劇場公開日 2022年6月17日

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「子供に「葛藤」は無理 映像もショボい」炎の少女チャーリー みっくさんの映画レビュー(感想・評価)

0.5子供に「葛藤」は無理 映像もショボい

2023年3月14日
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映画は「主人公の葛藤を描く」ものだ。
ありがちなのが、「犯人逮捕(仕事、正義‥)」か「家族」か?というやつ。

Sキング原作は80年代に数多く映像化され、近年、再映画化されている。
「キャリー」「IT」など。
私の好きなのはドラマ「デッドゾーン」
これは、事故で「予知能力」を得た主人公が、その能力を使い、事故を未然に防いだり、事件を解決したりする作品。
その中でも好きなエピソードが、
主人公に好意を持ってくれた女性が事故で死亡する予知をする。
それを防ごうとすると、スクールバスに乗った子どもたちが死亡する。
主人公はどちらも助けようと試行錯誤するが、どうやってもどちらかが死亡してしまう。
悩んだ末、子供を助け、女性が死亡する方を選択する。

これが主人公の「葛藤」
単に「どちらを選ぶか」にとどまらず、「超能力を持つこと自体」の葛藤でもある。
超能力さえなければ、そんな葛藤は存在し得ないので。

Sキングは「ホラー」で知られるが、実は「超能力もの」も多い。
上記エピソードは原作にはないが、「超能力を持つこと自体」の葛藤を描いた秀逸なエピソードであった。

で、本作。「炎の少女チャーリー」
原作の「ファイアスターター」を読んだのは30年以上前で覚えてないし、最初の映画化作品も見たことない。
その状態で本作を見たが、
映像は今どき新しくないし、
「敵」のボスはショボいし、
「ライバル」となる超能力者との対決もない。(むしろ共感する)
当たり前かもしれないが、「子供」に「葛藤」は無理だ。
「葛藤」らしきものは、主人公の両親にはあるが、それに焦点があたる前に死亡・逃亡劇となるため、実質「葛藤」は描かれない。

などなど、ダメダメなところばかりの作品なのだが、なぜ再映像化しようと思ったのだろうか?

逆にこの題材を生かしたリメイクの手法があるのだろうか?
例えば、主人公の年齢をもうちょい上げる、18〜20歳ぐらいに。
子供を守ろうとする両親と、親から自立しようとする主人公との対立を背景に、
ライバルとなる超能力との戦いをメインとする。
葛藤としては、ライバルを倒そうとして、一般市民に犠牲者を出すとか、両親のどちらかを殺してしまう‥とか、そうすれば「葛藤」が描ける。
せっかくのリメイクだから、全然違う作品にすれば良かったのに‥と悔やまれる。

みっく