劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCEのレビュー・感想・評価
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宜野座さんの前髪はいつも長い
急に聖書の言葉がでてきたり、敵の本拠地が北方…アニメ同様、攻殻機動隊っぽさを感じるシーンがちらほらありましたが、それだけ攻殻が影響を与える作品だったんだなと感じながら観ました。
サイコパスには、愛嬌のあるキャラや、分かりやすくカッコいいと思えるキャラがいる分の観やすさもある。
旧来のキャラクターを活躍させながら、アラタの父、ケイの兄のストーリーを2時間のなかに詰め込んでいましたが、キャラ渋滞起こすことなく違和感なく観れました。
ただ、数秒だけ登場する3期の重要キャラもいるので、3期観た後に鑑賞するのがいいかと思います。
あのキャラクターがまさかこんな冒頭で…と、一期のトラウマを彷彿とさせるシーンもありますが、サイコパスのいいところは、ストーリーを展開する上で必要なキャラの扱い(死んだり、しばらく本筋に登場させなかったり)を突き通したり、キャラを固定させすぎないところだなと思いました。
あと、最近のアニメは作画にばかり力が入っていて、作画のすごさを売りに集客してるように感じるときがありますが、サイコパスのアクションシーン、特にナイフとか使ったシーンの作画が人間の動きに忠実な気がして好きです。
アニメ、映画と、ギノさんの髪型にあれだけ変化を持たせるのは、常守ちゃん狡噛さんはじめ、他の主要キャラの外見に大きな変化を持たせかれないからなのか…
相変わらず前髪はちょっと邪魔そうでした。笑
そして、しれっとギノさん達に再会できる狡噛さんて
鬼のメンタル。
最後の狡噛さんのセリフ、3期の最終回につながり感動しました。
手紙
自分の気持ちを
この人にはわかって欲しい。
そんな時に
人は手紙を書きます。
劇場に入る時にもらった手紙。
何だこれ?
とにかく人が
たくさん死にます。
何かを成し遂げるには
死が 最上級なんだろう
電脳化により境界線が
虚ろに感じるようになります。
忘れたよ!
テレビ版や劇場版から年月が経ちすぎて内容を覚えて無いね。
覚えて無いからこの映画もイマイチ楽しめなかった。
映像的にも特別綺麗でも無いし、なんならセリフと口の動きが合ってない所もみられて、今どきの作品にしてはちょっとなぁ。
今までのストーリーを覚えている人は楽しめるかな。
ドミネーターの活躍がもっと見たかった。
ドミネーターを撃って人が破裂して死ぬのがこの作品のウリだと思うんだけど、マシンガンや拳銃で撃ち合ってたらどこにでもあるアニメだよ。
久しぶりに凛として時雨が聴けたのは嬉しい。
そうだったのか。
PSYCHO-PASS、このアニメが始まった10年前はまだ遠いミライで、アニメの世界に過ぎなかった。
人が思い描くことができることはたいてい実現可能といわれるとおり、世の中は思ったより速く変化していると思う。
PSYCHO-PASSでは人の感情や心理状態が数値で表され機械に最適な解を導くことを全面的に委ねている。
正義か真実か。正義は「側」によって揺らぐし、真実は「人」によって揺らぐと思う。その揺らぎこそが人、たらしめるもの、本質のような気がしてます。反していろいろなことを二者択一で考えられるのがシステム。それを丸呑みできる人とできない人。私はできない側なので、あかねちゃん達と同じスタンスでストーリーを楽しんできた。
今回はその流れの中で??だったところを美しく回収してくれたので本当に良かった。
アキラ・イグナトフの闘う姿に涙がとまらなかった。機械には哀しみはないのだろうし。
アニメの世界に過ぎなかったAIと寄り添う世界が身近になってきたのでますますPSYCHO-PASSが面白くなると思うので早く4期がみたい。
個人的にはとにかく法斑静火が気になるし。あかねちゃんがどんな真実をみてどんな正義を貫くのか見守りたい。
今年5月に東大法学部がAI法廷の模擬裁判、裁判官が人間ではなく機械たったら?民主主義を支える三権の一つ司法権をAIに委ねるべきか?そんな問題提起の機会だった。開催した東大の人たちもPSYCHO-PASS観てるのかな?アニメの世界をそのまま現実にあてはめてしまう人もいそう。怖い怖い。それくらいじっくりつくられた映画でした。
私はもちろんアニメとして楽しみました!
SFサスペンスアニメとして至高の仕上がり
正直、アマプラで劇場版(第1作)のみを鑑賞した程度で、「にわか」な自分が楽しめるかどうかドキドキしましたが、シビュラシステムが法律に代わるものかどうか問われる問題は今現在のAI問題と重なる部分がとても興味深かった。
ほかにも外務省とその他の省庁の管轄問題や、政府が管理していた組織が反旗を翻して独立国家を設立するなど飽きない展開で満足。
アニメーションの描写がキメ細かく、実写がアニメになったようで表情やしぐさがキャラクターの心理状態をわかりやすく表していた。
SFアニメでありながら、人情や葛藤が色濃く描かれた作品でした。
結論として集大成とはどうしても感じられませんでした。 かろうじて今...
結論として集大成とはどうしても感じられませんでした。
かろうじて今作は脚本が変わった一期以降の作品に比べてストーリー描写とキャラ描写のバランスが取れている方、だと感じました。三期への整合性も一応は辻褄が合うストーリーになっていて繋ぎの役割を果たす形にはなっている。映像は勿論、キャスト陣の素晴らしい演技やPSYCHO-PASSといえばの主題歌陣も良かったです。更に今回轟音上映での鑑賞だったため臨場感も凄く、その点が1番劇場で観て良かった点でした。
ですがシリーズとしての統合性が薄くなって来ている点、繋げる為とはいえあまりにも特例・ご都合主義的設定、それによる既存設定とのズレ、キャラクターをストーリー進行の為に動かしているせいでブレが生じている点において、正直許容出来ませんでした。
劇中台詞に”変わらないものなんて無い”とありましたが脚本が変わってからのPSYCHO-PASSは良き流れの変化とは感じられませんでした。
今回でなんとか三期までの道筋を繋ぎ、そろそろ本当に終わりが見えてきたと感じています。正直一期以降のTVシリーズはダラダラと続いていた感が拭えないのでいっそ次回でスパッと終わらせて欲しいと思いました。欲を言えばそれこそ伝説の一期スタッフに手掛けて欲しい感はありますが、ここまで変質してしまったストーリーを纏めるのはやはり無理なのかなとも思っています。とはいえ10年追ってきた愛着ある作品なので最後まで見届けたいです。
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▽▽▽以下個人的に思うところ。
やはり脚本が合わないなぁと感じた。正直虚淵さんと冲方さんではストーリーの方向性が全く違うと思うので何故二期からの後継脚本のメインに冲方さんを据えたのかが本当に謎。一期から参加している深見さんを主軸にサポーター的存在として入れた方が良かったのではと今でも思う。
そしてストーリー進行としてのキャラクターの使い方が本当に納得出来ない。ストーリー描写・キャラ描写のバランスが悪すぎる。最早進行の為にキャラを無理矢理ねじ込んで動かしている。必要性を感じない退場、掘り下げのない重要キャラ、毎度の宜野座の特に意味のない髪型の変化もキャラで遊んでいるようで最早不愉快に近い。(宜野座の目元のコンプレックスは克服された筈なのにあんなにもダラダラ伸ばしていく理由が分からない。)そして何よりキャラのブレの酷さ。霜月はともかく主人公である常守の今回の末路は物凄くショックだった。過程でも所々違和感があったが何よりかつての宿敵、槙島と同じ手段を取ってしまう展開に持っていってしまったのが本当に本当に残念。ラストの一期をなぞった狡噛に当てての手紙のシーンもこんな形でなぞって欲しくはなかった。
数少ない納得出来た点と言えば前作SS3で狡噛がアッサリ帰ってきた展開にモヤモヤしていたが今作でその答えを一応得る事が出来た点、ドミネーターを使用するもやはり銃を使う狡噛のなぁなぁに帰ってきた訳ではないというシーンなど深見さんがキッチリ書いてくれたんだなと分かる点だけだった。
このシリーズは、今作で見るのを最後にします。
サイコパス1期はとても面白かった。
なぜあれが面白かったのかというと、人間ドラマとその間に垣間見える思想や哲学とのバランスが奇跡的に良かったからなのだと、今作を見て改めて実感した。
この作品については、人間ドラマは非常に薄っぺらく、ほぼ無いに等しい。
じゃあ思想的な部分が充実しているかというと全然そうでもなく、小難しい論理を並べ立てただけのSFディストピア映画にしか見えず、例えばジョージオーウェルの1984のようなディストピアでありながらも壮大な哲学に触れるような知的好奇心を掻き立てられることも全くない。
一期の面白さをちょっと期待していたので当然残念だったし、途中で時計をチラチラ見て早く終わらないかなと思った始末だったので、相当に面白くなかったのだと思う。
もうこのシリーズはこれで見限ることになりそう。
あと最初に出てくる導入の文。文字数と漢字が多いわりに瞬く間に消えるから全く読み終えられなかった。あれ、読み終えられる人いるのかな?
共感できない作品です
各キャラが選択したことに共感できなかった、理解できなかったと意見も多いが、そもそも共感できないことは当たり前ではないか。逆に、共感できたとしたら、それは理解した気になっているだけではないか?
なぜなら、それを実際に経験したことはないのだから。
あるキャラが、時代が変われば正解も変わるといった。今の判断が正しい自分の意見であると思っていても、いつの日にかは意見が変わっているかもしれない。
雑賀先生も言っていたように、別の角度からしか見えない世界はあるのだと思う。
だから、共感できないというような意見がでている時点で、本作のテーマの1つである法の秩序(議論)が必要ということが立証されているのではないかという気さえする。
正解ではなく、真実は何かを今一度問おうてくれる良作
ぜひ、シーズン4作ってほしい。と強く強く思いました。
過去の作品を復習せずに、観に行ったが、全部復習しておけば良かったと反省。これから見る方は、しっかり復讐していくと良いと思いますよ。それにより、深く入り込めると思います。
今までも「正義」の在り方、シュビラ システムを通して「法」とは?「裁き」とは?について描いてこられたと、個人的に認識してるのですが、本作が、一番色濃く出ているように思えました。
シーズン1では免罪体質、シーズン2では集合体、シーズン3では無意識で行われる犯罪と、デバッグ環境の存在。このあと、何が出てくるの?と思ってたら、やっぱり、別のシステムだった。(この国には、どんだけ、シュビラ的な環境があるのだ(笑))
何のかんのシュビラ システムは update され、どんどん頭?が良くなっていて、もはや「穴」はないのではないかと思いますが、個人的にシーズン4を作ってほしいと思います。
※
シーズン3の初めの方に出てくる、灼が緑色の車に乗ってるシーンで流れていたラジオ。
あれもずっと気になっていたんだけど、今回のラストをみて、納得した。
そして、常守さんがあの部屋に監禁されることに、
ずっと違和感があったのだが、まさか、そんな経緯があったとは・・・・。
個人的にとても好きなキャラ、声だったので、とても残念でならない。
また近しいキャラが登場して、視聴者の犯罪係数を上げてい欲しいです。
「ただ観察しただけさ。人は無意識の内に、さまざまなサインを発している。コツさえ覚えれば、簡単にそのサインを読み取れる」
節目
残念な意味で期待を裏切られました。
常守のやった事は間違いなくテロ行為で、それを肯定せざるを得ないとするような脚本演出に萎えた。
突然思わぬ形で父を失った灼に掛けた言葉や、狡噛に貴方のおかげでテロ行為をする決心が着いたと取れる内容の手紙を送る振る舞いにも正直引いてしまったので、最後の号泣シーンも見ていて胸を打つどころかしらけてしまいました。
(声優さんのお芝居が悪い訳ではないです)
後に結局放免される事が分かっているのもありますが…。
狡噛が人を殺める事についてだけ言及したり、謝って欲しかっただけなのに…と言うのも謎。謝罪の必要ある?なんか今回女の嫌な所見せられてると感じるシーンが多くてそれもキツかった。
今作で雑賀先生の最期が描かれるだろうとは思っていましたが、常守の悲劇の積立貯金のために退場させられた感が否めなかったのも辛い。
狡噛がドミネーター使えたり宜野座が監視対象解除されて捜査の指揮を取れるっていうのも随分都合の良い設定だな…と思いました。
執行官、潜在犯、逃亡犯、初期の頃にあった其々が背負う制約や重みが軽くなってしまった気がして。
甲斐や矢吹、砺波の描写も不十分で分かりにくい。
特に砺波は敵役としてシンプルに魅力が無かった。
戦闘シーンも場所を変え何度もある割には薄味というか印象に残らないというか…リアリティを求めた結果、アニメならではの迫力や面白味に欠けてしまったように思います。
2時間に収めるために色々削ったようなので、キャラクターの背景や心理描写不足はその辺の影響もあるのかなと思いますが…
常守は自分の信念の為なら周りへの影響を鑑みない共感性の欠けたエゴイストに見えたし、狡噛と宜野座は常守を指針にして盲信する、確固たる信念は特にない大人達にしか見えなかった。
大好きなキャラだったはずなのに全然共感出来ないし、人として格好いいとも思えなかった事が悲しい。
FI以降の話が今後展開があるのか知りませんが、集大成として提示された物がこれだったと言う事は、自分はもうお呼びでない客なんだろうなと思います。
ある意味節目となりました。
3期は微妙だったけどSS3部作は面白かっただけに少し期待していましたが残念です。
何回も観ないと分からない作品と何回も観たくなる作品は全く違うものですよ。
須郷と花城は新たな一面が見られて良かった。
あと音楽と声優さんのお芝居と一部の作画は大変満足のいくものでした。
PSYCHO-PASSシリーズとしては楽しめる作品
サイコパスシリーズの新作で、TVシリーズで言うと2と3の間のお話。
目新しいストーリー展開ではなかったですが、良くも悪くもPSYCHO-PASSシリーズの作品として楽しめました。
サブタイトルにあるプロビデンスはキリスト教用語ですね。日本語訳では摂理ですが、さっぱり意味がわかりません。大雑把にいうと「神は全てを予見している」という感じ?
PSYCHO-PASSの世界における神はシビュラ。その神に愛されたのが慎導篤志本部長。シビュラによる神の国の建設のため、手を汚してきた慎導の人生の清算が、本作のメインプロットなのだろうな〜と思います。もう少し慎導と雑賀、トナミあたりが、シビュラ創世期に取り組んだ、後ろ暗い過去を前にもってくると、厚みのある話になったのですがね〜。
ドミネーターを捨てて実弾戦に振り切っていましたね。「出島」に「北端」って、設定も思いっきり「攻殻機動隊のパクリですが、何か?」と開き直りました。犯罪係数で裁けない、という大きな設定も「脳内チップ」でスルー。最後には常守朱自身が「は?私も免罪体質でよくない?」ってか、、、でも、SFなんぞ長く続ければ設定に矛盾が出てくるもので、そこをツッコんでも楽しめない。だから、これはこれで良い。
常守朱がヒロインで彼女が魅力的に描けていた部分は良かったです。狡噛との「互いに謝らない電話」のシーンなんか、萌えました〜。
PSYCHO-PASSは大好きなシリーズです。が、やっぱ最初のシーズンの斬新さがベストでしたね。だいたいが警察って設定は「状況を作れない」もの。やっぱパトレーバーぐらいの長さが限界だし、それで良いのかな、と。
ベース以外納得の作品
相変わらずきれいな映像だし、キャラが活き活きしているし、音はきれいで迫力、アクションもワクワクドキドキする、いつもの、いや、いつも以上のPSYCHO-PASSが観られてよかったです。荒波に大揺れする船って乗り込むとかけ出せるのって不思議ですよね、ってこと以外ね。この作品が初見でも面白いと思います。続きが気になります。
で、なんで星一つなのか、ですが、この作品での基本テーマがひどいというか短絡というか何も考えてないだろ、最低限の考証くらいしろよ、ということだからです。法理論、法制史、システム論、くらいは踏まえてくれ、と、自分には引っかかりが大きくストレスがかかりました。なので、本作のラストは白けてました。必要ないことやっとるわ、って。
3から繋がる至極の完結編!
今観てきた!これは凄い!これ以上ない完結編!
興奮が冷めないうちに殴り書きしておく!
シリーズを見続けて本当に良かった。
粒揃いのここ最近のアニメ映画の中でも圧倒的な完成度!
作り手の皆様に感謝しかないです。本当にありがとう。
この映画の時系列は3の直前ですが、3の完結篇であり事実上のシリーズ完結篇。
2-3のミッシングリンクと、3で大量に残された伏線が一気に回収されるシナリオは本当に圧巻!
劇的に変化する状況で観客を圧倒しながら、朱と狡噛、お馴染みの登場人物も丁寧に描いていて終始目が離せない。
勿論映画ならでは圧巻のクオリティの作画と戦闘シーンも凄まじい。
3はそれ自体できちんと完結しているが、映画のことまで考えて3のシナリオ作ってたのかと思うと本当に恐れ入る。
3で残された主な伏線
・Peace Breakerとは
・イグナトフの兄の行方
・進藤父の死の謎
・進藤と炯が公安に入るきっかけ
・そして常守朱収監の理由
全てこの映画で明かされる!
暫くFODでしか観れなかった作品も、今ならprimeビデオで全て観れるから復習も余裕!
今回Live Zoundで鑑賞したが、戦闘シーンの銃声や爆撃音の臨場感が半端ない!これは家庭の環境では再現不可能なので、是非音響のいい劇場で観てほしい。
というわけでファンの人も、一度離れてしまったファンも皆劇場で観てくれー!頼むよー!
私たちの雑賀先生を返してください
アニメをリアタイで見ていたファンです。
期待通り、全員集合のどったんバッタン、とても楽しかったです。
アニメ新シリーズへの期待が膨らみました。
ただ、もう雑賀先生が登場しないのがとても悲しいです。
PSYCHO-PASSシリーズの中でもチート的な存在だったので、雑賀先生が登場するとご都合主義的に解決へのヒントが出てくる、といった展開がなくなるのでしょうか、、、
ただ、その代わりにご都合主義の何者でもないメンタルトレースの登場が多くなるのかと思うと、少し残念です。
何はともあれ、次回に期待!
最後に戻れてよかった、宜野座の髪だけでも
2回も観て悲しみだけが沈澱してくる。
何よりもTVアニメと比べてあまりにも失いモノが多すぎる。
慎導篤志、輝、
そして雑賀先生までその惨敗で終わったどうでもいい計画の犠牲になるなんて。
世界観が壮大になった分、一係は一期ニ期のレールから完全に踏み外してドミネーターを手放したりするし、常守は狡噛に謝ってもらうどころか、狡噛のにのまいを踏んだ感覚しかなかった。
結局登場人物それぞれはシビュラの絶対的な支配下ではやってられなかった、それぞれ自分の正義を代償を払うまで貫いた..
暴力で暴力を裁くという、
今まで一期の狡噛は裁くべき対象として記述されることが多いが、本作では何故常守の最後の「暴力」によって合理化されそうと感じるのが最も悲しい。
この点では原点回帰というか、スケールも次元も違いすぎてエンディングがとうとう一期ファンの理想から遠ざかっていく気分。
暴力とはいえ、法の存続に関して議論し続けることの重要性を意識させた点が良かった。特にAIの時代、人間はどうしても利便性のある権威的なモノを頼りにしがちだが、物語は絶対的秩序への追求に対する手抜き行為にアラームをつけた気がするし、人間の価値への再検討を喚起した。
ただ三期がすでに出ているものの、これからどうなるだろうと気になってしょうがない。
ストーリーが一方通行すぎて、今以上元一係が恋しくなりそるだろうし、シビュラのバグや限界が今以上見えてきて納得にいけるシステムの進化と世界線の収束が難しそう。
加えていろんな課題が現実になりつつであり、それと対面しなければならないこれからのシナリオ作りが大変そう。
様々な要素が入ってて製作者の思い入れの詰まった映画だが、バラバラになったメンバー、バラバラとなったテーマ....せめて宜野座の髪の毛だけもう三期のままにキープしない?
良い繋ぎ
二期と三期の間の話ということで、ある程度謎は解けたかな、という。
話としては、まぁ繋ぎ、という感じ。
エンタメとしては良い出来かと。
話自体の大きな破綻はなく、間を埋めるためによく作ったな、と。
サイコパスらしい話。
なんか近未来で起こり得そうな展開ではあるよね。SF映画とかでもこんな話があった様な。
それよりもライトでディストピアまで行ききってない世界。
だからこそ、人が介入するか否かの議論が生まれてくる。
どうなのかはあまり知識も無いのでわかりませんが、一個人としては、人が介入すること自体はその通りだと思う。
常守の最後の行動は時間がない中での最終手段だよね。
賛否ありそうだけど、それしか無いならしょうがないのかねぇ。
…見直すか…
ちぐはぐ
作品全体のクオリティはほどほどと言うか、これまでと違いがあまり感じられない、ある意味ファンの要望には答えるが、新鮮さは感じられない。
物語自体は、サイコパスシリーズのミッシングリンク部分を描く。そのため、新規の観客は対象外。
今回、常守朱は人間による法治に拘る。これまでもその素振りは見せていたとは思うが、理由がいまいち分からない。
口ではシビュラシステムの有用性を認めていると言っているのに、なぜ法を重要視するのか?
そして、やることなすことがちぐはぐだ。
最後の作戦では、銃武装の敵対勢力に対し、ドミネーターしか使わず正当性のある執行を行うことを宣言するが、それも結局は法治ではなくシビュラの判定に委ねているだけである。現に敵基地でシビュラとのアクセスを確保することがメインミッションだ。
しかし、物語最後には局長を式典で殺害し、免罪体質を公のものとして、シビュラでは裁けない犯罪者が存在することを明らかにし法務省解体と法律撤廃に待ったをかける。。。
これを見ても、ちぐはぐだ。
そもそも免罪体質の犯罪者はシビュラに取り込まれて潜在犯の対象を拡張しつづけることで、その欠点を補うことは常守自身がよく知っているはずだ。
そして、やはり影響というか、イノセンスのエッセンスが多過ぎるわりに浅い物語なので(逆にイノセンスは、哲学的で作家性が強すぎて、人気はないが。。。)、比較すると劣化してみえる。。。
たとえば祭りのシーン。
押井守には理由があったが、この作品のあのシーンに理由は感じられない。
この辺りも、好きなものを入れ込んだ挙げ句ちぐはぐに見えてしまう。
この作品を見ていて思ったのは、ドラマチックなエンタメSFかつ壮大な芸術性のある作品を作ろうとして、こねくりまわした結果できたそれっぽい何か。残念だが何物にもならなかった。
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