劇場公開日 2023年2月23日

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「令和のフーテンの寅」ちひろさん シューテツさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5令和のフーテンの寅

2023年2月27日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

今泉力哉監督もNetflixで映画を撮り出したよ。今、映画館でも上映しているようですが、私は家で観させて貰いました。
コミックが原作という事らしいですが、未読での鑑賞です。
今泉監督も主演の有村架純も今一番脂が乗ってる時期なので、どう考えても駄作にはならない筈と思いながらも、あまり期待し過ぎてノレなかったら困るので淡々とした気持ちで鑑賞しましたが、思いのほか良かったです。
しかし本作、かなりの曲者作品ですよ。一筋縄ではいかない作品と言った方が良いのかな。
モノには何にでも“表裏”があり、更に分かり易い表裏と分かり難い表裏があり、更に表裏が見える人と見えない人がいて、本作などはとても複雑な表裏がありました。
それに気づかない人は表面だけを見て「良い映画だったなぁ」と思った人が沢山いると思います。(それはそれでいいんだけどね)
でも、裏側も少し覗いてみようと思ったとたんかなり厄介な作品である事に気づくのではないかなぁ~。その事を話し出すと長くなるのでここでは止めますが、そういう種類の作品の様に思います。
表面だけを眺めているとまるで令和の『男はつらいよ』シリーズの様な趣があります。というか、完全にあのシリーズの構造を意識して作られていましたね。
主人公のちひろはまるで寅さんとマンドンナを両方一緒にしたようなキャラで、周りの人に影響を与えながらラストに去っていく。それだけを見ているとホント楽で良い映画なんですよ。
しかしちひろの内面を少しでも覗き見ようとすると、色々な闇(病み)が蠢いているのが垣間見えるので敢えて見ない方が良いのかも知れませんけどね。

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シューテツ