男女、ブラジルからやってきて生き抜こうとする若者、かつて養護施設で育った大人たち、さらにはヤクザや半グレ連中もそれはある意味で家族。そして登場人物の誰もがそれぞれ”愛する者の不在”という心の傷を抱えており、喪った心の欠片を埋め合わせるかのように主人公の陶芸家とブラジル人の若者とが結びついていく過程は静かな見応えを生む。役所広司の役柄は口数こそ少ないが、体に染み付いた陶芸家としての所作の一つ一つが生き様を謳っている。また彼はタイプの異なる俳優たちを繋ぐ結節点のような存在でもあり、名優たちとのシーンはもちろんだが、オーディションで選ばれたブラジル系の若者たちとも絶妙に呼吸を合わせシーンを成立させている点が彼の凄さなのだと思い知った。

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牛津厚信