劇場公開日 2023年1月27日

  • 予告編を見る

「安藤忠雄なら間に合う!」金の国 水の国 N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0安藤忠雄なら間に合う!

2024年3月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

幸せ

原作未読。

二国の争いが舞台なるも、チャンバラ活劇にはあらず。
政治を主としたお見事展開だった。
そこにロマンスも絡む。

が、このロマンス、こってり「君のために」な狭い世界の話ではない。
終始すると陳腐になりがちだが、男主人公の行動原理は自国を思うからこそ相手国との共存を目指すところも大きく、恋にのぼせた夢うつつには終わらないのだ。横たわるこの現実味が共感度を高めてくれた。
世のため仕事も、一方で恋愛も。
両方成し得る。
これぞ男のロマンか。
できる男ナラン、まじカッコイイ。
こう言うカッコよさはあまり見ないため、眼福である。

どのキャラクターも存在感があり、スピンオフが作れそうなほど魅力的だ。
理由として、アテ書きでは? と思える顔がチラチラ。
例えば建築家は安藤忠雄で、お姉さまは叶恭子とか。
それはそれでハマリすぎだ。
実写版、望む。
声優陣もとても耳に心地よかった。
作画も美しいがここも大きい。

二時間に押し込んだが、前後編でもっと濃く作り込んでも耐性ありそうだと思え、ちょっと残念。
世の中、物々しいだけに、こん具合に清潔感漂う胸のすく展開が訪れればいいのに。
思わずにはおれない本作だった。

N.river