劇場公開日 2023年1月20日

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「四谷のエロ系出版社というと…」グッドバイ、バッドマガジンズ ジョンスペさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5四谷のエロ系出版社というと…

2023年1月31日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

楽しい

本作は事実を基にしているが一部脚色している、といったテロップが最後に出る。会社の規模や取り扱うジャンルにより異なることも多いため、どこからどこまでが…とは言いづらいけど、自分も業界の端っこに棲息する人間なので、内情としてはリアルな描写も多く、身につまされるところもあった。撮影や演出は慣れた手つきで、たくさん★を付けたものの、ホントにおもしろいのかどうか冷静には判断しづらい。

エロ本業界ものとしては、全然内容覚えてないけど、末井昭の自叙伝を映画化した素敵なダイナマイトスキャンダルを同じテアトル新宿で数年前に観たが、あれは80年代のエロ本文化輝かしい?時代の話。こちらはコンビニからのエロ本撤去問題を絡める設定上、2018年からの話になっているけど、実際には雑誌自体はもっと前からオワコンになっていて、エロ本はさらにずっと以前からだ。

エロ本文化がなくならないでほしいというコメントが散見されるが、そういう人はもうエロ本買わないし、そもそも若い女性がレジ打ってる駅前の大型書店ではなく、商店街の隅でジジイが店番の本屋でみなエロ本を買っていた事実を出すまでもなく、人目に触れずいくらでも画像や漫画、動画が入手できるインターネットとエロとの高い親和性の前に、時代が後戻りすることは絶対ない。ネットができない高齢男性がエロ本の読者なのはまさに本作の通りだ。

そんなわけで業界もの・お仕事ものとしては個人的に楽しめたのだが、落ちてゆく状況の表面的描写の羅列にすぎなくもなく、終盤、なんでSEXするのか?のテツガク的課題が急に湧き上がるのは、強引にテーマをぶち込んできた感じでやや唐突感。もしや、最後の最後に詩織が向井とめっちゃ激しい濡れ場を演じて、男性観客を心からエロい気分にさせ、エロ本編集者の真髄を極めるというメタ的展開?と期待したのだが違った。本作PG12だった。残念。

その代わり、序盤からこの人ヤバいよヤバいよ〜という向井妻が狂気に走ったオチをつけてくれて、あの夫婦関係でこの先どうなっちゃうんだろう?というモヤモヤが晴れて安心した。

ジョンスペ
満塁本塁打さんのコメント
2023年2月17日

返信ありがとうございました😊😭。銀行員・・作家は個人的に体が拒絶反応です。とにかく次作の予告編がしつこいしつこい。それに比して、エロは永遠に不滅です。銀行員よりエロの方が世の中に貢献しています。激しく同意です。エロは エセと個人的に思うエリート主義 より爽やかです。ありがとうございました😭。

満塁本塁打
満塁本塁打さんのコメント
2023年2月16日

どんな職業もそうですが、出版業界は経験者でないとこの作品がリアルかどうかわからないですよねぇ。エロ本が従前からオワコンなのは明白で、ネットでいくらでも行けますからね。ただ電子版にせよエロは必要なのでAV DVD以外にも、動画でない固定的なエロの需要は無くならないかなとドシロウト的に思います。紙は絶滅必至ですけれども。勉強になります。他作バビロンへのイイねありがとうございました😊。

満塁本塁打