劇場公開日 2022年9月16日

「女性の心情を丁寧に描いた良作」手 せんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0女性の心情を丁寧に描いた良作

2022年11月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

制服を卒業した途端、父親と同年代ほどの男性からから異性(性的な)として扱われるようになり、彼らとの付き合い方を模索し始めるさわ子。
恋人としての関係性に囚われない、さわ子のような女性は現実には少し珍しいタイプだと思います。しかし、同年代の同僚にアプローチされ、少しづつ変化していきます。

ロマンポルノなので性的シーンは多いですが、イヤラシイものでも、ファンタジックなものでもなく、女性が不快に思うようなシーンでもないと思います。

しかし、徐々に明らかになっていく、主人公の「女の子」というファンタジーではなく、ひとりの人として向き合って欲しいという考えは、多くの女性が共感できるのではないでしょうか。

主人公の心情が丁寧に描かれており、ラストは泣いてしまいました。

父親、初めての彼氏、同僚の男性、年上の男性など、あらゆる世代やタイプの男性が登場します。
主人公目線で観る人も多いと思いますが、男性側でさわ子という人物に触れて、どう思ったのかも気になりました。

映画館で鑑賞しましたが、観客は男性と女性が半々くらいでした。
「ちょっと思い出しただけ」など、若い方にも人気がある松居大悟監督なので、気になるけどポルノ映画だから…と迷ってる方にもオススメしたい作品です。

せん
いぱねまさんのコメント
2022年11月13日

コメント失礼します
『me too運動』という大袈裟なことではないですが、社会の上位にのさばっている"オジサン"という種族を的確に捉えたモノローグは秀逸だと思います 社会構造そのものが本来並列化することが理想ですが中々感情的には難しい、だからどうしてもヒエラルキーを構築することが手っ取り早い、その上位には経験則の高さという理由だけで高齢男性が幅を利かせている事への揶揄だと思います しかし益々老害な"オジサン"達は増え続けるのでしょうね(苦笑 私もその一員ですから充分自覚しており、何事にも口を閉ざして生きていくことで戒めます

いぱねま