配信開始日 2022年9月28日

「私が麻痺しているのか、衝撃も動揺も小さかった」ブロンド とびこがれさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5私が麻痺しているのか、衝撃も動揺も小さかった

2023年1月11日
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鑑賞方法:VOD

興奮

 モンローの映画は「七年目の浮気」しか観たことがないものです。幼少期から始まり、実在の人物と関係して進んでいくので伝記ものかと思いましたが、いろいろな方のレビューを観ているとどうやら史実とは大幅に異なるようで、思い違いをしなくてよかったです。
 私は「悩ましい」という表現をしようと感じた女性はあとにもさきにもモンローだけでしたが、その目を奪われる魅惑がアナ・デ・アルマスからもわき出ていました。すごい。
 正直に申し上げて、この映画をNetflixで自室でただ一人観ている時、アナ・デ・アルマスが胸を露出させたり口淫の描写が映ると、性的に興奮しました。それこそ鑑賞を続けられないほどに。これは搾取なのでしょうか。ちゃんと感情移入していれば興奮なんてしないでしょ!と怒られるんですか私は。一方誰でも見れる映画ドットコムに興奮しましたと書き込む行為は糾弾されて然るべきと思います。
 スポットライトの下で輝くスターは、本当の自分と乖離して苦しみ、実は皆が思うような幸せの絶頂ではないのだという話は既に一般論となりつつあると思います。この映画を観て、ああ、モンローもそうだったんだ(なかでも壮絶だとは思います)と思いましたが、麻痺し堕落しきった私の心は「まあ時代も時代だしそんなもんなのかな」と衝撃もなしでした。というか全てがおかしい現代で「こんなのおかしい」と言うのも疲れてきました。
 メディアでセクシーな衣装を着て笑顔を振り撒き、それを見た男子がポスターを部屋の壁に貼るようなスターって、現代にはいませんよね。風紀を乱す、とか言われるんでしょうか。けどエロい目で見られるのではなく、エロい目で見させて魅了するモンローには憧れてしまいます。心ない男は今も昔も多いどころか増えてきてるように感じますが、数多の苦しみのなかにありながら70年後も残っている映画で日本男子を魅了し、その髪型や顔や身体を脳裏に焼きつけるモンローを愛し、尊敬します。

とびこがれ