劇場公開日 2022年7月8日

「アイドルの前に人間」希望と絶望 その涙を誰も知らない さらぱすさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0アイドルの前に人間

2022年8月5日
iPhoneアプリから投稿

私は「君しか勝たん」発売直後におひさまになった。おひさまになった日から見始めた「ひなあい」等の番組では日頃のメンバーの疲れは見えていなかったため、冠番組ではガヤも多く元気なかとし(加藤史帆)が徐々に壊れていく様子は見ていて、ドキュメンタリー映画としての在り方を感じられたし、彼女のアイドルとして苦を面には見せないプロ意識も感じられた。

W-KEYAKI FES.2021では炎天下の中のライブで車椅子で泣きながら運ばれるメンバー達の姿とステージに立つメンバーの誰とべ、ライブ後に最善の努力をした彼女らに苦言を呈する運営サイド、改めて頑張るメンバー達、それでも足りないと言う運営サイド。
少しずつメンバー間での運営に対する不満が高まっていく中で、徐々にまとまっていき改善策を模索するメンバーの姿に感動した。

センターの重圧。センターに選ばれると喜びよりも不安が先に訪れ号泣するメンバーの姿も印象的だった。号泣するメンバーに寄り添う日向坂46の良さも出ていた。しかし、センターに対する世間一般の評価はプラスであるのに対し当の本人たちは不安に溢れている裏側を見ると、果たしてこのセンターはおひさまとして喜んで良いのかと今後出るシングルに対するおひさまとしての不安が残った。

多くの出来事が時系列で紹介された「希望と絶望」だが、一応ハッピーエンドのような形で終わってはいる。メンバーの運営に対する不満やメンバー間の不協和音が取り除かれたように表現されていた。しかし、過去の出来事とはいえ相次ぐメンバーの体調不良やメンバーに対する過度な期待ゆえの行動(炎天下のライブでの苦言等)が起きた事実を活かし、2度と同じようなことが起きないようにしていただきたい。このまま日向坂はハッピーエンドで続くのか、はたまた更なる事件が勃発するのかは、ドキュメンタリー3弾(仮)に期待しよう。ポジティブな映画になることを祈る。

さらぱす