カラオケ行こ!のレビュー・感想・評価
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ほんまは、観るつもりなかった。
妻のパート先のおばちゃんが、いいよって。
イオン四條畷でやってたんで行きました。
感じでてました。ヤクザと中学生
合宿部や映画観る同好会とか、カサブランカやってましたね。いや!紅よかった!
面白かったよ!
よかった
原作を読んでとても面白かったので映画化されてうれしかったです。
原作と映画で違う味わい、面白さがあって
両方体験出来てよりよかったです。
聡美くんや綾野剛さんのやり取りがまた味わい深かった!
中学生のキラキラや拗らせ部分が出ていたし、狂児とのやりとりの中で
優しさにふれたりして、ゆるやかに成長していく姿も見られた気がします。
カラオケでみんなが聡美くんにアドバイスをもらうため次々と歌うシーンはすごく
笑えました。
でも最後の聡美くんの歌は感動でした。
狂児てめこら
なに、聡実くんに連絡取ろうとしてんねん。(ラスト)
いや、まぁ仕方ないか。
狂児、聡実くんのこと、好きすぎるもんな。
憧れとかもあるんだろうな。
逆に三年も我慢できて、超偉い。偉すぎる。聡実くん逃げて 。
と、思うなどしました。
懐いてるのが分かるしさー
大型犬っぽいアホさがかわいいしさー
そのくせ強いは強いしさー
会話もある程度通じちゃうしさー
無下に出来んよな。聡実くんも。
でもさー。
狂児の方から手を引くべきでは?と、
いや、狂児が手を引くのは無理でしょ憧れが強すぎる。聡実くんが、キッチリ逃げるべき。
って言ってる自分が、脳内で喧嘩してる。
笑ったし泣いたし大変でした。
いや、うん。聡実くんはちゃんと狂児の思い出(名刺)を胸に持ち、健全に生きて…行けるのか?
狂児が大型犬過ぎてズルズル会っちゃわない???
無事で済む?????
エーン
感情だけで感想を言うなら、狂児にまた会ってあげて欲しいけど、
冷静な自分は大人になって、距離を取るのが一番安全と思う。って言ってる。
でも大人冷静な聡実くんを画面で観たら、絶対哀しくて泣いちゃう…。
というのを、
子どもの頃、近所に住んでたヤクザの兄ちゃんが、土佐犬触らしてくれたのを思い出しながら思いました。
非日常と日常を楽しめるほっこり作品😊
中学生の聡美くんが大人びていて可愛い!でも親に反抗、ヤクザにビビるなど年相応の面も見せてくれます😆綾野剛は終始カッコ良すぎる!聡美くんが心を許す気持ちも分かります。終盤衝撃を受けましたが、結果的にはとてもハートフルに終わってくれました…!声を枯らして歌う聡美くん、最後の狂児には注目です!
聡実くんの魂の紅熱唱は必聴!
大阪が舞台の笑いあふれるファンタジーとして鑑賞。
めちゃめちゃ笑って泣いて、楽しめましたー!
撮影地、行ってみたくなりました。
子どもをふたり育てた身としては、「知らない人についていってはいけません!」と声を大にして言いたい。
車やカラオケなど、密室にふたりきりって、何されても文句言えないからね。
けれど、聡実くんにとって、家庭でも学校でもない、ただ自分を必要としてくれる人って、大きな意味があったんだろうな。
まあ、こんなほのぼのした反社会勢力はいないので、そこがファンタジーなのですが。
で、最後狂児生きてるし(*^^*)
大阪のノリで思いっきり笑って泣いて、いい映画だった。
綾野剛のスタイルは人間離れしているし、齋藤潤くんは今後が楽しみだ!
中学生とヤクザ
声変わり最中の合唱部部長の中学生がヤクザに歌を教える話
X JAPANの紅が印象的で自分ができることと自分がしたいことの間を揺れ動く
とてもエモい作品。エモエモのエモ
平和的で笑える
役者にノイズがある
テンポ
ほぼ原作通りで、大変好感が持てる仕上がりでした。
ただ、和山さんの漫画の持つ独特の間、面白みは描けているとは言い難く、他の方のレビューで笑いが起こったと書いてらっしゃいましたが、私の行った映画館では入りも良かったのに、笑いは起こりませんでした。
残念なのは、全体に話の展開のテンポが悪く、ダラダラした印象は否めません。原作にない映画同好会はなくても良かったのでは…。100分を越えるためなら、もっと音楽のシーンを増やしても良かったかもしれません。
すみません。ちょっと貶しましたが、それでも綾野剛さんと斎藤さんのお二人の演技は素晴らしいものがあります。
聡実くんになり切った斎藤君は、聞けば本当に変声期なのだとか。
最後の紅は、変声期の彼なりに精一杯歌っています!
あと、原作読んでたので、狂児は死んでないと分かってはいたのですが、歌の途中でなく、漫画通り全部歌い終わってから出できて欲しかったなあ。
ラストのlittle glee monsterの紅はとても良かった。
シラケた中学生の本気の叫び!
事前情報は2点だけ。レビュー評価点が高い。脚本が野木亜希子であるということ。
「セクシー田中さん」原作者の自殺問題から、数々の作家が声を上げています。その中で、以前から原作者からの評価も高かったという野木さんに改めて注目しました。
「シラケた」というのは死語かも知れませんが、まさに主人公はそんな少年・聡美。
何事にも本気で向き合えず、俯瞰で見ている。
・現実の家庭生活、合唱部。
・非現実の映画研究会、ヤクザの綾野剛へのカラオケ指導。
そんな中、合唱部の発表会に向かうバスの中で綾野剛の車がぶつけられ救急車で運ばれるのを目撃する。
発表会もそこそこに、ヤクザのカラオケ大会で本気の怒り!叫び!!
それを見せるための107分の映画だと思います。よくできてます!
綾野・脚長・剛
原作も好きなので、映画とても楽しみにしてました!
狂児のおどけ具合とか、聡実君の冷めたところとか、あ〜そうそうこの二人〜!となってました。
聡実君は案外口が悪い😂
成長期に揺れる聡実君、良いわ〜映画部も良いわ〜あれで客観的に自分の状況を見る、というの分かりやすかったです。
聡実くんのご両親、特にお父さんが良いキャラしてました。台詞一つ二つしかなかったのに、良いお父さんだと分かりました。聡実君が無碍に出来ないところも良い。
祭林組の面々が歌うところも楽しかった〜チャンス大城は座王で歌ネタ超得意なのを知ってるので、そんな使い方するのかと笑いました。
笑いところも多くて良かったし、原作を読んでるからオチもちゃんと分かってるんですけど、聡実の渾身の鎮魂歌良かった。最後のソプラノが終わるところ、ジーンとしました。
楽しく観ていました。良い映画でした。
丁寧に作られた映画でした
良い映画は全てに必然性がある。たとえ非合理でも必然性があると思っている。設定がつめられ、丁寧に伏線が回収され、若しくはそれらを全て超越する世界観が示され、無条件に納得させられる。
本作は、小さな世界でもあり得ない展開が続くが、何故か納得させられる。それは監督が作品の世界観を大切にし、スタッフや出演者がそれを共有してベストを尽くしてるからだと思う。
主役は当然、脇役もみんな輝いている。
個人的には副部長と次期部長のコンビが良かった。
それと、途中からの主役の不在を一人以外不問にしてるのは、音楽に必要なのは「愛」だからなのかな?なんて思いました。勝つために身を引き、周りも暖かく見守るという。
唯一のマイナスが綾野剛の関西弁。
こればかりは音感センスなのでやむを得ないとは言え、他の出演者が完璧なだけに浮くんだよね…。
でも、とても良い映画でした。
亀から鶴
大阪ミナミのヤクザ(成田狂児)が大阪市立森丘中学合唱部部長の岡聡美(斎藤潤)を誘拐。カラオケボックスに軟禁し、歌がうまくなりたいから個人指導してくれと頼む。その理由が親分の誕生日会で行なわれるカラオケ大会で一番ビリになると親分からシロウト入墨を彫られるから。そして「紅」にこだわる狂児の話が。逃げ出して帰宅した聡美がカラオケボックスに忘れていった傘。校門の前に黒のCENTURYを停めて雨でもないのに聡美の亀柄の女物の傘をさして佇む狂児それを見つけて聡美に教える同級生の女子。母親(坂井真紀)に別の傘をねだるが、我慢できるだけ我慢し続ければとそっけない返事。父親が新しい傘を買ってくれたがその柄が。面白すぎ。狭いカラオケボックスで中学生に土下座する強面の組員たちが可笑しい。最後にちょっと出の組長は北村一輝。贅沢な無駄使い。
親分とダブるサブちゃんはそりゃダメでしょうね。
北の漁場、風雪ながれ旅あたりでしょうか。
コミックの映画化。脚本の野木亜希子に期待して鑑賞。微笑ましい学園ものでした。後輩のソプラノパートサブの子の演技がなかなかよかった。芳根京子は安定のお花畑。「紅」の冒頭の英語の歌詞の和訳が素晴らしい。スナックカツ子で組員たちを前にそのシブいセリフ入で披露して組員たちを泣かせてほしかった。おいらも組員のひとりになって号泣したかった。もうかれこれ18年ぐらいカラオケしてないオジサンの感想でワリぃ😎
正直やられちゃいました!
もうひと月くらい前から上映してたのは知っていたんですが(他に観たい作品の目白押しで)正直どうでもいい方、テレビでやるまで待とうかな?レベルで考えてました。反省です!これはいい!!
大体予想はしていた展開?にもかかわらずも聡実(齋藤潤)くんが変声期の苦しそうな歌声で『紅』を熱唱してる時には思わず涙してしまいました。
和田役の後聖人くんも多感な中坊をうまく演じてましたよね!この世代は女子の方が大人なのはよ〜くわかるし、実体験からもあるあるなんですがお守り役の副部長や周りの女子部員の反応も『あっぱれ』でした。張本さんが生きてたらそう言うでしょう!(えっ、ご存命ですって?大変失礼しました)
昨夜、海外赴任される某一流企業の役員様夫人の送別会と称して、うん十年前の高校生だった仲間と落ち着いた隠れ家的お店で吟醸酒を嗜んで学生時代にタイムスリップしたばかりだったのでまさに『あるある』って何度もうなづくことしかりでした。
偶然ではありますが合唱部のメンバーがお二人いて、当時は聞けなかった本音話を「もう時効でしょ!」みたいに盛り上がって、時間を忘れたのも今日のこの作品に唸ってしまう要因になってました。「土曜日の『半ドン』の時の部活は‥」なんて今どきの子たちには理解不能な言葉が飛び交ってました。
それにしても『最後まで行く』でゾンビ化した綾野剛さん、今回は素敵なブラック企業戦士でしたよね。芦田愛菜ちゃんをゴミ袋に詰めてた尾野真千子さんの男の頃にはこんなにいい役者さんになるとは思いもしませんでした。(これ前にも書いた気がするけど)何にしろ、迷惑系YouTuber の餌食にならなくて(なったけど大事に至らず向こうが勝手に自滅してくれて?)本当によかったです!よく似た顔の波岡一喜さんももっとメジャーになるかと思いましたが、なかなか出てこられないですね。
そう、福田監督のコメディと対局の随所でクスって笑える素敵な作品でしたよね。侮ってて本当にゴメンなさい。いやあ、いい映画でした♪
合唱部主将の歌唱力には少々ガッカリしたが、「紅」の歌詞の奥深さに気づかせてくれた。
山下敦弘 監督による2024年製作(107分/G)の日本映画
配給:KADOKAWA、劇場公開日:2024年1月12日
歌唱力を上昇させないと組長に恥ずかしい刺青を入れられてしまうヤクザを演じた成田狂児を演じた綾野剛は、タッパとスタイルの良さが目立っていて、とてもカッコ良かった。KADOKAWA配給ということもあってか、松田優作と動き方がとても似ているとも思った。本人ももしかして、意識している?
主人公の父親・岡晴実を演じた宮崎吐夢の、父親としての怖さや威厳が皆無な演技もとても印象に残った。笑えたし、主人公のヤクザとの関係性構築に、説得力を持たせていたと思う。
合唱部副部長(八木美樹、2006年生まれ)の面倒見の良いキャラクター設定も、とても良かった。周りの女子たちの「何してる?」に「子守」と答えていたのは、あの年代の男女の精神的な年齢差を見事に表現してして、笑えると共に野木亜紀子脚本にいたく感心。
原作には無いらしい合唱部主将の岡聡美(齋藤潤)が「映画を見る部」にも属している意味付けは、良く分からなかった。見ていた映画は、自分にはカサブランカしか分からなかったが、「白熱」(ジェームズ・キャグニー主演の1949年米ギャング映画)→「カサブランカ」→「三十四丁目の奇跡」(1947年米クリスマス映画)→「自転車泥棒」(1948年伊ネオリアズモ映画)とか。前の二つは物語と良くフィットしていたが、後の二つの物語との関連性は分からなかった。
主人公が音楽だけではなく、大人の世界への関心が高いことを示したかったのか、それとも監督/脚本家の青春時代のノスタルジーの現れなのか?とは言え、テープを壊してしまうドタバタ劇は、二度と戻らない主人公達の貴重な時間の象徴的意味合いということは理解できた。
主演の齋藤潤はオーディションで選ばれたとか。確かにあの年代らしい、大人の男への反発や憧憬を表現した演技は良かった。ただ,クライマックスの「紅KURENAI」の熱唱で、声変わり中で高音出ないのは良しとしても、合唱部主将としてはもう少し歌唱の旨さが欲しかったとは思った。熱い気持ちが伝わったところは、あっただけに。
X JAPANのツイン・メインギターのハードロック曲として大好きであった「紅KURENAI」の歌詞、特に英語部分に光を当ててくれたところは、とても嬉しかった。この曲の歌詞には正直関心乏しかったが、新ためてじっくりと見てみると、奥が深い歌詞で、巷で噂されている様に、YOSHIKI(英語部分)と早逝したらしい父親(日本語部分)の会話にも思えてくる。そして、映画で主人公が死んでしまったと思ったヤクザ成田狂児の代わって歌うシチュエーションに、とても合致したものともなっていた。この歌の選曲は、原作者(和山やま)らしく、歌詞まで登場している様、なぜこの曲だったのかは、是非知りたいところである。
監督山下敦弘、原作和山やま、脚本野木亜紀子、製作遠藤徹哉 、野村英章 、渡辺和則、 舛田淳 、渡辺勝也、企画若泉久朗、プロデューサー二宮直彦、 大崎紀昌 、千綿英久、 根岸洋之、撮影柳島克己、照明根本伸一、録音反町憲人、美術倉本愛子、装飾山田智也、衣装プラン、宮本まさ江、衣装江口久美子、ヘアメイク風間啓子、VFX浅野秀二 、横石淳、サウンドデザイン石坂紘行、編集佐藤崇、音楽世武裕子、主題歌Little Glee Monster、音楽プロデューサー北原京子、助監督安達耕平、キャスティング川口真五、制作担当間口彰。
出演
綾野剛成田狂児、齋藤潤岡聡実、芳根京子森本もも、橋本じゅん小林、やべきょうすけ唐田、吉永秀平銀次、チャンス大城尾形、RED RICE峯、八木美樹中川、後聖人和田、井澤徹、
岡部ひろき松原、米村亮太朗、坂井真紀岡優子、宮崎吐夢岡晴実、ヒコロヒー和子、加藤雅也田中正、北村一輝祭林組組長。
最初から最後までいとをかし
主役にその時の齋藤潤を選んだという時点でこの作品は成功だと思う.
それぐらい岡聡実役を体現していたし、
なにより最初から最後までひたすら尊く可愛かった。
狂児役の綾野剛については、鑑賞前は原作からの見た目の乖離が引っ掛かっていたが、
映画単体として見る分には全く問題なし。
この世に生まれ落ちた時から環境にあまり恵まれず
結果的にヤクザ稼業にに行き着いている悲哀、なぜか醸し出す達観と優しさ、ちょいちょい垣間みえるやはりの暴力性、それら全て包含した上での危うい魅力が良く出ていた。
合唱部のももちゃん先生、副部長、和田くん(良い味出てた)、映画部の友達、聡実くんの両親、反社の面々、どのキャラクターもなんだかんだと愛らしい。
全編通して「愛」がキーワードになっていたが、まさか焼鮭の皮から愛を学ぶとは。
80年代みたいなタイトルコールも、エンディング近くの聡実くん渾身の熱唱も素晴らしい。
最後のリトグリと合唱部の「紅」も、この映画の全てを包括しているようで心に沁み入った。この映画観た後で「紅」口ずさまない人がいるんだろうか??
最後の最後にかましてきた「聡実」の刺青については勝手に色々妄想することにする。
原作とは別物として素晴らしい
和山やま先生の原作ファンです。
ティーザーが出た時にまず原作成田狂児のルックスと綾野剛さん演じる成田狂児のルックスが違うところに強い違和感を覚えましたが、各所からの評判の声を聞き観てきました。
映画としてはテンポも良くとても楽しんで観れました。斉藤潤くん演じる岡聡実くんのあの最後の紅の熱唱で、まさにこの時にしか撮れないものがあり感動して泣いてしまいました。原作にはない、映画部やシャケの皮などを使い、表現される聡実くんの心情など、オリジナルの要素もすごく良かったです。映画部の栗山くん、合唱部の後輩和田くんのセリフやキャラも含めてすご〜く思春期の中学生という感じがよく出てて、いるいる、あるある、となりましたし、和田くんに関しては、自分の世界が学校しかない必死さとかとても可愛かったです。
原作を忠実に再現する部分と、狂児の背中の鶴の紋紋など原作を深掘り部分もあり、原作に対するリスペクトと作品への愛を感じました。実写化ならではの歌というギミックが入りより楽しめましたし、映画としては素晴らしいものだったと感じます。
個人的に成田狂児の黒シャツ黒スーツにシルバーのネクタイピンがすっごく好きでした。ありがとうございます。
残念な点としては、原作の成田狂児のミステリアスさや大人っぽさがあまり感じられませんでした。映画なのでテンポが重要とされる中仕方ないのかもしれませんが、狂児がどう聡実くんと心の距離を縮めていくかの細かい機微がなく、歌の中学生の先生=守るべき可愛い存在みたいに可愛がりに全振りしてしまっているように感じます。和山やま先生の作風でもあるすこしじめっとした湿度の高い表情や、リレーションシップ、人間性、みたいなものがなかったように思います。
原作とは別物して素晴らしい。
笑わせてもらいました
“ヤクザ”と聞くと、「詳しくは知らないけれどなんとなく怖い」と感じるものです。
多くの人は実際にヤクザの友達がいるわけではないし、ニュースや雑誌で見かけるような情報しかありません。
でも、ヤクザだって人間だし、スナックでカラオケを歌うことくらいあるでしょう。
カラオケの好きな組長もいるかもしれません。
めちゃくちゃな話だとは感じながら、どことなくありそうな不思議な話でした。
事前に公式ウェブサイトで見ていたあらすじだと、組のカラオケ大会で1番歌が下手だと恐ろしい罰ゲームがあるのだと聞いていました。
それが、プロの彫り師じゃない、組長の趣味の入れ墨の実験台にされて、しかも絵心が無くて、ヘタクソな入れ墨を入れられる上にめちゃくちゃ痛いとか、非常に馬鹿げていておかしかったです。
毎年その罰を受けていたヤクザのアニキが、恐ろしげな容貌でたんぽぽ音楽教室へ週4回も熱心に通い始めたとか、中学生の合唱部員にすがってみたり、渡された合唱のプリント冊子を聖典のように熱心に読んで練習したり、恐ろしげなヤクザがやっていると思うと、非常に滑稽です。
去年は全国へ行ったなんていうような中学の合唱の強豪校で部長まで務めているのだから、主人公の聡実君には声変わりでソプラノがきれいに歌えなくなるというのを相当に思い悩んでいたことでしょう。
コメディの中にも年齢相応の悩みがあって、ただバカな笑わせるだけのお話ではなくて、面白いと思いました。
途中で映画を観ながら、ギャングってなんだ、とか、大人って汚い、とかいうのも味があったと思います。
日常と非日常
大阪の街を舞台に中学生とヤクザの交流を青春ものの要素を加味して描く。
思春期の少年の感情の起伏が上手く描けてて好感が持てた。そして一昔前のザ・ヤクザというキャラとの絡みもギャップのインパクトもあり楽しめた。
そして少年が暮らす日常と非日常という2つの世界が交わる瞬間をとても心地よく感じた。
映画だからこそできる演出で原作の良さが光る作品
原作読了済みです。
映画化でどうなるのかと思っていましたが、とても良かったです。
原作同様に笑わせてくれるな〜という演出も多くありつつ、クライマックスでは感動で泣かされました。
決して原作通りではないし、映画ならではのシーンもとても多く、個人的に原作で大好きなシーンも変更されていました。
それでも原作の芯の部分を保ったままで、映画というエンターテイメントとして上手く形作られていると感じました。
原作と比較すると、部活動や合唱大会のシーンなど聡実君の学生生活の描写が多いのですが、映画としてはそれがとても良かったです。
原作のどこか達観した様な部分を感じさせるキャラクターとはまた違う印象ではあるのですが、等身大の中学生である岡聡実という一人の少年の立ち位置がよく分かる演出になっていました。
“愛は与えるもんらしい”
映画を観る部で栗山君と愛について話すシーンからの、自宅での食卓シーン。父に好物の焼鮭の皮を分け与える母の姿に ”与える愛” をみて、ハッとする聡実君。そしてそこからの合唱シーン。歌われている ”心の瞳” の歌詞にまで "愛" で繋がっているという、この一連の演出が本当に素晴らしいと感じました。素人ながらに感心しました。
“映画を観る部”
この部は原作漫画には存在しません。しかし、和山ワールドを感じさせる雰囲気があり、違和感がないのが良かったです。これは和山先生の別作品「女の園の星」に出てきそうな合唱部の女子たちのやりとりにも言えます。
正式な部員が一人しかいない、カーテンで閉め切られた薄暗い室内。ここが聡実君の学校での逃げ場所なのですが、実は素直になれる場所でもあって、栗山君にだけは狂児の事を話していると分かるシーンがありましたよね。
また、合唱部後輩の和田君の感情暴走の場でもありましたし、栗山君にとっては青春の場であった事が分かります。
ここは、彼らが "映画を観る" という行為を通して、”映画を観ている私たち”に多感な彼らの心情を伝えてくれる場所でもあるのでしょう。
あと単純に、映画好きとしてはこんな部があったなら入部したかったな〜と。あんな風にゆったり映画を観て過ごす青春がうらやましく思えました。
スナックでのカラオケ大会。
単に ”狂児が歌っていた曲を聡実君が歌う” というだけではなくて、"変声期に悩む彼が普通の男性は歌うのが難しい高音のこの曲を歌う" という事にとても意味があると思います。
ソプラノが出なくなるという現実から逃げていたはずの聡実君が、地獄へ落ちた狂児を思った時、彼に捧げるためにと迷わず選んだ曲がこの紅なのです。声が出ないかもなんて迷いはその時の彼にとってはちっぽけな事で、だからこそ、彼がその喉を紅く染め、出なくなる声でも最後まで想いを叫びつづける姿に、観ている私たちは感動するのだと思います。
映画では歌詞の意味が深掘りされているのが本当に良かったです。私個人としては、漫画だけではここまで歌詞の意味を二人の関係性と照らし合わせて考える事はなかったと思います。そして大阪弁での和訳というのがまたすごく良い!この和訳がエンディングで繋がるのもとても素敵でした。
コメディ要素だけでなく、ここまで感動的な描写として表現できた事に拍手です。紅という楽曲の魅力も改めて感じる事ができました。
全く交わることのない立場や存在であったはずの人間が偶然に出会い、こうして心の深い部分でなんとなく繋がる事ができる経験というのは、この短くて長い人生においてなんと貴重で美しいのかと。そんな事を改めて感じました。
しかし、原作未読か原作読了済みか、はたまた続編まで読んでいるのか、これらでかなり今作の解釈は変わるだろうなと思いました。
もし続編も映画化するとしたならばと考えると、原作漫画と今作の映画での二人の関係性の違いのようなものも納得というか、腑に落ちるような気がします。
個人的には、ただの知り合いというにはとても深くて、安易に友情とも言えないような、でも決して家族でも恋人でもない。どこまで行っても “狂児と聡実” でしかない二人、とでもいう様な関係が好きだなと感じているので、この辺りは人によって好みが別れそうではありますね。
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